第五十一話 ミコルの実力

「ジージ師匠!さすがにそれは危険過ぎませんか?」

と僕はジージ師匠に言う。さすがにミコルちゃんと戦うのは危険すぎる。たしかに、ミコルちゃんは僕より高出力の魔法を使いこなしていたが、それは、僕が修行するまでの話で、今となっては高出力な魔法を僕も使えるようになっているので、かなり危険だ。


「修行の結果高出力の魔法を使えるようになったので、危険です!ただではすみませんよ!」

「ふふん、大丈夫なんだよ!」

ミコルちゃんは自信ありげに、胸を張っていった。


「フォッフォッフォ、自分のちからを過信しているようじゃの!」

ジージ師匠もそう言った。

いやいやいや、それは危険すぎるのではないか。

そういえば、魔法バトルなんてジージ師匠としかやったことがない。


「うまく手加減できませんよ。」

「カチン!プンプン!もう怒ったもんね!わたしも手加減しないもんね」

ミコルちゃんは頬をふくらませて怒った。


「よしわかった、ミコルに負けたら、ミコルを連れて行け!」

話を聞いていたジージ師匠は新しい提案をした。

「危険すぎます!こんなかよわい女の子を一緒には連れて行けますん。」

「フォッフォッフォ、甘く見られたもんじゃな、ミコル、サクッと倒してしまうと良い」


「わーい、おにいちゃんと旅だー、わーいわーい!」

「いやいやいや」


そうこうしていると、ラクスとガルクがやってきた。

「お、なんだァ」

「おもしろそうね」


「ラクス、ガルク!ナオヤが負けたら、ミコルも連れて行け」

「はいはい」

「わかったァ」


「いやいや、ラクス、ガルク危険すぎるだろう」


「あら、ナオヤはミコルに勝てる気なのね。」

「いや、勝てるかどうかはともかく、危険だろう、こんなかよわい女の子をダンジョンに連れて行くのは」


「あら、私はか弱くないってこと??」

ラクスは怒っていた。そしてガルクはいつもどおり笑っていた。

「クククク、いつもどおりだな、嫌ならミコルを倒すんだな、ナオヤ」


「おにいちゃん、そろそろ始めるんだよ!」

「わかったわかった」

僕も覚悟をして、ミコルと戦うことにした。


「さぁ、やるか」

さて、どうするか。なるべくミコルちゃんにダメージを与えないで勝ちたい。上空に連れて行って、参ったを言わせたい。

対ジージ戦と同じ方法で行くか。


「ファイヤー(mp小、スピード速)」

数発ミコルちゃんに打ち放った。


「ウォーター」

ミコルちゃんはウォーターで防いだ。

よし、まったく同じ展開だ。ファイヤーをウォーターで防がれて煙幕になっている。


「ワープ」

「ワープ」

ワープを二回繰り返し、ミコルちゃんの後ろに飛ぶ。


そして、後ろから羽交い締めにする。

「悪いね!」

「きゃっ!」


「ワープ!」

そう唱えるかいなか、ミコルちゃんも魔法を唱えていた。


「アイス」


「え?!」

一瞬で足を凍りついた、地面と足が一体化していた。

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