第六十一話 魔導の塔と魔法使いの戦い方

「これはほんとに厳しい。」

わかってはいたものの、ホブゴブリン3体はホントに厳しいぞ。

僕はそう思っていた。

冷静に考えて、ホブゴブリン1体の時の3倍。

ランチェスターの戦略的な強さで言うと9倍。


初期より9倍強いのだ。

同じ敵ばかり出てきてる簡単だと思いがちだが全然そんなことはない。


一体増えるだけで、まったく同じ戦い方はできない。

向こうに屈強な戦士が3体いるというのはかなり難しい状況だ。

こちらには剣士が二人しかいないので、1対1で引きつけられるのが二人しかいない。


僕とミコルちゃんの二人は単騎でホブゴブリンを抑えるのは難しい。アタッカー3体体アタッカー二人、シューター二人。

シューターが近づくと一気にやられる。


「これはほんとに厳しいぞ」

三体のホブゴブリンに、何対何対何で、対峙するかが重要になってくる。ここを間違えると一瞬で負ける。ミコルちゃんと僕が近距離で戦うと一掃されて。ほぼ勝てなくなる。人数が減ると勝てる確率は圧倒的にへる。


「クククク、難しいことはあとだァ」

ガルクが一番奥のホブゴブリンに向かって走っていった。

そして蹴飛ばした。お陰でみんなの集中が高まった。


「そうだね」

まずは、ガルクとホブゴブリンが1対1。

これはまず問題ない。先ほどは一人で倒せた程だ。

次のホブゴブリン2体が問題だ。


ホブゴブリン2体対ナオヤ、ラクス、ミコルちゃん

で戦うか

ホブゴブリン対ラクス

ホブゴブリン対ナオヤ、ミコルちゃんの魔法使いチームで戦うか。

選択肢としてはその二つだろうか。


「その前にやることがあるな」

「ファイヤー(MP小、スピード速)」

手前の2体のホブゴブリンをよそに、一番奥のホブゴブリンに向けてファイヤーを放った。

ガルクと退治していた、ホブゴブリンの意識がそれた。


「ナイス!ナオヤァ!」

ガルクはそこで、流れを掴んだようだ。

一方的に攻撃を繰り出す事に成功している。

シューターは火力を集中させることができる。


遠隔魔法はこういう風に使うんだろうな、と思っていた。

攻撃を集中させることで、戦局を変えることができる。


「よし、わかった」

結構考えてしまったが作戦が決まった。


「ラクス、ミコルちゃんは右側のホブゴブリンに集中!」

そう二人に言った。


「わかったわ」

「わかったのです!おにいちゃん」

そう言うかいなか、ホブゴブリンにラクスは斬りかかり

ミコルちゃんはファイヤーを放った。


「ファイヤー(MP小、スピード速)」

僕も、ラクスとミコルちゃんが戦ってるホブゴブリンに向かって放った。


これで、3対1だ。

そして


「ワープ」


「お前はこっちだ」ともう一体のホブゴブリンの意識をこちらにそらしファイヤーを放った。

土壇場で思いついたのは1対2.5対0.5で戦うという方法だった。

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