ある冷たい朝

ある朝としか

言いようの無い朝のはなしだ


境目は自分にしかわからないのだろうか?

ある朝を出て門に手かけているとき

皆は感じないのだろうか?

鼻の奥にツンとする水っけのような匂いを


あの匂いで

寒さだとかニュースの天気予報じゃなくて

『ああ冬が来た』と感じるのだ


自分にしか分からない

季節の変わり目というものがあるのか


ニュースや気温だけで言い表せない

変わり目があるのだろうか……


とりあえず

そんなことを不思議だけど

何かあるんだろうな……と

考えながら少し遠い駅にまで白い息を見ながら

体を少しちいさくして歩いてゆく

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