ラウンド26
翌日から、ゆみたちの特訓は本格的にスタートした。
愛衣を合わせた四人で対戦して意見を交換し合い、対戦会が開かれているときは時間ぎりぎりまで対戦といった日々を過ごした。
さらに、ゆみはアンジェの対戦動画を研究。アンジェがどのような戦い方をするのか、徹底的に分析した。
夜はnao/と家庭用のネット対戦でひたすら対戦。徐々にではあるが、nao/に勝てるようになってきた。
ゆいかのキャラ対策にも、協力して貰った。
こうした日々を送る中で、ゆみの意識に変化があった。
今までは勝つ為に、正確には母や周りの期待に応える為に格闘ゲームをしていた。それが華澄や遥之との出会い等をきっかけに、今までとは違う、新しい気持ちが芽生えてきた。ゆみは、確実に変わってきていた。
時は流れ、あっという間に市民大会前日になった。
ゆみはいつも通りの練習メニューを終え、明日に備えて眠ろうとしているところだった。そんな時、スマホの着信音が鳴った。
ゆみは、スマホを確認する。nao/からの、メールだった。
「nao/さんから? 何だろう?」
ゆみは、メールを開いた。メールには、次のような文章が書かれていた。
『明日は絶対勝てる nao/』
「ふふ、nao/さんらしい」
あまりにシンプルな文章に、ゆみは思わず笑ってしまった。
だが同時に、勇気を貰えた。
「ありがとう、nao/さん」
ゆみは、今まで経験したことないような熱い気持ちになった。
(やれることは、全部やった。自分を信じよう)
ゆみはそう心の中で呟くと、眠りについた。その日、いつもの悪夢を見ることはなく、ゆみは久々にぐっすり眠ることができた。
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