(十二)

国分寺・千代田区・千代田区・台東区・江戸川区・千代田区




Ⅰ:国分寺:本多:夜半過ぎ


 ロータス・エキシージが常代モーターズを飛び出したのは午前〇時十五分を過ぎた頃の事だ。有華が運転し始めた矢先、バッグの携帯電話が鳴って、その相手が香坂だったから緒方がかわりに出た。それが約一分後。緒方が有華と一緒にいる理由を懸命に説明して、それが香坂の頭に入るまでさらに一分。逆に香坂が何故有華に電話したのか、その説明が緒方の頭に入るまで一分。

「え!? ごめん、もう少しデカイ声で言ってくれ」 

 シート越しに背中からエンジン音がするミッドシップカー。その騒音にこらえつつ携帯電話で通話するのは至難の業だ。

「……それヤバいな。わかった、また連絡する」

 緒方は右手に有華の、左手に自前のスマホを手に、見慣れぬ電動ガンの長い銃身を抱え、バケットシートの四点シートベルトにしばりつけられている。足元には横置きの消火器まであって助手席は狭いことこの上ない。

 一方で有華は伸び伸びと運転している。

「何がヤバいの?」

 会話しつつ、がちり、がちりとシフトチェンジを決める様が鮮やかだ。エクセルの頃とは見違えるほどのシャープな動作。左の膝が格好よく決まる。

「NICTで一大事。オートパイロット車が、ゲートを突破してどこかに消えたって」

「……やっぱりか」有華のまなざしに覚悟の色が見えた。「よっしゃ」

 やや加速して、そうしておいてから唐突な——フルブレーキング。

 制動力を試してみたい。そんな踏みっぷりだった。

 緒方は有華の運転に慣れている。けれど、それでも気分がいいものではない。目の玉が脳に食い込むような加速度。堪えるために目を閉じ——クルマが完全に止まった後で、ようやく言葉を吐きだした。

「……っ、お前気づいてたのか」

「こんだけ静かな住宅街で、真夜中にあんだけ吹かしてたらわかるよ……ここいらには暴走族なんていないし、音も普通じゃないし。あれハイブリッドなんだよね。モーターとエンジンの切り替えの、妙なタイミングで音が変わる」

「ハハァ……お前、あのクルマで全開走行、試したな? 図星?」

「いいから電話してみてよ、岩戸さんに。あんたの携帯も使って」

「やってるけど」何度リダイヤルしてみても——「出ない。しかも俺のケータイはバッテリー切れときた……アレ、また借りれるかな。ヘッドマウント」

「も一個あるよ、トランクん中に」

 二人はあらためてHMDを装着し、ハンズフリーで会話できる体勢を整えた。

「クルマのキーって全部で幾つあるんだ?」緒方が言った。

「私が二つ持ってる。そん中だよ」有華は助手席の足元に転がしたバッグを指して言った。「あとはベガスの四本木っておっちゃんが一つ持ってて、それ以外に解錠できるとしたら岩戸さんの電網免許証だけ」

「……嫌な感じだぜ。どうする?」

 有華はイヤフォンを耳に押し込むと、威勢よく言った。

「とにかく赤いクルマ、探す!」

「よっしゃ」

 ホイルスピン。

 二人を乗せたこぶりな、そしてすこぶる本格的な戦闘マシンが深夜の国道で雄叫びを上げた。





Ⅱ:千代田区:霞ヶ関:夜半過ぎ


 中央合同庁舎第二号館の前にGEEのビッグスクーターが横付けしたのは〇時一四分を五秒ほど回った頃。

 香坂が通用口から出てきたのは、それから三分後だった。

「連絡つかへんか?」

 開口一番GEEは岩戸の消息を尋ねながら、夜の暗さの中でも、香坂の顔色が悪いことを見てとった。「えらい顔してるで、キツネ君」

「二徹明けなんです。それより」青年は頭をかきむしって言った。「大変な事になりました。ついさっき、アスカ号がNICTから消えた。ゲートを突っ切ったそうです」

「…………キーは?」

「四つあるらしいです。二つは有華が、一つはベガスの技監さんが持ってる。そしてもう一つは……岩戸紗英の電網免許証」

「技監さんってヨンちゃんか」

「ヨンちゃん?」

「四本木のヨン。さっきまでウチ、一緒におったんや」

「センサーの追尾結果を見る限り、岩戸紗英は二三時半頃クライム・ラボの扉を開けている。乗っているのは岩戸紗英と見るべきだ。しかし岩戸紗英じゃなくて、岩戸紗英の電網免許証が……通ったとみるべき。僕はそう思います」

 GEEは頷いた。

「新宿でヘベレケになった後、わざわざ国分寺まで移動、ゲートを突っ切ってドライブに出る。うちのクイーンがやったとしたら、大スキャンダルや」

「スキャンダルで済めば、まだマシだ…………岩戸さんが危ない」

 バスの一件と同じ連中が相手なら——殺される可能性まである。そういう意味だろうとGEEは踏んだ。

「警察に任せておけへんしな。あいつらは容疑が確定しないと動かん」

「初動が遅いですもんね」

「遅いぐらいやったらまだええけどな。電網庁が嫌い、って奴もおる」

 二派が対立している警察の内情。公安を擁する警備系幹部は電網庁に好意的だが、一方の刑事系幹部は電網庁の下請けを良しとしない。それが何とも胡散臭い。ひょっとしたら刑事の一部は「岩戸の失脚」を望んでいるかもしれない。

「あいつら信用ならん。ウチらで探すぞ」

 GEEは予備のヘルメットを香坂に手渡した。「お前、初台に行ったら免許証、探知できるんか?」

「再起動作業が必要です。けど他のメンバーはもう青息吐息だ。手伝ってもらえますか」

「当たり前や。乗れっ」GEEがヘルメットを差し出す。

 香坂はそれを手にとると神妙な声で言った。「GEEさん」

「何」

「……安全運転でお願いします」

「お前舐めてんのか」

「いえ……………………念のためです」






Ⅲ:同、千代田区:霞ヶ関:夜半過ぎ



 警視庁の一階ロビーへ向かう大階段を駆け下りながら、飯島警視は携帯電話に耳を押しつけていた。  

〈おう、ジマか……緒方君って何してる? 携帯にかけてみたんだが通じなくてさぁ……そうか、非番か……いやな、お前んところ何か情報持ってないかと思って〉

 額に汗する末次の弱り顔が見えるようだ。声のトーンに焦りが感じられる。刑事部随一の曲者、通称スエらしからぬ剣幕。

 だが会話を交わすうちに、その焦りが飯島にも伝播していた。

「……タンクローリーが消えたってどういうことだ」

〈バス事故に絡んでた可能性のある、例の塗装されていないタイプ。緒方君が目星をつけたヤツだ。同型のを六台マークしてたんだが、一台が首都高で消えた〉

「消えたって……Nシステムで見つけられないって意味か」

〈どっかのサービスエリアで偽装ナンバーに付け替えたみたいだが……二十三時半のが最後に撮れた写真。しょうがないんで全車目視にて検索中。人手がまったく足りねぇ〉

「ハイテクが聞いて呆れるぜ」飯島は苦笑した。「お前、焦ってるな。後ろが騒がしいぞ」

 後ろとは葛西警察署の大会議室。つまりバス事故の捜査本部だ。

〈まさかと思うが……〉末次は喉を詰まらせ気味に言った。〈例のバス事故が起きたのは午前二時すぎだ……この時刻にタンクローリー消息不明だろ? 末次的には当然、今走ってる観光バス業者全部に警告するべきじゃないかって考えるさ。ところが、この大部屋じゃタンクローリーが事件に絡んでる事情そのものが疑わしいって意見が主流。妙なパニックはおこすべきじゃないという、大人の意見が優勢でねぇ。なんというか、俺のさみしい独り相撲なわけ〉

 飯島は裏から庁舎を出ると、駐車場へ一目散に歩いた。

「おい、スエ。そいつは甘いぞ。今夜危ないのは観光バスだけじゃない」

〈なんだって?〉

「電網庁のオートパイロット研究用車両が、国分寺にある倉庫から消えたそうだ。警備会社によればゲートを強引に突破したって話。そっちも〇時を回ってから。クルマ泥棒って線で、小金井署が事情聴取に向かってる」

〈おい……電網庁のオートパイロット車って……確か〉

「ベガス社製だ。ついでに言うと」

 飯島はミニバンのドアを開け、運転席へ勢いよく滑り込んだ。パトカーではなく民間車両を装った、公安部の小さな移動基地。電子機器だらけの後部席には二人の部下が陣取り、あくせく作業を始めている。

 飯島は携帯電話を片手に握ったままキーをひねり、エンジンを始動。そして時計を一瞥した。〇時半を回ったところだ。

〈ついでに、何〉

「そのクルマなぁ、岩戸紗英の電網免許証でエンジン始動できる仕組みを持ってるそうだ。ところが今夜はその岩戸が、行方知れずときてる」

〈おい。そのココロは何だ。岩戸がなんでゲートを突破した? 夜中にドライブする趣味でもあんのか?〉

「わかってんだろう、スエ。猪川代議士と岩戸は同門だ。例の箕輪ゼミ。猪川が奈落に落ちた時点で、岩戸用の仕掛けが準備されていてもおかしくない」

 少し間があいた。それから。

〈……今度は息子じゃなくて本人って事か。まさか甲斐原の仲間が……岩戸紗英を誘拐するとか、そういう意味で言ってんのか〉ベテラン刑事の舌打ちが微かに聞こえる。〈……洒落になってねぇ。焦らせるなよジマ、悪い癖だぜ〉

「馬鹿野郎。夜中の〇時を過ぎてから緊急配備キンパイをかけたクルマが二台。一台がベガス製で、一台がタンクローリー。焦らないほうがどうかしてるぜ」

 後部席で警察無線の音が鳴り響く。それをBGMがわりに、飯島はクルマを始動させハンドルを切った。

「いいかスエ。小金井署に任せておくと手遅れになるかもしれん。お前が情報吸い上げて、タンクローリーと絡めて、機捜(=警視庁機動捜査隊)を動かせ。早々に全体配備へ格上げって線だ。こっちも動く」

〈こっち!? こっちってお前……公機捜(=公安機動捜査隊)も動くってのか?〉

「ああ。つってもカーチェイスは得手じゃない……おっかけっこはあてにしてくれるな」

〈待てよ! お前らが動くってことは、テロって判断なのか? 相手は……テロリストなのかっ〉

「まぁ聞け。気になるのはNシステムの挙動だ。ちょいと気をつけろ」

〈……ナゾナゾみたいな言い方するな、ジマ。公安に移ってからイミシンに話す癖が酷いぞ、お前〉

「悪ぃ。ここは聞くだけにしてくれ。Nシステムに頼らず、NEXCO(=東日本高速道路株式会社)のAVI(※料金所のナンバープレート読み取り装置)もしっかり睨んでおくこと。そこが肝心要だ」

〈はぁ? ……おい、なんでそんな事、今更あらためて言うんだよ〉

「警察とNEXCO、二つの見解が噛み合わない可能性がある、ってことだ」

〈……そのココロは〉

「意味はわかんなくていい。妙な事になっても動揺するなってだけだ。また連絡する。こっちも忙しいんだ。すまんな」





Ⅳ:台東区:台東:深夜



 同じ頃、ワンルームマンションの一室で津田沼和矢は携帯電話を手に震えていた。生唾を呑み込もうとしたが、できない。口の中が乾ききっている。

〈ヤレよ。時間すぎてるぞ〉

 聞こえてくる音声はあいかわらず醜い。何らかの電子的なフィルターを通しているのだろうか、pack8back8パケットバケットの声はくぐもっておりシャープさのかけらもなかった。だがその言葉は針のように鋭い。心の奥底にずぶりと突き刺さる。

〈約束しただろ、dudaDidaデュダディダ君〉

 津田沼は胸にキリキリとしたリアルな痛みを感じていた。口の中といい脈拍といい、ヴァイタルな影響がはっきりとある。それほど追い詰められていた。

「……無理だよ。無理だ。無理に決まってる」

 ちゃぶ台の上に置いたノートPC。仕事で使っている奴。警視庁御用達の備品だ。その液晶画面、ブラウザの中にとんでもない文字列が踊っていた。


【悲報】まもなくNシステムが祭になる模様


 エントリの日付は——今日。

 警視庁公安部が監視しているともっぱらの噂である、サイバー犯罪者の巣窟・牙城ストロングホールズ。その掲示板で「今夜Nシステムに何かが起こる」と話題になっていた。

 公安は警戒を強めている筈。そんな状況下では、Nシステムを担当するセキュリティ技術者といえど、用もなくアクセスするわけにいかない。普段なら成功するかもしれない一連のハッキング行為も、こうなってしまうと失敗に終わる可能性が高い。

〈マツリにするっていきまいてたじゃないか……キミ〉

「だ……誰だよぉ」

 津田沼はか細い声で呟いた。「誰があんな噂、書き込んだんだよ」

〈関係ないよ。計画どおりやろう〉

 Nシステムを祭にする。すなわちトラブルだらけにする。要するにイタズラだ。砂堀にアゴで使われるのがむかついて、その腹いせに考えたことだ。

 pack8back8のために考えたことじゃない。

 お金をくれるからといって強制される筋合いはない。

「あんただなっ!? あんたが盛り上げようとして」津田沼が遂に吼えた。「そうとしか思えねぇ! だってあんたしか、知り得ない計画じゃんかっ」

 アハハ、とpack8back8が嘲り笑った。

〈……だったらどうした?〉

「あんな煽り、警察関係者が気づいててもおかしくないんだよっ! ここ一日二日ぐらいは妙な時間にアクセスできねーよ!」

〈だよなぁ……ツダヌマカズヤは最近雇われたばっかもんね。警察からの信用も、あんまりなさそうだ。やっぱ無理か〉

 相手が自分の名前を口にした途端、津田沼和矢は全身をこわばらせた。

「…………」

〈アレ? 本名違った? ツダヌマカズヤだろ、dudaDida君〉

「は、ハズレ」

 まさか。

 まさかまさかまさかまさか。

 自分が何者か。

 pack8back8に知られてはいけない。絶対に。

「誰だそれ。ツダヌマなんて奴知らない」津田沼は必死に去勢を張った。「ぜ、全然知らないし」

〈じゃあ、ツダヌマがやったことにしていいよね〉

 その発言が唐突すぎて反応すらできない。

「……」

 ほどなくして——

 津田沼はノートPCのブラウザに起きた異変を察知した。

 警視庁のサーバー、Nシステムの基幹部にリモートアクセスを始める何者かのアカウント名を見初めたのだ。

 kazuya tsudanuma とある。

 kazuya tsudanuma ——俺の名だ。

「うわっ」

 自分の名を語り、誰かがアクセスを始めた。乗っ取り。アカウント・ハイジャック。その恐怖に全身が総毛立つ。

 盗まれていたのだ。pack8back8にパスワードまでも。

「ちちち、畜生っ」

 キーボードを弾く。自らNシステムのサーバーへ侵入を試みる。だが。

 見事に弾かれる。

 既に別人が、自分のアカウントでログイン済みなのだから当然だ。

〈用心深いよね、ツダヌマカズヤは〉

 電話口で男の声がせせら笑っている。〈……メモ帳。大事に持ち歩いてる。パスワードがいっぱい書いてあるヤツ。カフェで座席をキープしたくて、鞄を置きっぱなしにしてトイレに行ったりするときも、その手帳だけはわざわざ上着のポケットに移し替えて、持ってったりする……で、トイレから戻ってくると愛用のバッグに戻す。缶バッヂだらけのきったねぇバッグに。でしょ?〉

「うわあっ、うわああああああああっ」





Ⅴ:江戸川区:東葛西:夜半過ぎ



 末次警視は警察無線のヴォリュームを倍にひねった。

〈警視庁より各局、全PC(=パトカー)。追加情報を発報。緊急配備中の手配車両***、大型タンクローリーについて。車両番号は……〉

 警視庁通信指令センターからの発令である。

 末次は葛西署のバス事故捜査本部にいながら、警視庁管轄下の膨大なパトカー、その動きを手にとるように感じたいと思っていた。

 ほどなくして視界の端を捜査員の挙手が掠める。Nシステム解析専門の臨時部隊、その一人が「反応があった」ことを知らせている。

 タンクローリーを発見。場所は——首都高速湾岸線。

 いつもなら、こうやって得た位置情報と無線連絡がターゲットの車を追い詰めていく。どこかの覆面パトカーがサイレンを鳴らして一八〇度ターン。サービスエリアにいた誰かの白バイがランプを点して急発進。車を追うことにかけて手練れの連中。彼らの手際を疑うなど無駄なことだと末次は思う。だが——今夜は違う。

 今夜は危ない。ジマによれば。

 末次は現場を動かしながら、一方で飯島との連絡を絶やさないように勤めていた。

「ジマ……聞こえてるか? 湾岸線で登録ナンバー不詳のタンクローリーがNシステムにひっかかった」

〈NEXCOは〉

「連絡取り合ってるが、正規の番号じゃねぇから料金所カメラの情報はゼロだ。俺たちが見失った車が、プレート付け替えて、湾岸線走ってる。そういう解釈でいいのか? どう思う?」

〈良いも悪いもねぇ〉

 飯島の返答は冷たかった。〈とにかくパトカー、向かわせろ。タンクローリー見つけてくれりゃあいい〉





Ⅵ:千代田区:霞ヶ関:夜半過ぎ



 警視庁通信指令センター。その発令台で、司令長は腰に手をあてたまま仁王立ちしていた。壁のディスプレイを見上げる。ヘッドフォンの音声に耳を傾ける。パトカー、ミニパト、覆面、白バイ。あらゆる車両がNシステムの指示に従い奔走していた。

 狙いは首都高速湾岸線、千葉方面。

 だが——オペレーターは首をかしげている。司令長は檄を飛ばした。

「どうしたっ……タンクローリー一台ぐらい、高速隊(=警視庁高速道路交通警察隊)だけで見つけてみせろよっ」

 しかし感じている。

 足りない。もっと人手が、パトカーが、白バイが必要だ。










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