第十四話 ディナーミーティング
「ヒール!」
ゴブリンを倒したあと、ラクスに回復魔法をかけた。
ラクスの疲れをとる。
「ありがとう!」
どういたしまして、といいつつ
「今日はつかれたね。もうこれで魔法は出ないな」
と僕は笑った。
今日はこれで帰って、宿でしっかり疲れを取って
明日からの戦いに備えたい。
新たなる呪文もしっかり覚えていきたい。
そう思いつつ、今日の戦いを思い出していた。
今日の戦いでだいぶ、複数戦のやり方がわかってきた。
なんとなくわかっていたことが、実体験となって理解できた。
つまり、複数人で同時に来られると困る、ということだ。
ゴブリン一体自体は、冷静になって戦えば
負けることはないレベルの相手だけど
複数現れると、意味は変わってくる。
複数戦は個人戦とは大きく趣がことなる。
いわゆるランチェスターの法則だ。
ランチェスターの戦略的には
1:2の人数比だったら、二乗倍、1:4の戦力比になる
1:3だったら1:9の戦力差になってしまう。
なので、同じ人数で戦っている場合
一人落とされると、3:2になってしまい
戦力差としては6:4になってしまい
もう殆ど勝てなくなるし
最初から戦力差がある場合は、同じ人数になるまで
奇襲で減らすというのが基本戦略になる。
今回は
アタッカー3体[ゴブリン]vsアタッカー[ラクス] シューター[僕]
という戦いだった。
アタッカー3:1になってしまうことが一番避けなければいけないことだ。
これは僕が後方にいて、
ラクス一人でゴブリン三体と戦う状況になると
うまれてしまう。
僕が先頭に参加してない状況がうまれてしまうのだ。
さすがのラクスでもそれはやられてしまう。
1:1でラクスが戦える状況を常に作る必要がある。
それを魔法と知恵で作らなければいけない
あとは、もう一人仲間が欲しいというところ
複数戦になった場合は、3人の方がバランスが良さそうだ。
3人以上だとまた別の問題が発生する
アタッカー、シューター、スナイパーあたりの
三人チームがバランスが良さそうだけど
ダンジョンだとスナイパーが活躍する場面は少なそうだ
射線が通る場面が少なすぎる
とすると、もう一人アタッカーか
もう一人、魔法使いがいてもいいかもしれない
魔法のことを教えてもらいたい気もするし
いまのままでは一人で敵の攻撃をうけてしまう
ラクスのことを考えると
もう前衛の一人戦士がいたほうがいい気がする。
「ねえ、ラクス、今日どうだった」
「大変だったわね」
「もう一人、仲間がいた方がよかったりしない?」
「そうねぇ」
「だれか当てがあったりしないの」
「あると言えばあるわ」
なぜかぼんやりしているラクス
「ただ、キャラクターに問題が」
と、夕食を食べながら話していると、後ろから男が現れた。
「よう、ラクス!」
と声をかけられた。そしてその男は言った。
「そいつは誰だ!?」と僕をさしてその男は言った。
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