第六十〇話 魔導の塔での実力アップ
ガルクが一人でもう一匹のホブゴブリンを引きつけていた。
「おせェぞ!ナオヤ」
「ごめんごめん!」
僕が急いで駆けつける。そう言うなり魔法を唱えた。
「ファイヤー!MP小、スピード速」
横から、ガルクと退治していたホブゴブリンに向けて放った。
そして、ホブゴブリンの顔に命中した。
もくもくと煙がでている。
「一回距離を取ってくれガルク!」
「わかったぜェ!」
魔法にホブゴブリンを集中させ、そうガルクに言った。
そして
「ラクスとミコルちゃんは休んでてくれ!」
と、ラクスとミコルちゃんに伝えた。
「え?いいの」
ラクスは言った。僕は頷いた。
「わかったんだよ!おにいちゃん!」
ミコルちゃんは素直に言った。
「おゥ、二人でやるのかァ、ナオヤ!」
「うん、ガルク、二人でやろう!」
僕はガルクの側に来た。
「ククククク、おもしろれェ、やってやろうじゃねェか」
ガルクは何も言わずに乗ってくれた。
ありがたい。
これには考えがあった。
普通に考えて、この次の階で3体のホブゴブリンが出てくる可能性が高い。ということはここで、二人で一体のホブゴブリンを倒せる様になってないと大ピンチだ。単純に考えて、ガルク一人で倒せる様になってないとかなりキツイ。
「ガルク、一人で倒せたりしない?」
僕は、ぼそりと呟いた。
「いいぜェ、見てろよ!!」
空気を切り裂く剣戟でホブゴブリンに太刀を振るう。
しかし、これはホブゴブリンの剣により、弾かれる。
「基本は剣で防いでくるのか」
僕はじっくりとホブゴブリンの戦いかたを見ていた。
パターンがあるはずだ。
ホブゴブリンが強力なのは体格、剣、盾この3つを使いこなすからだ。
この組み合わせがいい感じに、一対一だと倒しきれない感じになる。どれかを崩す事が重要になるはずだ。
「ガルク、剣を持ってる腕を切り落とすのは難しい?」
僕はじっくりと、二人の剣を見ながら言った。
「むずかしいなァ」
そう答えつつも、剣を振るう。
ホブゴブリンの剣とガルクの剣が火花を放つ。
どれか一つを封じることができればいいのだが
「思いついたぜェ」
ホブゴブリンの剣をガルクが剣で弾いたあと
盾に蹴りをいれて、ホブゴブリンの態勢を崩す。
さらにそこから
「うォォォォ、ファイヤー!」
ホブゴブリンの剣を持っている方に向けてファイヤーを放った。
それをホブゴブリンが、盾でガードする。
「かかったなァ!」
「うまい!」
僕はガルクの意図がわかり感心した。
盾が定位置から、剣を持っている右手に寄った時に
隙ができた。
「おおおおぉぉぉォォ」
ガルクが全力でその隙に向かって剣を振るった!
「ググググ」
ホブゴブリンはうめき声を上げて消滅していった。
「おおおお!」
「やったぜェ!」
僕たちは喜んだ。
「一人で倒したぜェ、四人で倒したモンスターを一人でやらせるとはむちゃくちゃだなァ!ナオヤ!」
「うん、次の階はホブゴブリンが3体でてくる可能性が高いからね。」
「次はかなり強力な的になるから、ゆっくり休んでいこう」
と三人につげた。
そして、ゆっくり休み、7階を後にし8階へと向かった。
8階に向かったぼくらは、想像していた通りの光景を目にした。
3体のホブゴブリンが僕らを待ち構えていた。
「ほら、ね。」
わかっていたけど、やっぱり三体はヤバイ。どうする?
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