第九話 空中浮遊

朝、ラクスより早く起きて、宿の庭に出た。

昨日の反省を踏まえて、ちゃんと魔法をコントロールして

ラクスの役にたてるようになりたい。


さっそく、昨日考えた、オーラで空中に浮く練習をしよう。

オーラを体全身にまとい、そのまま体ごと上に引っ張れば

空が飛べるはずだ


オーラを体中に纏うというのが第一段階になるはずだ。

まずはオーラを出すところから思い出す。


最初に、右手の回りに、オーラを出す。

「よし」

右手から出すのはかなり自由にできるようになっている。

さすがに異世界に来てから、魔法は毎日つかっているから

この基本のオーラは自然に使えるようになっていた。


さらに左手にもオーラを出す。

やはりこちらは利き手ではないので少し落ちる。

身体能力と連動しているようだ。やはりパラメータで整理されている

VRMMOなんかとは違う感じ。


そして体全体に移そうとした。


ググググ、手のひらから先を包んでいたオーラが

だんだん、肘のあたりに近づいていき、二の腕を越え

肩に到達しようとした時

集中力が消え、オーラが消えてしまった。


「ふー、ダメだ」


イメージできない。


このやり方はダメなんだ。

先に手に集中させてしまうと、体全体にオーラを持っていくのは難しそうだ。

このやり方では、体全体に均等にオーラを纏うことができない。

どうしても手先にオーラが集中してしまう。


「違う、こうじゃない。」


こういうことではなく、体全体に均等にオーラを纏いたい。

身体の中心をイメージする。


身体の中心からオーラが全体にあふれるように

イメージするんだ。


気を取り直し、もう一度オーラをまとい始める。

フワッとオーラが身体を包む。

髪の毛がフワッと重力に逆らう


体全体に、オーラが満ちてきた


「お、あと少しだ」


そのまま、浮くんだ。浮け!浮け!!

身体が重力から離れて、少しづつ上昇しているのを感じている

このまま、このまま浮くんだ、靴が地面から離れ確かに魔法の効果を感じつつ

1センチ程浮いた


「やった!!!浮いた!」


喜んだ瞬間オーラのコントロールが崩れ

地面に降りてしまった。


「落ちちゃった」


感情をコントロールし続けるのが難しい

もっと集中しなければと思っていたところ

「すごい!あと少しじゃない」

声がしたので振り返る、ラクスだ


ラクスは笑顔でこちらを見ていた

「昨日の今日ですごいわね。毎日どんどん進化していくのね」


「おはようございます!」

失敗したところを見られたので少し恥ずかしかったが

褒めてもらったので、そのまま続ける

「このまま、ビューっと飛べるといいんですけどね、なかなか難しいですね」


「さすがにいきなりはできないわよ!でも、すぐにできるようになるわ!」

「私が見込んだだけのことはある!」

エッヘン!っという感じポーズをとり微笑んだ


「さあ、今日もダンジョンへ行くわよ!」

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