第五十三話 旅立ちの前

そして、旅立ち前の最後の夕食。

ごはんは実はミコルちゃんが作っていた。

ジージが作ってるわけではないだろうな、と思っていたが

やっぱりそうだった


「おいしいよ、ミコルちゃん!」

と感謝の言葉を使えた


「えへへー!まいにち作ってるからなのだ!」

こう見えて、いろいろしっかりしているミコルちゃんだった。

うまいうまい言いながら食べているガルクを横目に僕はラクスに聞いてみた。


「ラクスは料理作れるの?」

と話の流れで聞いてみた。


ピキンと当たりが凍りついた。

あれだけおいしそうに食べていたガルクの動きが一瞬止まった。ミコルちゃんも一瞬止まった。ジージですら一瞬止まった。


「ふ、ふん。やればできるんだからね!」

ラクスがツンデレ感満載で言った。


こ、これは、地雷っぽい。

そういえば、ラクスと旅しているときは、いつも外食だった。

これ以上踏み込むのはやめよう。


「フォッフォッフォ、おヌシたちこの後はどうするつもりじゃ?直接魔導の塔へ行くのかの?」

と、なんと空気を呼んだジージ師匠が話を変えた。

ナイスジージ師匠!と、アイコンタクトを送った。


「はい、そのつもりです。ぜひ大魔導師にお会いしたい。」

かねてからの目標を再確認した。

大魔導師に会いに行けば、魔法の原理、もしかしたら、ついでに、現実世界への帰還のヒントがあるかもしれない。


「フォッフォッフォ、そうじゃな、ナオヤはそれがいいかもしれんな、おヌシが知りたいことも知ることができるかもしれんぞ」

やっぱり、なにかジージも知っているのだろうか。やはり前に進むしかない。


「ありがとうございます。それから、ここで得た魔法の技術も実践で試したいです。しっかりここで学んだことを活かしたい」

これもかなり強い希望だった。ミコルちゃんに負けたままでは申し訳ない。もっと上手く魔法をつかえるようになりたい。


「フォッフォッフォ、そうじゃな、くれぐれも油断するんじゃないぞ、おヌシはミコルより弱いのじゃからな」

「はい、肝に命じております。」

と釘を刺された。力が強くなればなるほど、制御が重要になってくる。新たな力を元に、強くなっていきたい。


「フォーッフォッフォ、良い返事じゃわい。」

「ミコルよナオヤのことたのんだぞい!」

ジージ師匠はミコルにそう言った。


「わかったんだよ!ジージ!」

ミコルちゃんはジージ師匠に沿う答えた。


食事を終え、後片付けをした。

僕は、ミコルちゃんが片付けているのを手伝った。

「いつも、ミコルちゃんがやってくれてたんだね、ありがとう」

「えっへん、もっと感謝するんだよ!」

と、ミコルちゃんは自信満々にいった。ちゃんと感謝しているよ!と思った。


片付けが終わり、みんなの準備ができた。


「それじゃあ、魔導の塔を目指しますか」


「おゥ!」

「うん!」

「わかったんだよ!」

新たな旅が始まった。

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