魔導の塔編
第五十四話 魔導の塔の歓迎
大魔法使いの元での最後の食事を終え、僕らは、魔導の塔へ向かっていた。
「魔導の塔はどこにあるの?」
僕はガルクに聞いた。
「そうだなァ、ここをずっとまっすぐ行ったところだな
ァ、ラクス?」
「そうね、ここをまっすぐ行くと魔導の塔につくわ」
二人が教えてくれた。なんとなくの道は、ジージ師匠が教えてくれていたが、この異世界の土地勘がまったくないので、やっぱり何度も聞いてしまう。
「魔導の塔に出てくるモンスターはいままでとは、比べ物にならないほど、強いわ。みんな?準備はいい?」
「うん」
「楽しみだね」
「大魔導師は最上階に住んでるとのことだけど、最上階って何回なの?」
僕は疑問を投げかけた。
「わからないわ、私達は基本的には、師匠たちの許可がないと来てはいけないことになってるの。許可がおりたのはやっぱりナオヤのおかげよ。めったに許可なんかおりないわ」
「そうだなァ」
今回行けるのは、かなり特別なことだということがよくわかった。
「ミコルちゃんに負けたけどね」
とついでにそう言った。
「しかし、出会った頃のラクスやガルクが行ってはいけない場所ってゾクゾクするね。」
「ゾクゾクですめばいいけどなァ」
「だいじょうぶですよ!ミコルがいますから!」
とミコルちゃんが胸を張った。
心配だった。
そうこうしているうちに、魔導の塔へついた。
「わりとあっさりついたね。」
「そうね、特に罠とか仕掛けてないみたいね」
塔の下から、上を見上げてのんびりしたことを言った。
「やっぱりずいぶん高いなぁ、30階くらいかな?ここの最上階に、大魔導師がいるんでしょう。ちょっと見てくる。」
「え?」
「なんだとォ?」
「なに?」
三人が、びっくりしているところオーラを全身に貯めた。
「ワープ!」
一気に30階まで飛ぼうとした。
20階くらいまで行った当たりで、見えない力に押し戻された。
「ちゃんと下から来なさい。」
聞こえるか聞こえないくらいのかすかな声が聞こえた。
そして、僕は落ちた。
「ガルク!キャッチ、キャッチ!」
ラクスが言った。
「オゥよ!」
落ちてくる僕をガルクがキャッチした。
キャッチする寸前になんとか、オーラが復活したので、全体にまといギリギリで軽くなり、ガルクの負担はなかった。
「あー、やっぱダメか!」
と僕は笑った。
「ちょっと、なにしてるのよ!」
「いや、いきなりいけるかな?と思って。」
ハッカーの基本である。とりあえず、セキュリティ・ホールがないか試してみる。わりと入り口が強固で、別の出口のセキュリティがあまいというのはよくあることだ。
「今回はうまく行かなかったけど、こういうところから必勝法がみつかったりするんだよ」
「今回はたまたま死ななかっただけでしょ!」
すごい怒られた。
「す、すいません。」
「まぁ、わかればいいわよ」
「でも、いいことがわかったよ、下から行けば歓迎っぽいよ、大魔導師も」
「え?そうなの!」
「うん、たぶんね!」
「さぁ、いこう!」
そして僕らは次のダンジョン、魔導の塔に入っていった。
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