本作は神の視座である。
うっかりとミスリードされたまま読み切ってしまった。
もしかしたら墨の凛さんが卓を囲んで「探索者たち」というルールブックで遊んだ結果であるかもしれない。それはさておき、
TRPGにはダイスロールという決まりがある。
なにごとにおいてもダイスを転がして出た目の数値で行動結果が可否されるというもの。
主人公である鈴森くんは幼馴染に請われて深淵研究会なる組織に入会してしまう。そんな主人公が発現した特徴が「判定」。
直後の行動が成功するか失敗するかが「判定」できてしまう異能。
これから誰か(自分も含め)が行う行動の結果がやんわりと知ることができる。失敗するか成功するかしか分からないけど、目星はつけられるわけ。
例えば探し物をするとき、目星があれば助かりますね。
本作はクトゥルフ神話の神話生物たちが跋扈する世界で、「TRPGの特徴」を異能として身に着けた鈴森くんたちの探索譚である。
TRPGリプレイ小説かと問われればそれはきっと違って、
「鈴森くん」というジャンルなのだ。
ちなみに「火星の花」エピソードがとても素晴らしく面白かったです。