追走ー6
0ー5 一人......
誰かと話がしたい。
誰かに話してこの恐怖を吐き出したい。
でもそれは出来ない。
誰も私に近付いてくれない。
誰も私の傍にいてくれない。
『私はもう誰とも関われない......』
降りしきる雨を見上げて私は思う。
寂れた木製の休憩所で雨宿りをする私。
雨が身体に当たるわけではない。
雨で身体が冷えるわけではない。
でも私はここで雨宿りをしている。
そして私はもう一つ気付く。
『私、声が出ない......』
ついさっき私は気付いた。
言葉が出ない。
口から音が発せられない。
これではお話なんて出来ない。
『私はもう、一人なんだ......』
諦めかけた私。
すると一人の男性が雨に濡られながら走ってこちらに向かってくるのを見た。
『また誰か来てくれた......』
『でも私は声が出ない』
『誰とも話が出来ない』
その男性は私のいる休憩所に飛び込んだ。
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