第9話事件

俺は次の日、あの黒猫と会った木の上で黒猫を待ち構えていた。


「にゃー(またお前か)」

鬱陶しそうに黒猫が鳴く。

「ニャーオン(ここは俺が取らせてもらうぞ)」

俺の言葉に黒猫が激怒する。

「フーーー(身の程知れ、若造!!)」

そう言って黒猫が俺に向かって突っ込んでくる。俺は目に魔力を纏わせ動きをよく見えるようにし、ついでに危険察知を使って突っ込んできた黒猫を避け、上にある枝を足で蹴って黒猫に体当たりをし、枝から落とす。


さすが猫と言えばいいのか着地を完璧にするが、俺の頭突きが効いたのだろ少しの間動かなかった。動けるようになると脱兎の如くここから逃げ出していく。


最高の昼寝場所を手に入れて俺は大満足だった。俺は枝の上で丸くなって寝た。



なんだか屋敷の方が騒がしい。それに気づいたのは俺が昼寝を始めてから五時間たった頃だった。俺は木から飛び降り屋敷に窓から戻るとロットとシャリーがいる。話を聞いてみると


「くっそ」

「あなたどうするの?」

ロットが悪態をついてシャリーが心配そうに見ている。

「すいません旦那様。私が不甲斐ないばかりに」

そう言ってルーンが頭を下げている。そう言えば屋敷に争った後がある。これは……

「いや、これに関しては仕方ない」

「相手の要求を呑むんですか?」

シャリーがロットに聞く。

「要求をのんだことでミーンを返すとは考えにくい」

そのロットの言葉にシャリーが真っ蒼になる。


話を聞いてるとロットが摘発しよとした貴族と商人がクリスを攫ったらしい。そして返して欲しければ証拠をすべて破棄そして今後これについて言及するなと言う事らしい。屋敷には見つからないように潜入した誘拐犯はクリスを担いで出ようとしたところをルーンが見つけ捕ええようとしたけど逃げたれたらしい。

俺にはとくには関係ないから無視の方針で行こう。俺の正体がばれたら面倒だしな。


俺はそう思って部屋に戻ろうとした時ロットが


「後一週間早ければ何とかばれずに出来たのだが」


俺はその言葉に動きが止まる。その一週間は俺が山を半分消し飛ばしたことが原因だ。俺が嫌なのは恩を仇で返すこと。俺はどうするか考えミーンを追いかけることを考えた。まずはどこに行ったか知らなければいけない。誰が知ってるだろうか?時間帯的に俺が黒猫を追い出した後だ。


俺は窓から外に出てあるやつの所に向かった。

「にゃーお(おい、黒猫!!)」

俺が向かったのは黒猫が屋敷の門で寝ているのは気配察知で分かっていた。

「にゃー(なんだ?)」

黒猫は何とも言えない顔で俺に見てくる。

「にゃ(聞きたいことがある)」

「にゃん(なんだ)」

黒猫が体を起こして聞いてくる。

「にゃん(ここから何かを抱えて出て行った奴が、どこに向かった知ってるか?)」

「にゃおん(知っている)」

「にゃん(教えてくれ)」

俺の言葉に黒猫がにやりとする。

「にゃ~ん(ただではいやだね。昼寝の場所を俺に返して、俺の縄張りとして認めろ)」

これは縄張りとして認めたら二度とあそこで昼寝どころかそこにいることさえダメになるが俺は

「にゃん(分かった)」

黒猫が俺の言葉に驚いたように目を見開く。

「にゃ~ん(何があったんだ話してみな)」

俺は黒猫に事情を話した。


「にゃーん?(なんで人間にそこまで肩入れする?)」

俺はその言葉を否定する。

「にゃん(別に肩入れしてるわけじゃない。今回の事件の原因の一端に俺がかかわっているだけだ。自分で自分の尻拭いをするだけだ)」

そう言って俺は肩をすくめた。

「にゃ(俺のつてを使ってどこにいるかまで調べてやる)」

そう言って黒猫は俺に背を向け付いて来いみたいに俺を見て歩き出した。


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