第十一話 ランチミーティング

「さて、ごはんでも食べに行きましょうか。」

ラクスがそう言ったので、ダンジョンを出て、近くの町に戻った。


さっき手に入れたコインで美味しいものを食べる。


待ちながら、ラクスが言う。

「さて、戦い方のおさらいね」

うん、と僕が頷く。


あ、ランチミーティングだな、と思った。

プログラマーの時はよくやった。

違う部署の人と話したり、ご飯を食べながらプレゼンしたりする。

会社が主催のプレゼン込のランチミーティングは結構良いお弁当が出るのだった。


「基本的な戦い方はさっきみたいな戦いかたになるわね。」

なるほど。

さっきみたいな戦い方というのは、基本は僕が後ろから魔法で攻撃して

その隙にラクスが止めを刺すという戦いかただ。


「私が前衛、ナオヤが後衛」

と、大きい手振りで話を続ける。


「距離が離れてるときは、ナオヤが攻撃して、近づいてる時は私が斬る。」

先ほどのこのやりかたが、上手く行ったので

よくわかった。

でも、一つ疑問があった。


「ラクスが戦ってる時はどうしたらいいですか?」

これがわからなかった。

後ろにいると、戦っているときはどうしたらいいのだろう。

なにもしないのはもったいない。


「私が戦っているときはサポートしてくれると助かるわ」


「サポート?」

「そう、回復魔法をかけてくれたり、同時に攻撃したり」


回復魔法!すっかり忘れていた

回復魔法使えるのかな。


「僕は、回復魔法つかえるのかな?試しに使ってみていいですか」

「うん、ちょうど疲れてるし、お願いできる?」


試しに唱えてみた。


「ヒール!」

たぶんこの名前だと思った。

ラクスに向かって、そう回復魔法を唱えた。

ラクスの身体が光に包まれた。


「おお、出た」


「どう?」

光に包まれた、ラクスに向かってそう聞いた

「うん!回復してきたわ!ありがとう!」

こちらを向いて嬉しそうに言った。


「どういたしてまして」

僕は微笑んだ。


なるほど、回復魔法も少し使えるみたいだ。

これで戦いの幅がかなり広がる。


基本的には後衛なので、全体を見回して

作戦を考えるということをするのが

魔法使いの役目になるようだ。


だいぶ頭がスッキリしてきた。

これでよい。

かなりシンプルに整理できた。


この基本ルールがわかってくれば

プログラマーは強い、あとは最適化していくだけだ。


ラクスが戦うのをサポートしつつ戦局を見て

火力を集中させたりするといいようだ。


あとは大事なのはラクスに攻撃してしまわないこと、だ

これは、やってしまうとかなりダメージが大きい

やったほうも、やられたほうも、心のダメージが来る


気をつけないといけない。

前衛にラクスがいるときは、あまりファイヤーボールなどを使わない方がいいだろう

使うとしたら、ポジション取りだな、ラクスに当たらない位置から

モンスターだけ攻撃できればかなり大きい。

相手の集中がきれ、ラクスにチャンスが増える。


そうこうしているうちに、ごはんがきた。

「いただきます!」

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