異種族間の友情/愛情、空への憧憬。そういうものが気持ちよく、うっとりするような透き通った筆致で描かれています。舞台となるのは、竜が野生動物として生息する、架空の地球。第一次世界大戦から一〇年後の空を、元空軍エース/貴族令嬢ベアトリーチェと白竜ブランカが駆け抜けた時代です。一人と一匹の間にある「共に空を飛びたい」という願いと裏腹に、ファシストが台頭する地上はどうしようもなく不自由で――まだ竜が飛行機よりも速かった時代、命を賭して、たった一人の人間と共に空を飛ぼうとし続けた竜の願いの果てを、どうか読んで欲しい。