第136話
だが、私はそんな言葉も認めたくなかった。
これもまた重みのないただの甘い言葉なんだ。
そう思いこもうとした。
もう揺れたくない。そうしないと、この学校の孤独には耐えられなくなるから。
「そして……」
丹波は目をふせていう。
「今もこうして初乃を怒らせてしまっている」
ぎりっと奥歯をかみしめていた。したにたらした拳が臆病に震えていた。
私はいった。
「その話……」
鼻の奥がツンとした。
「本当だって証拠はあるの?」
声が震えた。涙がでそうだ。感情を押し殺して無理やりつくった私の無表情はへたくそだ。
「だって丹波はケンカだって強い。べつにあいつらを怖がっているようには見えない。それなのに、私と自分が無関係だなんていうことを強調しなきゃいけない理由なんてない。もしこのまえの守るって言葉が本当だったら、あいつらを倒して、もう二度と私に手をだすなっていえばいいだけでしょ。それなのに……」
私は言葉が詰まった。無理やりのどの奥からしぼりだした。
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