第2話 赤い少年編 その2

通路を移動中のラビリアさんの目の前に

突如現れるラインさん


『あれでも、真剣にお前を思ってのことだレッドには黙っててやれ??』


一部始終を見ていたかのような感じだった

まあ、後に詳しく話しますが

ラインさんとラビリアさんは

深い繋がりがあるので

基本的な行動はお互いに把握が可能だったりします


『・・・その場の勢いです、実際には報告などはしません』


『そうか、その勢いでと少し思ったから』


エリアさんに関しての話は問題はないようでしたが

一番のであるラインさんの方に今度は移行して


六花りっかさんが、また禁断症状気味でした・・・』


『私の責任か・・・すまん、こちらも禁断症状だ!!』


ため息と共にラインさんの首を急に両手で絞める動作をする

ラビリアさんでは、力の差で簡単に外されてしまうのだが

ここも特殊な関係である二人


『冗談でも、やめてくれ・・・お前には絞殺も可能なんだっ、ぞ』


少し苦しそうにするラインさん

防御無視な攻撃とでも言いますか

ラビリアさんには非力な代わりに

相手を関係なく制御可能な能力があり

加えて、繋がりの深い関係上

より、この行為が危険だったりする


六花りっかさんだけではなくて、部隊の全員が同じなのですよ』


『すまん・・・個人的な欲望に逆らえなかった、私が区分けしたのに~』


不適切な表現かもしれませんが

レッド君はここの部隊の女性メンバーにとっての

中毒性の高い麻薬のような存在

とでも言いますか

男女比の逆転したこの世界

データ化した分

どうやら余計に、本能に忠実になっているみたいで

特に女性は男性を求めるようになってしまって

年齢があまり関係なくなったから

でも、ありませんが

魅力的な異性を求めてしまうようです


子供だと言えば、それまでですが

レッド君も立派な男性です

女性中心の世界で生きてきたから

それ以前に彼の本能的に女性の扱いが紳士的で

礼儀も正しいですし

あまりにも無謀なお願い以外は

比較的しっかりと対応してくれます


まあ、それ以上なことを言えば


可愛らしい男の子に魅力を感じてしまう

年上のお姉様方の集まりだと


登場した女性

のラインさんを含めて

ラビリアさんもトールちゃんも六花りっかさんもエリアさんも

みんな、レッド君をなのです


部隊で公平にするために

隊長であるラインさんが

平等に日毎でレッド君を割り振ると決めました


当番制で今日は六花りっかさんが独占できる日だったので

日課の訓練を行おうとしたのでしょう


そこをラインさんがしてしてしまったから


『私の日は飛ばしていい・・・罰を受けるのは当然だからな』


『いいえ、それは危険なので却下します・・・別の形で償って下さい』


禁断症状と自分でも言っていたくらいに

数日、接触をしないと

極端に機嫌が悪かったり

調子が悪かったり

戦いへの影響が大きく出たりするので


『当番制ではなくて、レッドさんには負担を強いてしまいますが・・・』


申し訳なさそうにしている

ラビリアさんも、理性や自制心を強く保ってはいるが

他と変わらずであることでもある


『あいつが断ることはないぞ・・・欲望には誰にも勝てないから、異論はしない』


同じく、自分の息子に強制ではないが

無理強いさせてしまう

でも、女性である以上は

息子であっても数少ない身近な異性


『見た目だけは子供ですが、特に問題はありませんよ体力的には自信ありますからね・・・ふふふ』


先程のラインさんのように急に二人の前に現れるレッド君

義理ではあるが、やはり母子なのだろうか

同じように登場してきた


『レッド・・・お前、話聞いてたな!!』


『通路は防音ではありません、筒抜けですからね・・・ほら??』


よく見ると、通路隅に隠れるように

六花りっかさんとトールちゃんとエリアさんが重なるように

こちらを伺っていた


『だよな・・・よしっラビリア、緊急会議だ!!』


『必要ないと思いますが・・・皆さん、すいません会議室へ移動です』


思いついたら即行動のラインさん

これも常習的なのでしょう

渋々な反応のラビリアさんですが

しっかりと対応してくれていますね


メンバー全員で作戦会議室へ向かう


資料室も兼ねているため

壁に様々な機器が置かれている

部門別のデータが保管されていて

司令室とリンクして、いつでも情報を閲覧できるようになっている


更に、個別のデバイスともリンクしているから

司令室と同じように情報を閲覧可能だ


『まずは、六花りっか・・・すまなかった、今日はお前の当番だったよな』


深々と頭を下げるラインさん

身勝手な行動を軽率にしてしまったことを謝罪した


『隊長殿はもう少し自制心を維持できるようにして下さい』


『そうだな・・・完全な状態に戻れば平気だとは思うのだが』


真面目な六花りっかさんらしい

上司であっても、律儀な部分をはっきりとする

しかし、レッド君同様にラインさんの事も気になる存在であるから


『いつものように個別でをして頂ければ、水に流しましょう』


『ははは・・・お前も好きだよな、わかった後で時間を設けよう』


お互いを見つめ合い、頬を若干赤く染める

一体、とは??


『隊長・・・ライン隊長、会議始めて下さい』


この流れも常習的な感じなのでしょう

手際よく行動して

二人だけの時間を割くようにラビリアさんがラインさんを引っ張る

慌てて壇上に向かう


『すまん・・・議題は、レッドについてだ!!』


空間に現れるモニタに文字が記されていく

ここで使われているのは

いにしえ


統一国家になった際

公用語はアメリアで使用されていた英語になる予定だった

しかし、出資した企業が旧日本の血縁だったために

日本語がいいと、強引に決めてしまった


『今までの当番制を廃止して、自由にしようと思うのだが・・・』


一瞬、沈黙したが

すぐにレッド君が喋りだす


『僕に遠慮する必要はありません、取り合いになるのは嫌ですが同時でも構いませんから・・・楽しく過ごしたいです』


ほとんど、完結に近い回答ではあったが

一応、みんなの意見を確認する


『欲望には武人とて、簡単には勝てません・・・異論はありません』


六花りっか様が言うなら、トールも異論なしです!!』


乱交なかよくも悪くありませんわね~わたくしも異論なしですわ~♡』


六花りっかさん、トールちゃん、エリアさんと順に答え

終わらせようとするラビリアさんに対し


『ラビリアも一応・・・答えておけ』


『私は、賛成で問題ありませんよ』


素っ気ない回答に

面白くないと、バッテンを人差し指で作るラインさんだったが

レッド君はそれを下ろすように促し

この会議は、異論なしで決議した


『争い必死です、私もこれで本気で狙えますから・・・』


予想に反し一番嬉しそうにしていたのは

ラビリアさんだった

今まで抑えていた分の反動だろうか


『これは、組んだ方が良さそうですよ六花りっか様??』


『う~ん・・・ラビリア殿が本気だと、一番の脅威かもしれぬ』


トールちゃんと六花りっかさんが共同戦線

エリアさんとラビリアさんが睨み合い

最中にスッとレッド君をするラインさん


喧嘩するほど仲がいい、なんて言ったりもするから

本気で殴り合いとかでなければ問題ないと思います


などと軽い気持ちで思っていると

後で痛い目を見ますよ・・・


との戦いも再開しているが

戦いも

抑制していた分

大きな争いになりそうな予感です

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