第13話裏の道で
俺は今冒険者ギルドにいる。別に冒険者登録をしに来てるわけでは無くて
「ほらこれ」
と言ってギルドの職員が俺に魚を一切れ食べさせる。俺はそれを前足を使いながらギルド職員に顔を見せながら食べると
「「「「かわいい~」」」」
ギルド職員から声が上がる。俺はご飯を貰うためギルド職員のアイドルをやってるのだ。大抵の職員は俺の鳴き声と潤んだ瞳でイチコロだった。俺は食事が終わると休憩中のギルドの女性職員の膝に乗ると丸くなって昼寝をし始めた。ギルドの女性職員は最初は驚いていたけど俺の背中を撫で始める。
「この猫の手触りやわらかくていいわ」
そりゃ、毎日欠かさずフレッシュできれいにしてるので。
体温が絶妙でそして背中を撫でられることで俺を昼寝へと誘う。
そして寝始めて一時間が経った。さすがに一時間もそこで寝ていればギルド職員も足が痺れたらしく俺は膝から降ろされてしまった。仕方が無いので俺は屋根に登って日当たりがいい場所で昼寝を始めた。日差しが暖かくて俺はすぐに眠ってしまった。
そして夜になると俺は昨日の宿に帰ってきた。俺が窓から入るとサラは俺と目が合うと驚くこともなく
「お帰り」
と言って仕事に戻っていった。俺はしばらく窓の近くで寝ていたら、俺の安眠を邪魔する奴が現れた。俺が窓から顔を出して覗くとそれは昨日俺に泥を掛けた奴らだった。俺はそいつらが宿から離れるのを見て後を付けて昨日の分も利子付けて叩き潰すつもりでついて行った。
三人衆は路地裏に入ると男と話している。聞き耳を立てると
「これが今日の報酬だ」
そう言って男が膨らんだ袋を渡す。たぶん金が入っているのだろう。
「おい、俺らはいつまで妨害を続ければいいんだ」
三人衆の一人がそう聞いた。
「なんだ何か不満が?」
男が尋ねると
「俺たちもさ、そろそろ冒険者家業に戻りたくてな。金がないもんで」
そう言ってにやりと笑うがこれは報酬の値を釣り上げることが目的でやっているのだろう。
「おいおい、十分な報酬は渡しているだろう」
そう言って男は笑う。
「意味が伝わらなかったみたいだな。黙って今の報酬の倍を出せ、そしたらこのまま妨」
三人衆の一人の言葉が止まって、いや止められたと言うべきか三人衆の一人の口には男が持ったナイフが突っ込まれていた。
「あまりずに乗るな。貴様らの替えなどいくらでもいる。分かったなら瞬きを一回しろ」
男の言葉に黙って三人衆の一人は瞬きを一回した。それで男はナイフを抜き去って行った。
俺は予定を変更して男について行った。
これが依頼なら背後に何者かがいるはずだからそれを潰さないと根本的な解決にならない。
俺はそう考え、男の後をついて行った。
男が入っていった場所は貴族の屋敷だった。俺は塀を乗り越え男について行った。屋敷には窓から侵入して男の後をついて行ったが、何せ遮蔽物が少なかったので俺は扉の前の石造の影に隠れていた。そこに食事を持ったカートが現れた。丁度ホテルで食事が運ばれる物を思い出す。
俺はすばやくカートの下に入り込み部屋に侵入することが出来た。
「スポイル様、お酒とおつまみをお運びに来ました」
そこにはさっきの男と腹の出た顔面がカエルのような奴がいた。
「そうか、そこに置いて退出しろ」
「分かりました」
メイドはそのまま部屋から出て行った。
「それで、具合の方はどうかな?ナック」
スポイルは酒を飲みながら男に聞く。男の名前はナックと言うらしい。
そして会話が始まった。
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