第五十二話 新パーティ

「アイス」

ミコルちゃんが唱えたアイスによって、足と地面は固定され

ワープが出来なかった。そう、ワープのエネルギーは実は高くなかった。一瞬の瞬発力で飛行させる技なので、障害物があると、実は使えない。


「ワープのエネルギー、大して高くないことミコル知ってたんだよ!」

この子、バカキャラじゃなかったのか、と失礼な事を心の中で思う。すごい、弱点がバレてるなんて。アイスによってワープのエネルギーが消失し身動きができない状態になった。

このままだとまずい、距離を取って、戦わないと、と思っていると。


「サンダー」

直接電気の呪文を送り込まれた。


「ナオヤ弱!!」

「ナオヤ弱ァ!!」

ラクスとガルクが言った。その声が微かに聞こえて気を失った。


気を失ってしばらくたった。


「おにいちゃん!」

「おにいちゃん!」

微かに声が聞こえてきた。

しばらくした後、意識を取り戻した。

「おにいちゃん大丈夫?」

と、ミコルちゃんが心配そうにこちらを見ている。


「あはは、なんとか」

そう言うのが精一杯だった。

生きててよかったやら、まけて恥ずかしかったやら、いろいろな感情が押し寄せてくる。


「ククク、ナオヤだせェ」

とガルクが言い放つ。

何も言い返すことができない、自分の不注意とおごりが原因だ。


「面目ない」

ほんとにそう思っていた。ガルクとナオヤに向かってそう言った。


「これは大変恥ずかしい」

もう一度口に出してしまった。ほんとうに恥ずかしい。

修行で得た自分の力に酔っていたんだ。


「フォッフォッフォ、そうじゃろそうじゃろ。これが最後の修行じゃ。魔法使いは常に冷静じゃなくちゃならん。全体をよく見て、戦うのが魔法使いじゃ、自分のちからに溺れてはならん」

「はい、おっしゃる通りです。」

返す言葉もなかった。魔法は特化していて、強力故、種が割れると、わりと簡単に防がれてしまう。出力は重要だが出力にたよるばかりの戦い方はいけない。


「気を抜くと自分の力を出す前にやられてしまうのが、魔法使いじゃ。常に冷静に力を使わねばならんのじゃ」

「大変良くわかりました」

もう一度、魔法使いとしての戦い方を考える必要がありそうだ。


「というわけで、未熟者のおヌシにはミコルをつける」

「わーい、わーい、お兄ちゃんたちと一緒に旅だぁ!!」

と踊りまわっていた。


「しょうがないわね」

「しょうがないなァ」

ラクスとガルクは笑っていた。

「ほんとすいません・・・」

ぼくは小さい声でそう言った


そして、僕らは4人パーティーとなったのだった。

「ラクスとガルクの修行はどうだったの?」

僕らが修行していること、ラクスとガルクも修行していた。

元々の師匠のところだという。彼らは元々強かったので、得るものはあったのだろうか?気になって聞いた。


「まぁ、期待してて!」

「ククク、そうだなァ」


教えてくれなかった。

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