魔法の修行編

第二十六話 大魔法使い登場

宿でラクスがチェックアウトを済ませる。

最近ダンジョンでためていたお金で、支払いをすませる。

意外に、ダンジョンでのお金って使えるのかな?


そういえば、僕はここの貨幣価値がわかっていなかった。

物の値段の比率はだいたい同じ感じなのだろうか?

現代社会だと、宿泊費は食費の最低でも5倍くらいだ。

そのくらいの値段を払っているのだろうか?


その疑問の他に、もう一個気になっていることがあった。

そう、大魔法使いのことだ、

二人がよく知る人物らしいのだが

イマイチどんな人かは見えてこない。


「大魔法使いってどうな人なの?」

道中、二人に僕は聞いた。

どういう人が大魔法使いになれるのだろうか。

気になり始めていた。

考えてみると、スーパープログラマは

だいたい似た感じの人が多い。


やっぱり、集中するタイプ。

それからありきたりな言い方だが、

常識にとらわれないタイプ。

物事の原理を知って、

出来ないと思われてることをやろうとして、

やってしまう人たちだ。


魔法使いも多分、そういう何かがある。

その傾向がわかると、自分としても今後やりやすい。

傾向には意味があるからだ。


みんなに共通する部分。

集中している部分に才能の正体があることが多いからだ。


「まァ、くそじじいだなァ」

と、かなりプラスの思考をしていた

僕の考えを遮るように、ガルクの汚い表現が入る。

そしてラクスもあえて否定しない。

ラクスが否定しないということは、

よっぽどの人なのだろうと、僕は想像がついた。


「ラクスも否定しないんだね。」

「そうね。でも腕は確かよ、弟子を育てる腕もね。」

ラクスは、否定せず。しかし、別の褒める言葉を付け足した。

クリエイターには性格が悪いけど才能がある人というのが

たくさんいるのだけど、そういう感じなんだろうか。


「できれば会いたくないけど」

え、そんなに??それはよっぽどの事だな。

会いたくないけど、才能がある人。どんな人物なのだろうか。

そんな人いるだろうか。暴言を吐く人?厳しい人?


しかし、どうも話を聞いてると、二人からは

そこはかとない誇らしさは感じるんだけど

まったく尊敬の念を感じない。これはいったい。


「さあ、着いたわ」

水辺に、建物がある。これが学校だろうか。

さすがに現代社会の学校とは違うか。

何百人も入れるような建物ではなかった。


ラクスがそう言ったので、ラクスの方を見た。

とつぜん、ラクスの後ろに人影が現れた。

そして、間髪入れず

ラクスのおしりをペローンとなでた。


「ちょ!おま!!」

僕は口に出してしまっていた。

僕でさえも異世界にきてから、ラッキースケベな体験してないのいに!!


「よく来たな、ワルガキ共」

初老のおじいさんが、こちらに対して言葉をかけた。

もしかしたら、と思っていると。

ラクスがこういった。


「残念だけど、この人が大魔法使いよ」

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