第十二話 空中浮遊

「あー、おいしかった。」

ラクスは満足そうにそういって、フォークを置いた。

ラクスが美味しそうに食べる姿は、可愛かった。


「それにしても、回復魔法も使えちゃうのね」

「そうみたいだね、効果がどのくらいのものかは、わからないけど」


「そうね!すごく元気になるって感じね」

とラクスはちからこぶのポーズをつけて微笑んだ。


そして、ラクスは思い出したようにこう聞いた。

「朝の空中浮遊はどう?すごかったわね」

「あれはなかなか難しいね数センチしか浮かばなかった、なにかが違うんだよなぁ」

数の修行であれが、何メートルも浮けるようになれるとは思えない。

最初、オーラの出し方を間違えたように、浮いた時のやりかたも

なにかが少し違うのかもしれない。


「でも、あれも十分凄いわ。訓練したらずっと浮いてられそう」

「そうだといいんだけどなぁ」

魔力と集中力をあげないとなぁ。魔力ってそう簡単にあがるのかな。と思いつつ。

いまのまま、5センチ浮けたところところで、いまのところやくには立たなそうだ。

なにか良い使い道があればいいのだけど


「じゃあ、行きましょう!」

そして、またダンジョンにやってきた。

またゴブリンが登場した。


先ほどの作戦どおり、ラクスが前衛でたたかっている

僕は、それを見ながら、チャンスを伺う

ラクスの動きは速い。

その動きを目で追うので精一杯だ。


横に回りこみ、ラクスが一瞬下がったタイミングで

横からゴブリンにファイヤーを当てる。


ゴブリンがこちらを睨み、向かってきた!

そこをすかさずラクスが斬りかかる。


ゴブリンを倒した


「倒せるようになってきたわね!」

ラクスがそういう。


「うん、だいぶ二人での戦い方がわかってきたね。」


と言っていたところ、なんとゴブリンが二体で現れた

呼んでしまったのだろうか、二対二は初めてだった。

ちゃんと戦えるだろうか。


「ファイヤー(MP小、速度速)」

片方のゴブリンに炎を当ててこちらに、注意を向ける

片方のゴブリンがこちらに向かってきた。


そして、ラクスが、もう片方のゴブリンと戦う

その様子を、パッと見たところ

なんともう一匹ゴブリンがきていた。


その新たなゴブリンは、もう襲いかかろうとしているが、

ラクスはもう一匹と戦っていて気がついていない。

そして、もう一匹は僕のほうに向かってきている。

まずい。しかし、この距離だと助けに入れない


「ラクス危ない!」

大声で叫んだ。


そして、そのとき、はっと思いついた。

全身をオーラでまとって、呪文を唱えた。


「ワープ!」

瞬間、ラクスの側に飛んだ。

ラクスは、僕の声でもう一体のゴブリンに気がついたところだった。


そしてラクスを抱きか抱えてもう一度

「ワープ」


かなり、ゴブリンたちと距離をとった。

そして、ラクスを下ろす。

ラクスは少し赤くなっているようだ。


「抱っこされちゃった」

「え?」

僕はよく聞こえなかったので、聞き返す。


「なんでもない」

ラクスはそういった

「え?なに?」

ほんとに聞こえなかったので、僕はまた聞き返した。


「それは、もういいの!そんなことより」


「ナオヤそれって」

「うん」


「これが空中浮遊の使い方みたいだ!」

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