第三十二話 放物線

「その後、おヌシは消えたな?あれはどうやったのじゃ?」

まず、ファイヤーを一発叩き込み。

それが防がれることを確認した後、

四発ファイヤーを大魔法使いに向かって撃った。

3つはまっすぐ、1つは山なりに撃った。

なので、3つのファイヤーが届いた後

しばらくして、上からファイヤーがひとつ降ってくる感じだ。


これは実は難しい。

僕は、物理の教科書を思い出していた。

これは、物理の教科書に結構最初に出てくる

放物線を描いた玉の飛ばし方だ。

全く同じ力で、一つだけ斜め上に打っても

当たらないではるか彼方に飛んで行ってしまう。


バレーのアンダーサーブのようなものだ。

普通のサーブは上から強く叩くが

アンダーサーブは、角度をかなり変えて、打つ。

力をしっかり抑えて、重力で落ちてきたところに

ちょうど標的がいるようにする。


正直、練習してなかったので、たまたま出来ただけだった。

本来だったら、僕の気質的にはそういうことは避けたい

実験済みの確度が高いものだけで戦っていきたい

これも、朝の訓練メニューにこれから加えたいところだ。


今回は、最初の3つで目標を達成していたので

最悪外れても良かったので問題なかったが、

重要なところで、初実験は避けて行きたい。


この、やまなりで、球を当てるというのは制御の基本で、

思ったところに玉を到達させる、ということだけど

これは実際はかなり難しくて

大砲とかを作るときもきちんと計算されている。


まっすぐ速いスピードで打ち出してものを当てる

というのはそんなには難しくないが

重力を計算して決まったところに当てるというのは

物理の教科書にでくる基礎だが、究極目標でもある。


ただ、最近の大砲とかは、球の方がもうかなりハイテクで

球自体にカメラがついていて、

画像認識して目標物に向う

くらいのことはやっている。


高度な制御をする場合は

風などの外乱も多いので、

実際のところは、一番最新の状態をセンシングしながら

チューニングする必要がある。


今回はたまたま、やまなりのファイヤーボールも当たった。


「そうじゃった、そうじゃった。やまなりのファイヤーもあった。器用なことをするもんじゃわい。かなり変わった戦い方をするわい。」

たしかに、現代科学を踏まえての戦い方なので

かなり思想は違うかもしれない。

このファイヤーを幾つか続けて打つことによって

ファイヤーの方に意識を集中してもらおうと思っていた。


それが今回の作戦だった。


さらに、水で防いでくれたので、その水蒸気が煙幕となった


「そのあと、お主は消えたな、あれはどうやったのジャ?」

「はい、それはこうです。」


全身にオーラをまとった。薄くからだ全体が光で包まれる。

「見ていてください。」

「ほほう。」


「ワープ」

2メートルくらい横に飛んだ。

大魔法使いは目を丸くして、こちらを見ていた。


「おお!そんなことが!できるんじゃな!」

大魔法使いは関心していた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る