4日目:虚偽の海に沈む佳日(ベリー登場/一部改変※)
「これからどうかこれからよろしくねディー! 色々な意味で!
あとそれからこれが本題なんだけどさっきビーが呼んでたからヴィオたん三階に行った方がいいわよちゃんと伝えたからね、それじゃあまたねディーくん! あと愛しのヴィオたん!」
そう言い残し、最初から最後まで二人を翻弄したままにベリーはあっという間に姿を消したのだった。
唖然として立ち尽くしていたが、京也が深く息を吐き出した音が聞こえ潤もまた我に返り、独り言のように呟いた。
「体力吸われた」
「うん、だろうな」
未だ棒読みのまま京也はベリーに乱されたネクタイを整える。
「お前が言ってた知り合いって、あの子の事か」
「まぁね。腐れ縁の幼馴染だ」
京也は脱力した様子で言った。
「あいつも別に四六時中あんなわけじゃないんだぞ。ただ、出会った最初とテンションが高いときはああだから警戒せざるを得ないんだ。僕のとこに来るときは、さっきみたいにまず理術を飛ばしてついでに自分ごと突撃してくるしな。
お前は気付かなかったと思うけど、強い風が吹く前にも若干の微風が来るんだよ。だから」
そこまで言って、京也は疲れたように肩を落とした。
「ともあれ、さっきのでベリ子の事は大体分かったろ」
「おしゃべりでハイテンションできゃぴきゃぴだけど若干おばさんも混じっているということはよく分かった」
「よし、それだけ分かれば十分だ!」
深く頷き、その後で顔をしかめてから京也はため息をついた。
「ビーに呼ばれてんだったな。面倒だが行って来る。何かあるかもしれないから、一応お前も待っとけよ」
素直に了承し、潤は気だるそうに三階へ向かう京也と分かれて自分は休憩室に向かった。
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