第104話

 同時に。


 担任がやってきた。教室にはいってくる。


「なんだ、これは?」


 クラックのはいった壁と教室前方に詰めかけている不良を交互に見た。


 連日のトラブルはさすがに見逃すわけにはいかないのだろう。三回目の今日はさすがに少々尋問があった。もっとも矢野に対する尋問はただの流れ作業のようなものだ。


「なにをやっていた? なにがあった?」


 そんなテンプレートの会話にヤンキーのボスはていねいにこたえた。


「なんでもねーよ」


 担任がいう。


「それならよかった」


 ホームルームが始まった。

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