実験室編29
俺たちはデッドサイレントを発動させるために
ハイデルを相手に何とか5分という時間を耐えぬいた
そして俺たちの必死の連携で
ハイデルのスキを作りデッドサイレントが
発動されることとなった
そしてハイデルはデッドサイレントに驚愕していた
見たこともない力だったからだ
そしてハイデルは言った
「何ですかその魔法は!?」
「それに…このイヤ-な感じは…!?」
するとハッとした表情となり言った
「まさか…!?」
「この力は…聖なる…力!?」
「イヤ…聖なる力にも似てますが聖なる力ではない…」
「ではこの力は一体何なのです!?」
「それになぜこれほどの魔法をあの二人が…!?」
「なぜ黒魔女白魔女のあの二人が
聖なる力に似た力を持ってるのです!?」
そう一瞬で頭をフル回転させ自問自答してる間に
その力はハイデルを飲み込もうとしていた
それにハイデルは直感していた
この魔法を食らうと流石のハイデルでもヤバイと…
ハイデルは激昂する
「魔女風情がぁああああああ---!!」
「この程度の魔法で私を倒せると思うなよぉおおお!!」
いや倒す魔法ではないのだが
流石のハイデルもそのことには気づかない
ハイデルはデッドサイレントに対抗して暗黒の魔法を放つ
そして叫びと共に今までにない激しい怒気を見せた
「ががが……があ-…!!」
するとさらに巨大な暗黒の塊となった魔法が
デッドサイレントを押し返した
「きゃっ!」
「ぐっ!」
二人は苦しい表情をする
ハイデルはニヤリと笑った
そして暗黒の魔法を放ちながらワタルを見て言った
「ワタル…あなたの切り札には驚かされました…」
「しかし!」
またミネアとマ-ニャを見る
「あなた方二人にはもっと驚かされましたよ--!!」
「でも残念でしたねえ」
「その儚い夢もこれで終わりです」
血管を浮かばせながら目をほとばしらせ
ハイデルは叫んだ
「きぃええええ----!!!!」
ハイデルの鋭い眼光に合わせるがごとく
暗黒の力は一気に増大しミネア、マ-ニャを追い込んでいく
状況はミネアやマ-ニャにとっては最悪だった
つい先ほど前までは明らかに優位だっただけに
動揺の色が隠せない
ミネア、マ-ニャを助けてあげたい…
だが魔法の圧力が強すぎて
ハイデルにこれ以上近づくことさえできない
ツバサやバ-ジェットも同じようだった
そう考えているとハイデルはまたこっちに振り返り言った
「ワタル…!」
「これからあの二人が消えてなくなるのを
その目でよぉ-く見ていなさい」
「ねえザ-ボンさんドドリアさんじゃなかったワタル!!」
「あっははははは」
「はぁあああああ---!!!!」
その力は明らかにデッドサイレントを凌駕していた
俺は何もできないのか…
そう思ったときミネアにも同じ考えが生じていた
「こんな大事なときに私はほんの少しだけしか
マ-ニャに手助けできない…」
「マ-ニャはどんなに辛かったろう」
「ここでドクターベルケルやハイデルの玩具にされ
それでもここに捕まってるみんなを助けようと必死に頑張り
その挙げ句に目の前でそのみんなの酷い殺され方を見て…」
「そして母も死んだ」
「心が折れそうでしょう…
そのまま殻に籠ってしまいたいでしょう」
「でもこんなにも頑張ってる!」
ミネアは必死に頑張ってるマ-ニャをチラっと見た
「マ-ニャの少しでも力になりたい!」
「マ-ニャの傷みを少しでも負えるなら私も負いたい!」
「身体もそう…」
「マ-ニャの心の傷みに比べればこんなもの---!!!」
その時マ-ニャにも限界がこようとしていた
「お姉…ちゃん…」
「み…ん…な…」
「これ以上…は…無理…」
「ごめ…ん…な…さ…」
マ-ニャは諦めようとしていた
しかしミネアは励ます
「何を弱気なこと言ってるの!?」
「マ-ニャが苦しいのは分かってる」
「あなたの傷みを少しでも分かちあうことができるなら…
私が背負ってあげる」
ミネアはまっすぐした目で言った
「お姉…ちゃん…?」
「ああああああ---!!!」
ミネアが雄叫びをあげる
「なに!?」
あれほどまでに窮地に追い込まれていた魔法戦は
何とか五分の状況まで盛り返す
「がぁ…!」
ミネアはうめき声をあげる
「お姉ちゃん!」
ミネアはマ-ニャを励ますように必死に力を出していた
身体のありとあらゆる場所から
死力の限りをつくして力を絞り出す
身体全体のありとあらゆる骨がきしみそうだった
それでもマ-ニャに弱味を見せちゃいけないと頑張る
そして言った
「マ…ニ…ャ…」
「また…逃げだす…気…?」
「さっき…言った…ばかり…でしょ」
「自分を…信じ…て…」
「あ゛あ゛ああ---!!!」
するとミネアの身体が突然光り出す
最後のありったけの力を振り絞った
まばゆい光となって暗黒の力を押し返す
力の均衡を何とかこちら側が優勢になるくらいまでは取り戻した
でもそれだけだった
「あと…は…たの…ん…だ…よ…」
そうミネアは言い残して気を失った
「お姉ちゃん!?」
しかしマ-ニャにミネアを心配してる暇はなかった
「きぃええええええ----!!!」
「きゃあっ!」
ハイデルの更なる叫びによって
再び暗黒の力が再びマ-ニャを覆いつくそうとしていた
マ-ニャは死を覚悟した
「みんな…ごめん…」
でもそう諦めかけたとき何か力を感じた
しかし何の力かは分からかった
だがその力の正体が分かったときマ-ニャは歓喜する
「あっ…あっ…!?」
そこにはみんながいた
そうこの実験室でマ-ニャを助け
そしてハイデルによって無惨に
殺されたみんなの姿がそこにはあった
「みんな゛…!?」
ある者たちが言った
「マ-ニャ…会いたかったよ」
「どうした…?…そんな泣きそうな顔して…」
「来てくれるって信じてたよ」
「もう一度こうしてマ-ニャの顔を見れただけでオラ幸せだ」
「マ-ニャ…」
「マ-ニャ…」
「マ-ニャ…」
「マ-ニャ…」
しかしマ-ニャは懺悔するように言った
「わたし…わたし…間に合わなかった」
「みんなを助けれなかった」
「せっかく私を助け出してくれたのに…」
「約束した…みんなを助けると…!」
「でもっ…!でもっ…!」
「この部屋に入ってくると…」
あのときの映像がフラッシュバックする
「みんなが…みんなが…!!」
「ああ゛っ…!」
マ-ニャは泣き崩れそうになる
「そんな責めないで…」
「そうだよ」
「私たちはマ-ニャがここまで来てくれただけで十分だよ」
みんな笑顔だった
あれだけ無惨な殺され方をしたのに何て晴れやかなんだろう
マ-ニャがどれだけ周りの者たちを勇気ずけ愛されていたのかがよく分かる
ここでマ-ニャはどれだけのものたちを救ってきたのだろう
マ-ニャは俺たちと同様にみんなにとって
かけがえのない存在だったのだろう…俺はそう思った
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