実験室編42

俺はここを出ようとしていた

しかしフロ-ラル様の指摘により

改めて自分たちの弱さを知る

そして2ヶ月という短かい期間ではあるがここで修業させてもらう事を決意する


そして俺はバ-バラに言った

「バ-バラ…」

「このことは明日の朝フロ-ラル様に修業の件を伝えるつもりだ」

「そうかい…」

「それじゃあ私も帰ることにするよ」

そう言い残し少し嬉しそうに帰って行った

みんなバ-バラの後ろ姿を見る

相変わらず心が痛かった

そんなときミネアは悲しそうに言った

「私…バ-バラ様を騙すのが辛い…」

そう言うとマ-ニャから以外な言葉が返ってくる

「もしかしてバ-バラ様やフロ-ラル様は何か感ずいてるのかもしれない…」

「そう…ね」

俺はマ-ニャがミネアを慰めているように感じた

少しでも罪のかさが軽くならば…そう思ってかけた言葉だと思った

そしてミネアはマ-ニャの言葉に少し救われたように見えた

しかし思う

本当にバ-バラやフロ-ラル様は何か感ずいているのだろうか…?

それはここいる誰にも分からなかった


そして俺はあることを言おうと思った

そう何故2ヶ月という理由かを…

先ほどその説明をしたかったがバ-バラがいたため説明できなかった

心苦しいがバ-バラが去ったところで言うことにした

「ところでなぜ2ヶ月なのか?…みんな不思議に思ってないか?」

するとみんな言った

「うんそうだね」

「確かに思ったぜ」

「そうだね」

「そうですね」

「そこでみんな思い出してくれ…ハイデルの言っていたことを」

「!?」

そして気づいたようだった

「そういえば…!」

ツバサは気づいたようだった

「気づいたようだな」

ツバサは言った

「うん」

「確かハイデルが言ってたよね」

「観測士が予定より遅れるとか言ってたね」

みんなハイデルが言っていたことを思い出す※25話参照

「そういえば観測士の話だと炎星と月星の重なりが

予定より3ヶ月ほど遅れるという話でしたねえ」

「確かにそう言っていたな」

「うん」

「ええ」

「はい」

そして俺は言った

「だから…まだ時間はあるんだ」

みんな納得したようだった

するとミネアは言った

「2ヶ月あれば十分よ」

えっ?とみんな固まる

地獄の特訓になるということだろうか…みんな震えていた

そして締めくくるように言った

「みんな…俺が言いたかったことは以上だ」

「それに時間はもうない」

「明日から修業をしてもらえるなら明日からしてもらおうと思ってる」

「そして朝も早い…それまでにしっかり身体を休めてくれ」

そう言い終わると俺たちはミネアの案内で寝床へ帰って行った


夜が明け…

みんな揃っていた

そして俺たちはフロ-ラル様の前へと出る

みんなが固唾を飲んで俺たちを見守る

「フロ-ラル様…俺たちをここで修業させて下さい」

「そうですか…」

そしてフロ-ラル様は少しニコリと微笑み

それでいて嬉しそうで安心したような表情をしていた

そしてあの件について言う

「ただ…俺たちはここで2ヶ月しか修業をすることはできません」

「その2ヶ月の先に俺たちにとってとても大事なことがあります」

「ですがこの大事な事は言えません」

「隠し事をして身勝手なお願いだという事は分かっています」

「それでも俺たちを修業してもらえるでしょうか?」

フロ-ラル様はしばし沈黙の後…

分かりましたと一言だけ言いそれ以上の質問はしてこなかった

同じくバ-バラや他のみんなからも一切追及がなかった

みんなの思いに感謝した

そしてフロ-ラル様は言った

「それでは今日から早速修業して頂きます」

「覚悟して下さいね^^」

ゴゴゴゴゴ……

顔は笑ってはいたが身体から発する鬼のような気配にハイデル以上の命の危険を感じていた

(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブル


そして修業の説明をする

「ワタルたちにはまずは魔法の基礎を身につけてもらいます」

「魔法の基礎を身につけることで魔法攻撃を受けたときの

緊急の対処法なども分かるはずです」

「ただもちろん得手不得手があります」

「人によって魔法が全く使えない性質の方もいます」

「魔法が使えない性質ならその剣だったり武術などをより極めるしかありません」

「その道は修羅の道だと覚悟して下さい」

「ただ魔法戦の戦い方を学ぶためにも

まだ分かりませんが魔法の性質がなかったとしても魔法の修業は少し受けて頂きます」

「期間的に2ヶ月という短い時間ですが…」

そこまで言うとミネアの何か言いたげな気配を察知してからミネアにバトンタッチする

そしてミネアは何か確認するようにフロ-ラル様をチラリと見る

フロ-ラル様はミネアの意図を察したようにコクりとうなずく

そしてミネアは語りだした

「その期間というなら大丈夫」

「?」

俺たちは目が点になる

そして俺たちの真意を見透かしたようにミネアはまた語り始めた

「ワタル…覚えてる?」

「白魔女の総本山から地上へ出て約束の丘へ行こうとしたときに私が言いだしかけた事…」

すると俺は思い出す

そして聞いてみた

「確かに何か言いかけていたな…」

するとミネアは言った

「そう…あの時言いかけていたことと今回の修業のことについては大いに関係があるのよ」

「?」

みんな何を言っているのかよく分からない

そしてミネアは話を続ける

「あの時言いかけていたこと」

「それは…」

告白するように言った

「私たち小数の白魔女が大勢いる黒魔女に対抗できていた理由にも関係がある」

ざわざわ…

黒魔女たちはざわつき始める

何を知らないようだった

バ-バラも初めて聞くというような表情をしていた

バ-バラも知らなかったのだろう

みんな固唾を飲んで見守る

そしてミネアは話を続ける

「この森には…ある神聖な場所があるの」

「その場所は黒魔女さえ知らない秘密の場所…」

「いつからあるのかみんな知らない」

「何故そこだけが特別な力があるのか分からない」

「しかしそこは…」

「私たちのいる時間と時が流れるのが違うんだ…」

「!?」

みんな面食らったような表情をする

「そこは私たちの世界の時間の10倍の速さで流れてる…」

「!?」

また俺も含めみんな信じられないと言った表情をする

そして俺は確認するように言った

「それはつまり…」

「ああ」

「その場所では2ヶ月×10倍…つまり20ヶ月分の修業が可能だ」

「!?」

みんな呆気に取られていた

まさかそのような場所があったなんて

そして俺はある確信を得る

「その場所で修業して強くなり…黒魔女に対抗していたんだな?」

ミネアはコクりとうなずいた

しかし弁明するように言った

「だが…そこは本当に特別な場所だ」

「私たちは神の場所と呼んでる」

「本当に特別なことがない限りその場所で修業は行わない」

そして心配そうに言った

「それにいつもではないが…そこを使うと不吉なことがおこる…」

そうミネアは締めくくった


「そんな場所があったとはねえ…」

バ-バラは驚いていた

まさかバ-バラもそんな方法で自分たち黒魔女に対抗してるとは夢にも思わなかったろう


そして一呼吸おきフロ-ラル様へ言った

「私も修業に入れさせてもらうよ」

「この子たちが心配なんでね」

「無論そのつもりです」

「この修業に私とあなたをおいて他に誰もいません」

バ-バラはフっと笑った

そしてフロ-ラル様は言った

「それにあそこは多人数で行くに連れ不吉なことがおこります」

「そこで必要最低限の人数でいきます…いいですね?」

みんなの同意を得て名前を読み上げる

「修業に行くのは…」

「私とバ-バラ!」

「それにワタル!ミネア!マ-ニャ!ツバサ!バ-ジェット!」

「この7人でいきます」

「いいですね?」

みんなコクりとうなずいた

しかし白魔女や黒魔女たちにある不安が襲う

それを察知してかフロ-ラル様は言った

「大丈夫です」

「何もこの2ヶ月間…一歩もここに戻ってこられないというわけではありません」

「たまにバ-バラと交代で戻ってきます」

「何かあっても大丈夫」

みんなはその言葉を聞いて安心したようだった

それに次の言葉を聞いて顔が引き締まる

「あなたたちなら…大丈夫」

そう笑顔で言った

バ-バラも言う

「お前たち!」

「私たちがいない間に修業さぼるんじゃないよ!」

さらにみんなの顔が引き締まる

そしてフロ-ラル様は俺たちに目線を戻し言った

「ワタル!そして…みんな!」

「神の場所はこちらです!」


俺たちの修業が始まろうとしていた

この20か月という間で俺たちがどこまで強くなれるか分からない

それでもドクターベルケルに遠く及ばないかもしれない…

でもこれだけは分かる

みんな強くなる…そしてみんなの思いを力に変えて!

首を洗って待ってろ…

ドクターベルケル!!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る