第9話 緑色の疾風編 その2

『僕と心中するつもりで戦って下さい』


『嫌です!!』


この付近に現存するはほぼ皆無

下位な相手では瞬殺でしかない

それが万単位だとしても


『確実に自分は生きて帰ります!!』


意気込み的な意味合いだったようですが

それをニュアンスでも拒絶する


『わかりました、では・・・僕と一緒に終わらせて帰りましょう~??』


『はい!! 是非にそうします・・・』


満面な笑みを見せる六花りっかさん

思いを魂に宿し

有言実行として口に出して言霊とする


弱気な発言とも思えるレッド君の姿を嫌うように

訂正させた

本気では思ってはいないだろうが

やはり、完勝にこそ真の価値がある


『緊張しているかと思い、ネタ的に発言したのですが・・・お気に召しませんでしたね、ごめんなさい六花りっかさん』


『いえ、自分を気遣っての意味でしたらいいのです・・・しかし、冗談であっても死を口にしないで欲しいので、言い直してもらって嬉しです』


真面目な性格が露骨に出た形でしたが

それこそが六花りっかさんなのでしょう


に関しては圧勝している

それで終わりではなかった

一応、街への侵攻を防いで防衛は成功となった


『別次元の女神の挑戦のようですね・・・恋人以上の繋がりを持って僕と六花りっかさんとで完全な戦いをしましょう』


『恋人以上の完全な戦い・・・ふふふ♡』


レッド君の顔を不気味な笑みを浮かべ見つめる六花りっかさん

そして、思い浮かべるの未来を


『レッド殿!! 本気で行かせてもらいます・・・恋も戦もです!!!』


少しして、気を引き締めるようにキリッとしている

それと同時に世界の空気感が激変する


『隊長から、こちらの要請の許可を承認してもらいました・・・』


『ふふふ、武者震いします・・・レッド殿のために自分精進します!!』


これから対峙する相手に備え武器を構える

とは違う

別世界の女神チャレンジャーとなれば

本気の準備を必要とする


肩書きだけで言えば

順子さんも別世界の女神チャレンジャーなのだろう


『システムの完全版は久しぶりですね・・・数日使い物にならなくなってしまうのが難点ですけど、全力で楽しむのみです』


レッド君には、特別なシステムが搭載されている


六色の悪魔シックスカラー


赤・青・緑・黄・白・黒


ソウルとの関連もあり

同等の研究として過去になされていた

それぞれに独立した悪魔をモチーフにしたシステムがあって


名前からもわかると思いますが

赤色の悪魔レッドデーモンを宿すレッド君


ラビリアさんの構築したシステムとは別の独立した単体のもの

一応、他とリンク可能で

任意で行ったりしている


世界を管理しているラインさん

彼女がレッド君のシステムの制御も管理している

戦いの際、隊長権限扱いとして

承認制となっている


これは、レッド君が周りに対し心配をさせない配慮らしい


六花りっかさんはラビリアさんのシステムを搭載していて

それも含めてレッド君と同時に全力を出せるように


通常の生活であれば

特別なシステムは必要なく

全人類へ配布された

ラビリアさんのノーマルのデバイスを装着していれば

自動でユニバースシステムにリンクされるから

そのままそれで生活はできます


を相手に戦いをする

それぞれに宝石を宿していて

その宝石を制御するための独立したシステムを導入している


二十二部隊に関しては

ラビリアさんが直に居ることもあって

より特化したシステムをそれぞれが使っている

(レッド君はラビリアさんのシステムではない)


レッド君も含めユニバースシステムと直結している


特殊なレッド君を除いて

他のメンバーはラビリアさんの開発した

それぞれに専用のシステムがある


六花りっかさんの宿す宝石は“エメラルド”

風属性で五代宝石のひとつ

戦闘に特化した有能な属性で

弱点を気にしないで戦うことが可能で

特性として、圧倒的な速度を誇る


雪風ゆきかぜ


六花りっかさん専用の制御システム

エメラルドを最大限に発揮できるように

使用者のデータを得て

常に更新している


『自分の雪風ゆきかぜも改良型になりましたから、よりレッド殿に近くに居られるように』


まだへの覚醒前の状態

これから対峙する相手は

正真正銘の

普通に戦うとすると

勝てる要素は少ないように思える


六花りっかさんはへ覚醒しなくても十分に戦えますから』


微妙な位置付けではありますが

最終段階になる直前で

一気にへなった方がいいのでしょう

しかし、強さの代償もあるから

一概にいいとも言えない


自由な力の解放も自在に可能となる

ギリギリの状態


異世界の扉フラッシュゲート警報発令~


別世界の女神チャレンジャーの登場

正式ではない方法での電脳異空間アナザースペースへの介入

順子さんは入口の管理者であるツイールさんと深い繋がりがあるため

そして、頂点を狙う最も有力な候補でもあるため

かなりの特別な存在であって

安全に自在に次元を往来できる


そんなでない

今ここへやって来た

こんな派手な方法でしかできない


『はじめまして・・・ではないようですね、お久しぶりですさん』


レッド君と六花りっかさんの目の前に一人の女性が立っている

初見の相手ではないようです


『レッドさん、お久しぶりです・・・順子さんがこちらへ来ていると思うのですが、案内をお願いできませんか??』


礼儀正しい、ご令嬢な感じな清楚な女性

どうやら順子さんの知り合いみたいですね

わざわざ会いに来たのでしょうか


『ネメシスさん、自分と手合わせ願えませんでしょうか・・・勝ちと同時で順子さんの元へご案内致します!!』


レッド君の前に割り込むように入る六花りっかさん

武人として、ネメシスさんとの戦いを所望している

侵攻ではないようなので

無益な戦いをする必要はない


『ネメシスさん、僕からもお願いします・・・全力で戦ってもらうように六花りっかさんを負かして下さい、それで順子さんへの再会です』


レッド君も六花りっかさんの要望を促すようにネメシスさんへお願いする

多分、覚醒への準備のひとつなのでしょう


嫌そうな表情をしていて

難色を示すかと思われましたが

順子さんへの想いは、異常なくらいあるようで


『わかりました・・・本当のの実力を思い知ってあげましょう、レッドさんんへのアピールも兼ねましてね♪』


比較的好戦的な方向みたいですね

しかも、順子さんへの想いと追加して

レッド君に対しても、何やらあるみたいです

これはとで言うのでしょうか

レッド君の魅力が成せる技なのか


『ふふふ、追加特典として勝者には僕とのデートも含めましょうか??』


冗談っぽく微笑むレッド君

そんなレッド君を巡る新たな抗争が始まろうとしている


『にわかな相手をさせるわけにはいきません!! ネメシスさん、レッド殿は渡しません!!』


『にわかではありませんよ、これでも順子さんと共にレッドさんとは色々ありましたから・・・ね、レッドさん??』


このネメシスさんもレッド君との絡みがあるようですね

しかも、順子さんと共にと

それにしても、からの偏りあいを一心に集めるレッド君


での話はしてませんでしたからね・・・六花りっかさんの嫉妬心を煽ってみましょうか』


そう言うと、フライング気味な行動をするレッド君

ネメシスさんの頬へキスをして

更に、軽く胸へタッチ・・・


『あんっ!! レッドさんのエッチ~♡』


急に行われた愛撫に若干、戸惑うネメシスさんだったが

嬉しそうにレッド君の頭を軽く叩く


『レッド殿!? 何をなさるのですか~!!』


これには六花りっかさんも困惑する

そして、レッド君の思惑通りに

嫉妬心の煽りに成功する形で


『武人としてではなく、レッド殿の相方として勝ちます!!』


一応、コンビで出撃しているので

相方という表現は間違ってはいない

だが、ここで言っているのは

夫婦的な意味合いで

愛する相手ということ


『男絡みでの戦いなんて、昔を思い出しますね・・・順子さん以外では、レッドさんだけですよ本気になれるのは』


真剣ににらみ合うネメシスさんと六花りっかさん

そっちのけの、女同士の戦いが始まる・・・

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