第九十五話 魔導の塔十五階と二人目のボス
「なんとか倒したわね」
四階にわたるゴーレム地獄を抜け、ラクスがつぶやいた。
倒しても倒してもゴーレムが登場する激しい戦いだった。
「一体この短期間に何体ゴーレム倒したんだ。」
「10体ですね」
僕の疑問にミコルちゃんが答えた。
算数はちゃんとできるミコルちゃんだった。
暗算で4回足算するのは意外に難しいのだけれど。
「10体かぁ、しばらく、ゴーレムみたくないなぁ」
「うはははは、確かになァ。数カ月分は倒したな。なかなか手ごわかった。でも、大分力もついた気がするな、ゴーレムを倒しまくったからなァ」
僕の愚痴ともいえない、発言に対し、数カ月分のゴーレムを倒したという、ガルク。
「さて、次はボス戦だ。しっかり眠って次に進もう」
「はぁい」
僕の助言にミコルちゃんが元気よく答えた。
そして、ぐっすり疲れてみんな眠った。
次の日。ボスの階にたどり着いた。
そうすると、恒例のキャットシーが登場した。
「わ、にゃあにゃあだ!!」
いつものように、ミコルちゃんのテンションはうなぎのぼりだ。
「な、ナオヤ!なんとかしてほしいニャン!!」
キャットシーが助けを求める目でこちらを見てきたので、僕がガシっと、ミコルちゃんを止める。
「こんかいのボスは誰??」
ミコルちゃんを止めながら僕が訪ねる。
「次は、燃えるような美少女サラマンダー!ニャン!」
と紹介すると同時に、燃えるような赤髪の美少女が現れた。
「これ、シルフから聞いてたんだけど、ほんとにやるんだね。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど」
と、燃えるような瞳の少女が登場した。
「こうやるように魔道士様に言われたのニャ」
と自分の趣味ではないということを含ませてキャットシーが言った。
「ま、そんな、こんなでサラマンダーだよ。よろしく」
と、サラマンダーは自己紹介して、ストレッチをした。
ザ・運動美少女の様子だ。
「さ、誰がやる?こっちは待ちくたびれて、体がなまってるんだ、はやく暴れさせておくれ!なんなら全員でもいいよ!」
美しい短髪のいかにも運動少女という呈のサラマンダーは短パンに運動するための服といった出で立ちでストレッチをしている。
「私がやるわ」
ラクスが立候補した。
そして一歩前にでて臨戦対戦の様子。
「よしよし、強そうなやつじゃないか。やろうやろう。いつでもかかっておいで」
「わかったわ。」
そういった瞬間ラクスは走りだし、抜刀した。
「うわ!!」
抜刀を目視し、後ろにジャンプするサラマンダー。
「速い速い!!いいじゃない!強い方がたのしいよ!!」
テンションが上がるサラマンダー。
燃えるような赤い髪がさらに燃えているように見える。
「ん、ほんとに燃えてる?」
僕が気がついた時には、もう拳を繰り出していた。
炎をまとった、燃える拳だった。
サラマンダーというのは伊達ではなかった。
炎を自由に操る運動美少女だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます