実験室編30

ミネアの最後の力を振り絞った魔法の攻撃により

何とか最大のピンチを乗り越えることができた

しかし更なるハイデルの攻撃によって

マ-ニャは諦めようとしていた

そのときに死んだはずのみんながマ-ニャの目の前に現れたのだった


そしてマ-ニャは言った

「ありがとう…」

「でもごめんなさい…わたし…これ以上は…」

「諦めるの?」

「マ-ニャ…あなたはみんなの生きる希望だった」

「君がいてくれるだけで元気づけられた」

「あなたのその笑顔が…!その存在が…!」

「みんなの生きる希望だったんだよ」

「それに…あなたは何度でも私たちを励ましてくれたじゃない!」

「まだ絶対望みはある!」

「絶対に生きる希望をなくしちゃ駄目だって!」

「諦めちゃダメみんなで頑張ろう…そう言ってくれた」

「あの言葉はウソだったの?」

「私たちを救ってくれたのはあなたなのよ…?」

「絶望にさいなまれそうな私たちを!!」

「俺たちを!!」

「だから…!だからあの地獄をみんなで頑張れたのよ」

「う゛ん…う゛ん…」

マ-ニャは下をうつむき黙って聞いていた

表情はよく分からなかった

「今度は私たちがあなたを助ける番」

「それに私たちだけじゃないのよ…ここに来てるのは」

「えっ…?」

そうマ-ニャが聞き返すと同時にすぐ近くの場所からふわ-っと光が溢れ出す

そしてそこから見え覚えのある顔がマ-ニャの前に現れた

「シェリル…様?」

そうマ-ニャが聞くとその者は答えた

「ええ…」

「言ったでしょ?見守っていると…」

「それに遅れてごめんなさい」

「もっと早く来たかったのだけれど

みんなをここに導いていて…」

「みんな?」

するとある者が言った

「ああ」

「激しい怨念に取りつかれ…さ迷っていた俺たちを

シェリル様はここに導いてくれたんだ」

「マ-ニャの助けになってやって欲しいと…」

「それで…!」

「ああ」

「みんなマ-ニャのことを助けに来たんだよ」

「みんな…お前のことだ大好きだ」

「俺たちの力を受け止めてほしい」

そうその者は言った

「それにここに来てるのはもう一人いるわ」

「あなたにぜひ紹介したい人物よ」

「初めはくるのを嫌がってたのだけれどね」

「さぁ…いらっしゃい」

そう言うとまた光が溢れだした

そしてその光から現れた人物を見てマ-ニャは喜びの声をあげる

「お…かあ…さ…ん…」

トレアだった

ばつの悪そうな顔をして出てくる

そしてトレアは言った

「な-にしみったれた顔してるのぉ!」

「あなたは私の大事な娘!」

「あなたの実力はこんなもんじゃないわ」

「それは…私が保障する」

「もちろんこんな所で諦めたりしないわよね?」

みんなやトレアやシェリル様がマ-ニャの事を一心に見ていた

そしてマ-ニャの顔つきが変わる

「うん!」

その声を聞いてみんな微笑む

トレアは言った

「あなたの力をあいつに見せてやりなさい!」

「それに目にもの見せてあげるのよぉ」

「あんな奴なんかぶっ飛ばしちゃいなさい!」

「私たちが応援してるから!!」

みんなコクりとうなずく

「わたし…自分の力を信じる…」

「そして負けない!」

そう言うと巨大な暗黒の力の方を見る

「ああぁああぁあ----!!!!」

マ-ニャの身体が光り輝く

みんながマ-ニャに目をつむり手をかざす

そして暗黒の魔法を聖なる力で一気に押し返す

「なに!?」

先ほどまで余裕の表情を見せていたハイデルの表情が一辺する

「がぁああぁああ-!!!!」

ハイデルが一気に押される

ハイデルは叫ぶ

「この小娘に一体なぜこれほどの力がぁああ!!!」

「うぉおお゛お゛お゛!!!」

するとマ-ニャは答える

「あなたには分からないでしょう!」

「この力は私1人だけの力なんかじゃない!!」

「みんなが…みんなが私に力を貸してくれた!」

「そして立ち向かう勇気を…!諦めない心を私に教えてくれた…!!」

ハイデルは大きく目を見開く

「みんなのちがら゛-?」

「また訳の分からないことおおおお!!」

ハイデルは必死に応戦する

しかしハイデルには見えていないようだった

マ-ニャの後ろにいるみんなやトレア、シェリル様の存在を…!

俺たちにははっきりとその姿を見ることができる

「何を世迷い言言ってるのですかぁああ--!!」

「世迷い言なんかじゃない!!」

「この世界にはあんた何かの知らない力が溢れてる!!」

「私の…」

「いえ今までさんざんもてあそんできた

みんなの力を思い知りなさい!!」

「みんな…力を貸して!!」

みんな歯を食い縛り手をかざす

「はぁああぁあああ---!!」

「いけええええ-----!!!!!」

みんな力の限り叫ぶ

力の波動は一気に形成逆転し

その力はハイデルを飲み込もうとしていた

「小娘がぁあ゛あ゛あ゛---!!!」

「ああ゛あ゛あ゛---!!!」

ハイデルも鬼の形相で反撃する

「みんなの思い…届けええええ---!!!!」

その聖なる力はハイデルを貫こうとしていた

そして呆然とした表情でハイデルはポツリと言った

「この、わ…た…し…が負…け…る…?」

「はは…」

その聖なる力がハイデルを貫き

その場にハイデルの断末魔が鳴り響いた

「いっ…!?」

「がぁああ゛あ゛あ゛---!!!!」

「はぁ…はぁ…」

「み…ん…な…」

「や…っ…た…よ…」

「そ…れ…に…」

「お…ねえ…ちゃ…ん…」

そうマ-ニャはポツリと一言だけ言うとミネアの元へ気を失い崩れ落ちた

そしてみんなやトレア、シェリル様はよくやったねと

一言だけ言葉をかけス---っと消えていった

俺たちは疲れ果てその場に

崩れ落ちてしまいそうだった

しかしこのまま崩れ落ちるわけにはいかない

何故ならばやっとハイデルの魔力を

無効化するという第一段階をクリアしただけだからだ

デッドサイレントは凄い魔法だったが

あれは魔力を無効化する魔法

あれでハイデルが倒れてくれるとは到底思えない

そして俺たちはフラフラの身体に鞭をうち

マ-ニャやミネアの元へ駆け出して行った


でも

マ-ニャ…ミネア…

よくやってくれた

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