暁桜編〈shut up!〉


 ――翌日。


 6月7日は月曜だったが、学校を休んでフローラに付き添った。

 担任の祥焔(かがり)先生も、事情を話したら特に詮索する風もなく欠席を了承してくれる。

『……事情は判った。だが単位が危なくなるのは出席日数だけじゃないから気をつけろよ、……ククク』

 どうやらガラにもなく俺を慰めてくれているようで、笑いながら成績が低空飛行な事実を持ち出してくる。

「……く、判ってますけど、期末テストも終わってないのに、補修確定(ヘンなフラグ)立てるの止めて頂けませんか」

 フローラの事とは別次元で笑えない事なので真剣に反論する。

『フン、反論する余裕があるなら大丈夫だな』

「……二度目ですから」

 そう答えると、祥焔先生は真面目な調子で言ってきた。

『じゃあ、今期末の後始末(ほしゅう)は考えておいてやるから、安心して彼女(フローラ)に付いていてやれ』

「んぐぐ……、嬉しくないフォロー感謝します。てかテストが悪い前提で話するの止めてください」

 憮然と反論したら祥焔先生が真面目に言い直してきた。

『そう言う意味じゃない。“学校の事は気にせずに今はキチンとフローラに向き合ってやれ”と言う意味だ』

「そっ、(向き合うってどういう意味ですか?)…………いえ、判りました」

 意味深な言葉に思わず聞き返しそうになるが、聞いたところでやることは変わらないので、言葉通りに受け取ることにした。


 朝一でステイ先の夫妻が来られ、着替えと見舞いを置いていき、自分も一旦家に帰ってシャワーを浴びて部屋に戻るとさくらが沈痛な面持ちで声をかけてきた。

「ゆーき」

「なんだ?」

「ごめんなさい」

「ん?、何の事だ?」

「フローラが落ちたあの場所だけど、ルートを調べた時、所有会社のサイトには、“崩落の危険がある為に当採掘場は閉鎖いたしました”って載っていたの」 

 頭をタオルで拭いていた手を止め、テーブルに正座しているさくらを両手で包むようにして、安心させるように言う。

「……知っていたよ」

 さくらは驚いて聞き返す。

「ええ!?」

「現場の入り口の古びた立て看板に“崩落の危険あり、立ち入り禁止”って立て看板があったからね」

「それならどうして?」

 困惑しきったさくらが聞き返す。

「別にあの場所だけじゃなく、山はそもそも安全な場所なんてないんだ。それに採掘場でなくても断崖絶壁なんて、このあたりの山じゃ珍しくないからね」

「そうだけど、でもさくらはゆーきのDOLLなのに……」

 言葉を詰まらせ、手をついて下を向くさくらにさらに声をかける。

「危険を承知であそこへ入って、そのリスクを甘く見ていて、結果フローラをケガさせたのは俺だ。例え“さくら”がいなくてもその甘さゆえに、俺はフローラの願いに応えようとして、やっぱりいずれはケガを負わせていたと思う」

「そんな事……」

 おそらくは慰めの言葉をシュミレートしたのだろうが、言葉を詰まらせた事がさくら(A・I)の素性を残酷なまでに証明していた。

(……やっぱり“さくら(A・I)”でもそう思うか)

 昨日までのさくらなら“そんな事はないよ”と言い切っていたかもしれない。だがそれこそが昨日までの“さくら”の最も人間らしい一面だったのだ。

 この数日間、人間(?)とA・I(プログラム)の間を揺らいでいるように見えた。それが今回のさくらの判断ミスを引き起こしたのは疑いようがないが、“さくらのせいだ”と言うのは人として最低だと思う。

(――そう、だからすべて俺の責任だ。さくらのせいじゃない)

 安直に否定せずに、相手を全肯定して正直な感想を言う事の方がよっぽど建設的だから、さくらにはこう言う。

「俺はさくらがただの “自立歩行型多機能高速通信機(DOLL)”だなんて思った事はないぞ」

 そして心中でこう付け加える。

(――だから、間違い(エラー)なんて気にするな)

 するとさくらが顔をあげ、両手で口元を覆って聞き返す。

「ゆーき……なんで?」

「さくらが何か大事な使命を持っている事は俺にも何となく判っているし、それに協力したいとも思っている」

「知ってる? どうして?」

 驚きつつも肯定も否定もなく聞き返してくるさくら。

(どうして?――か。この場合、“どうして知っているの?” は、ロボットへの返答になるか。でもさくらなら“どうして協力してくれるの?” だろうな、。――なら答えは)

「さくらが好きだからな」

 すると、いつものように素直に喜ぶでもはしゃぐでもなく、困った様に聞き返してきた。


「……でも、さくらは人間じゃないんだよ?」


 笑いながら即答で応える。


「俺もロボットじゃないぞ?」


 おそらくは初めて見るであろう“さくら(A・I)”の間抜け顔、――唖然とした顔を見た。


「「…………………………………ぷっ」」

 数秒の間のあとにお互いに盛大に笑う。


「ふふふふ……………………………」

「はははは……………………………」


 笑い終わったあと、さくらが俺の左手の親指を抱き寄せ、キスをして呟く。

「……ゆーき、いっぱい大好き♪」


  „~  ,~ „~„~  ,~


 そうして着替えやフロを済ませて病院に戻る。


 病院に戻るとフローラが起きていたので、真剣モードになって落ちた時の状況を説明するとこう言ってきた。

「そうか、すまなかったな裕貴。オレももうちょっとダイエットしないといけないな……ハハハ」

 フローラの軽口にも笑えず、ひたすら謝る。

「そんな……謝るのは俺のほうだ。危険を承知であそこへ案内したし、あの時も無茶をせずに木切れで引き寄せるとかしていれば、あんな事にはならなかった。……すまない、フローラ」

「もういい。そもそもの調査にも、あの時の枝の採取にも誘ったのはオレだ。裕貴が気に病むことはない。それどころか、オレのプライベートに巻き込んですまなかったと思っている」

 そう言うフローラの頭には包帯、左足にはギプスがはめられており、並み以上の器量の16歳の女の子に一生残る傷を負わせた悔恨は、とても笑い飛ばせる事ではなかった。

「そんな風に気遣ってくれるのは嬉しいけど、俺はとてもそうは思い切れない。ここで中断したら桜の調査だって、一年遅れちゃうんじゃないのか?」

「そんな事は些細な事だし、調査が出来なくなるわけじゃあない」

「足の傷は些細じゃないだろ?」


「もういい!」


「でも……

 そう言いかけた時、フローラがキレた。


「Why do you have such face? 」『なんでそんな顔をするの?』


「 I'm not saying that it's bad!」『私が悪いって言ってるじゃない!』


「Why won't you understand? 」『どうして判ってくれないの?』


 英語で激しくまくし立てるフローラ。それを“今度こそ”イントネーション付きで同時通訳するさくら。


「でも、フローラ…「shut up!」『黙ってよ!』


 手を握り締め振り上げるフローラ。その動作に覚悟を決めて目を閉じる。

(…………………………………………あれ??)


 グイッ!!…………フッ。

「!!」

 そのタイミングになっても痛みは訪れず、かわりに飛んできたのは拳でなく、やさしく頭を引き寄せる手のひらとキスだった。




 驚いて目を見張ると、フローラは閉じた瞳に大粒の涙を浮かべていた。その涙を直視できず、目を閉じて唇を預ける。

 フローラの唇が優しく撫でるようにうごめき、俺の強張った唇を柔らかく包んで優しくほぐす。

 そのフローラの吐息には点滴に含まれていたであろう薬品の香りがした。


「「…………………………………………………………」」

 そして永遠の数秒の後、唇を離したフローラが驚くべき事を言う。


「……愛してる、裕貴」


「フ――

 返事を待たず再び唇を重ねてくるフローラ。

 堰を切ったように今度は力強く、深く重ねてくる。


「……………I love you…………………love…………………love………裕貴…………」


 俺の頭をしっかりと掴み、首にぶら下がる様に囁きながら何度も求めてくるフローラの肩を、柔らかくつかむ俺の手には、絶え間なく融雪の雫のリズムが刻まれる。

 その春の到来のような歓喜に抱き返したい衝動に駆られるが、流されて自分を見失わないよう全霊で抗う。


(――まだ聞いていない)


        …………………………………………………………」」


 さっきの倍の時間唇を重ね、ようやく開放してくれたフローラに問う。

「…………………………どうして俺を?」


「……初めて会った時から」


 俺を真っ直ぐ悲し気に見つめ、額が触れたままの距離で答えるフローラ。

「……あんなことで?」


「私には些細なことじゃなかったの」

「でも俺は――んっ


 言いかける俺をフローラは軽いキスで封じると、年齢より幼く儚げに喋る。

「日本に来た時は失望しかなかったわ」


「………?」

「日本に来てどこの桜の名所に行ってもどんちゃん騒ぎで、品種名はおろか、扱いすら間違いだらけの所がほとんどだった、ましてや“あの和歌”を知る人は皆無だったわ」

「………」


「失望と幻滅を重ねていて、そうして学校に行った時、あの二人が絡んできた」

「……」


「――終わった。“ああ、もうこのままイギリスに帰ろう、先祖(コリングウッド)の愛した日本と桜はもうない”そう絶望した時、裕貴が声を掛けてきた」


「!!」

(その時フローラはどんな顔をしていたの?)

 涼香の言葉を思い出す。

 その昔、涼香の家に勝手に上がり込むと、散らかったゴミや服、化粧品や何か腐ったような匂いが充満する部屋の隅に座り、ガリガリにやせ細り、目だけか大きく虚ろにこちらを見ていた少女がいた。

(あの当時はね? 生きているのを諦めていたの。裕ちゃんはそんな私を拾い上げたのよ。だから私は裕ちゃんが大っ嫌い)

 ギリギリで生きている人間にとって、下手な同情や優しさは害にもなる。ましてや涼香のように心が弱いと現実のそのギャップに耐えられない。

 だからこそ、涼香をめぐる現実にはいつでも最善を尽くして立ち向かってきた。

  そうしてその時の原体験から、フローラの絶望が涼香の過去とダブって見えたのだ。

(……ふふふ、やっぱりね)

 再び涼香の言葉を思い出す。

(ああ、やっぱりだったよ……涼香)

 フローラと仲の良かった涼香はあの時、いや、それ以前からフローラの気持ちは知っていたのかもしれない。

 そこへ思考が至ると、霞がかった思考がやっと晴れてきた。


 驚きから納得するまでの数秒間、じっと俺の顔を見つめていたフローラが呟く。


「…………………あの時私がどれほど嬉しかったか判る?」


「……いいや」


「あの時からずっとこうしたかった」

 こみ上げてきたのか、再び深く唇を重ねてくる。

「好き。裕貴。大好き。――愛してるわ」


 唇を離してそう告白し、俺の首に両腕を回し、抱きついてくるフローラ。


 気性の激しい情熱家のプリシフローラ。

 小さい頃は反発していたが、あの和歌を詠んだ日本人の心に触れ、

 改めて桜にのめり込み、日本語を覚えて留学までしてきた彼女。

 意気揚々と日本に来て、そして桜を取り巻く現実に幻滅したところへあの仕打ち。


 俺の行動が嬉しかった事は想像つくが、まだある疑問が残っていて、抱き返すことが出来ずにそっと肩の手に力を込めて体を離そうとしたら、再びフローラの手に力が入って遮られる。


「…………でも、ずっと告白できずにいたわ」

 聞こうか迷っていた事をフローラが話し始める。

「どうして?」

「いずれイギリスに帰らなければいけないから」

「!!( やっぱり)」

 アクティブで歯に衣着せぬフローラが黙っていた理由。それを聞かずに安易に返事はできなかったのだ。

「だからこの気持ちは隠しておこう。そう決めていたのに……」

「……のに?」

「ごめんなさい。ダニを捕ってもらった後の、さくらとの会話を聞いてしまったの」

「……? どうやっ……あ! 集音マイク設定」

「そう、設定したままになっていて……あの時“フローラが大事”って言ってくれたでしょ?」

「ああ、言った」

「裕貴にそんな風に想われている、――それを知ってしまって気持ちを隠しておくのが辛くなった、告白して裕貴とこのままずっと一緒に居たいと思い始めた」

「でもそれは……」

「そう、それは私の夢と食い違ってしまうし、やさしい裕貴は私の告白を真摯に受け止めてきっと悩んでしまう」

「うん……」

(それであんなうわ言を……)

「さっきの裕貴の苦しそうな顔を見たら何とかしたくて……もどかしくて、どうしようもなくて、気持ちが溢れて止まらなくなってしまった」

「フローラ……」

「判って。私も裕貴が大事なの。あんなふうに気遣ってくれるのは私にとって重荷でしかない。“私は涼香と違うのよ?”」

「!!俺は――」

 人差し指を俺の口に当て、言葉を遮るフローラ。


「……でも、今……今だけは優しくして欲しい。…………涼香みたいに」


 抱き返さない自分に抗議するように、俺の胸ぐらを指先で軽く掴み、上目遣いで瞳を潤ませながら、甘えるように、問いかけるように見つめる。

 そんなフローラはとてもいじらしく、見ていて背筋が軽くしびれるような感覚に襲われ、 

 ――抗えなかった。

 チラリとさくらを見ると、優しげな笑みを浮かべながら頷いてくれる。

 それを見て決心をした。

 そして、フローラの頬を撫で、そのまま細く、華奢なうなじを右手でやさしく掴むと、フローラがビクンと震えた。

 そしてそのまま引き寄せ、そっと唇を重ねる。

 重ねた唇からフローラの嗚咽が伝わってくる。

 唇を離し、静かに嗚咽を漏らすフローラを優しく抱きしめる。

「ふっ……うっ…好き。好き。愛してる。愛してる。愛してる――裕貴!!」

 ずっと秘めていた反動からか、何度も何度も繰り返すフローラ。

(ケガさせた上にこんな風に泣かせて…………)

「俺も好きだ」

「……Idiot」(馬鹿)

 フローラは震える声でそう囁くと、背中に回した手が、俺の服をきつく掴んできた。

 包帯が巻かれた頭を、やさしく撫でながら抱えるように抱く。

 フローラは無言で泣きじゃくっている。

 そうして長い時間抱き合って、俺の動悸が治まりフローラも落ち着いた頃、フローラが口を開いた。


「…………キスは初めて?」

 俺の胸に顔をうずめたまま、フローラが聞いてきた。

「うん、フローラが最初」

「ふふふ、うれしい。――私もよ」

 そう言うと、おでこを胸にすりつけてくる。

「俺もうれしいよ」

 体を離し、少しの沈黙の後、うつむいたフローラが口を開く。

「――そういえば日本じゃこういう時“ご馳走様”って言うんでしょ?」

「ぷっ、くく……あ~間違ってるけど正解」

 思いがけないセリフに吹き出した。

「難しいわね」

 顔を上げ、真っ赤になりながら言う。――フローラらしい照れ隠しだった。

「そう言う事で私はいい思いをさせてもらったわ。もう一年長く一緒に居られるし、裕貴のファーストキスが、足一本なら安いじゃない? ――だからもう悪いなんて思わないでね?」

「難しいな」

「さっきみたいな顔したら、次は裕貴の”童貞(チェリー)”をもらうわよ?」

 軽く睨むように、右手の人差し指を立て、俺を指差しそういい切る。

「……それはかんべ……いや嬉しいかも」

「ばか……」

「まったくだ」

「ウフフ~♪ フローラよかったね~」

 ベッドの上のさくらが言う。

「ああ、ありがとうさくら」

「OKAMEちゃんに今の動画送っておいたよ~」

「「なに?/本当!?」」

OKAMEが笑いながら小首をかしげる。

「はい、しっかり保存しましたよ、フローラ」

「ふふふ♪」フローラが笑う。

 今まで見た事がないほどの、かわいい笑顔を見せるフローラ――けど。

「またさくらはマスターの許可もなく……フローラ」

「なあに? 裕貴」

「消してください」

 ダメ元で聞いてみる。

「い・や・だ!」

 そう言うとフローラはチロリと舌を出す、やっぱり。

「く~~~……ばかさくら」

 半泣きで恨みがましくさくらを見つめる。

「ふふ~~んだ!」

 笑いながら後ろ手で屈み、さくらもちろっと舌を出す。

 うくく、この二人は人を小馬鹿にして。

 しかし、すっかりいつものフローラに戻り、照れながらも安心もした。

 (情けない顔見せて逆に心配掛けたり、泣かせたり、告白させちゃって……これでは当分頭が上がらない)

「逆に励ましてもらったね、ごめ……いや、ありがとうフローラ」

「言葉より…………」

 すっかり甘えた声で、上目遣いでそう言うと、目を閉じてかわいらしく唇を突き出す。

「……はい」

 初めて見る可愛い仕草や、一線を越えた気の緩みと快感に逆らえず、軽くキスをする。

 ……はずが、しっかりと首に手を回し、思いっきり濃密なキスをしてくるフローラ。

「~~~~~~~~~~~はっ!…フッ、フローラっ!」

「ふふふ、“おかわり”よ」

「ごっ、ご馳走様したよね?」

「“デザートは別腹”って言うでしょ?」

「~~~~~~っく……もうかんべんして」

 恥ずかしくて死にそう…………それにしても女の子って判らない。


 その日の午後四時頃、学校帰りの圭一と涼香が見舞いに訪れた。

 そして病室では、柔道で幾度か骨折している圭一は平然としていたが、例によって涼香が、まるで自分がケガをしたかのように泣き、フローラに逆に慰められていた。


 着替えを取りに来たステイ先の夫妻とママが言葉を交わし、ママがフローラの着替えを洗濯するために持ち帰った。

 更に夕食前にお父が来てフローラに謝罪、イギリスの両親にも報告し謝罪、日本での入院中の責任を負う事を申し出たとの事だ。

 フローラは断ったが、大人としての責任を負わせて欲しい、と食い下がるお父の言葉に、

「では身の回りの世話を裕貴君にお願い頂けますか?」

 そう言うフローラにお父は。

「コレでよければ、死なない程度にコキ使って下さい」

 と、笑いながら安心したように答えていた。

「はい♪」

 判ってはいても、お父にそう言われるのはなんか腹が立つ。

 そうしてその日は自分も夕飯前に帰宅した。

 ベッドに入りPITのさくらに声を掛ける。

「おやすみ。さくら……」


「おやすみゆーき、あいしてるよ~」


 いつもと違うニュアンスでと言葉で返事をするさくら。

「……?ああ、俺もだよ」

 今日の出来事に影響されたかな?


 翌朝、さくらが起こしてくれず、代わりに姫花が起こしに来た。

「裕兄、朝だよ!、フローラの着替えを病院に届けるんじゃなかったの?」

「ん、ああ……あれ? さくらが起こして…うん?……………さくら?」


 ――“さくら”はDOLLから完全に消失していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る