第13話
『ブラッディウォーリア<戦士>』 LV.1
HP<ヒットポイント> 50/50
SP<スキルポイント> 20/20
MP<マジックポイント> 0/0
STR<腕力> 10
DEF<耐久> 10
AGI<俊敏> 5
MAG<魔力> 0
DEX<器用> 5
LUK<幸運> 0
残りボーナスポイント……33
33ptとはまた中途半端な数字ですわねぇ。
『BEO2時代のレベルの三分の一をボーナスポイントにしています』
なるほど、ですわ。わたくしのレベルは99だったから33ptもらえたんですのね。
とりあえず、サクッと振りましょう。
HP 50/50
SP 20/20
MP 0/0
STR 10+33→43
DEF 10
AGI 5
MAG 0
DEX 5
LUK 0
出来ましたわ。ふふっ、STRこそパワー……パワーこそチカラですのっ!!
「あたしはオッケーよ」
「わたくしもですわ」
「むいも振り終わったー!」
『三名のステータスボーナスの振り分け完了を確認。それでは最終設定です。おまちかねのアイドルネームの付与を始めます』
心なしか嬉しそうにリッスンさんが言った次の瞬間、むいの目の前に光る紫色の指輪が現れましたの。
「な、なあにこれ……すっごく綺麗」
『それはアメジストの宝石です。プリンセスモードへ変身するときはその石にキスをしてください。詳しいチュートリアルはダイブ後、三つのクエストをクリアした際に現れる妖精から聞いてください』
なにがなにやら。ぽかんといった表情で指輪を装備するむい。
『その指輪を胸に当ててみてください。頭に何か浮かんで来ませんか』
言われるがまま胸に抱いて目を閉じた彼女を訝しげに見ていると、
「……幸せな気持ち。『ハッピー』が広がっていく」
『それが貴女のアイドルネームです。おめでとうございます』
ハ、ハッピー……?
次に、と今度はみやかの前に青い宝石が現れましたの。
「ふうん。結構高そうなサファイアねぇ。えーっとあたしは……星が見えるわ。キラキラとしたたくさんの星空。『スター』かしら」
『そのとおりです。おめでとうございます』
「ふふん、あたしに相応しい名前じゃん」
……みやかは『スター』ですのね。それにしても順応性高いですわねぇ。
なんて思っていますと、わたくしの前に橙色の宝石がついた指輪が出てきましたの。
「これ……なんて宝石ですの?」
『インペリアルトパーズです』
「ふぉおお、なるほどですわ」
インペリアルってなんだかカッコいい名前ですわね。
とりあえず早くダイブしたいわたくしはそれをすぐに指にはめてみましたの。
「うーん。子ども達の楽しそうな笑顔が見えますわ。場所は――どこかの施設でしょうか。みんな『ピース』サインをして上を見上げてますの」
『ピース……。なるほど。おめでとうございます、それがあなたのアイドルネームです』
わたくしは『ピース』ですのね。
ピースといえば平和という意味でもありますし、響きもなんとなく可愛らしいですし。
結構……いえ、とても気に入りましたわ。
そうピースサインをしつつ、人差し指にはめた輝くオレンジ色の宝石――インペリアルトパーズを眺めていますと、
『オールクリア――全ての設定完了。それでは、ハッピー、スター、ピース。いよいよゲームの世界にダイブして頂きます。強制ではありませんが、MRO内ではなるべく本名ではなくアイドルネームでお互いのことを呼び合ってください』
「おっけーおっけー! うーっ、楽しみだよぉ」
「MRO……すぐに第1位になってやるから覚悟しておきなさい!」
「むふーっ。わたくしも斧をぶん回してがんばりますの!」
鼻息を荒くして意気込むわたくし達の前に巨大な泡が現れましたわ。
その泡の中には美しい洋風の街並みが映ってましたの。
「まあ、すでにログインしている方たちでいっぱいですわ!」
「BEO2より造りがしっかりしてるわねぇ……」
「ねぇねぇ、はやく行こうよっ!」
もう待ちきれない! と、手を繋ぎながらバタ足で泡へと突っ込もうとするわたくし達に、
『Listen!』
もう、いいところでしたのに!
今度はなんですのっ!?
『えっと……《Music Rainbow Online》の世界を目いっぱい楽しんできてくださいませ! と、私は女の子らしく満面の笑みで手を振って貴女たちを見送ります……っ』
リッスンさんの少し寂しそうな声が響きました。
ふふっ。なんだか可愛らしい方でしたわね……わたくし達は顔を見合わせて、笑顔になりましたの。
「はーい、まったね~!」
「じゃ、行ってくるわ!」
「ばいばいですのっ」
やっと、やーっと始まりますわMRO!
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