実験室編26

俺たちはハイデルから恐るべき

ドクターベルケルの

実験内容を聞いた

それはハイデルが俺たちがここで死ぬと

考えたことからそんな重大な実験内容を明かしたようであった

しかし俺たちは絶対に死なない…そう信じている

俺たちは武器を構え当初の予定通りに

俺とツバサそしてバ-ジェットの3人で

ハイデルへと駆け出して行った

そしてまず初めに攻撃したのはツバサだった

この3人の中ではスピードが一番早いから当たり前なのだが

これは作戦でもあった

まずハイデルの出鼻を挫くことが先決だ

一番厄介な魔法を唱える隙を与えてはいけない

「直角剣!」

そう言うとツバサはもうハイデルの懐へと飛び込んでいた

「なに!?」

ハイデルが驚いている隙に

ツバサの剣はハイデルの顎を捕らえようとする…!

しかしハイデルはすかさずその剣を手で振り払う

すぐにハイデルが隙だらけのツバサに攻撃しようとする

しかしもちろん俺たちはそれを許さない

バ-ジェットがハイデルがツバサへと攻撃しようとする

その手を払うように攻撃を仕掛ける

そしてその崩れた瞬間を俺は見逃さない

「はぁああああ」

「第一の型…初空!」

ハイデルは俺の攻撃を食らい一瞬よろめく

「くっ…!」

「第二の型…土崩し!」

「がっ…!」

「第三の型…回転横一文字!」

横に回転する反動を利用してハイデルを攻撃する

「がぁっ…!」

俺の必殺技は決まってハイデルは吹っ飛んで行った

しかしそれで終わりとは到底思えない

それに攻撃させたのにまるで手応えが感じられなかった

なんて防御力だ…

肉弾戦においてもこんなに差があるのか…

絶望が俺を覆いつくそうとするが勇気を奮いたたせる

だがハイデルはしばらくの間起き上がってこなかった

それなのに汗が滝のように噴き出してくる

「何だこの圧力は…!?」

「はぁはぁ…」

ツバサとバ-ジェットも自分と同じようだった

思わず呼びかける

「ツバサ…バ-ジェット…」

「凄い…圧…力…」

ツバサが苦しそうに何とか声を振り絞り言った

バ-ジェットも声こそ出さないがきつそうだった

3人とも息が上がる

ハイデルを前にして立っているのがやっとであった

5分はまだか!?

この5分の時間が無限のように感じられた

するとハイデルに覆い被さるようにしていた瓦礫が

上にバ-ン!と弾け飛んだ

そしてゆっくりとハイデルは立ち上がる

「ん--」

「なかなかやってくれますねえ」

ハイデルはコキコキと首の骨をならす

3人の必死の攻撃もハイデルに

全くダメ-ジを与えられていないようだった

しかしある違和感に気づく

確信が持てるわけではなかったが

それを確かめてみることにする

「ツバサ」

「バ-ジェット」

二人を呼ぶ

そしてとある事を話す

するとツバサとバ-ジェットは納得したように言った

「うん確かめてみる価値はあるね」

「そうかもしれねえな」

3人はコクりとうなずいた

するとハイデルは感心したように

俺たちに話しかけてきた

「魔法戦は不利と判断して肉弾戦をしかけてきましたか-」

しかしハイデルはツバサたちに

分からぬように小さくニヤリと笑う


ハイデルの心の中

「くくくばかめ」

「3人で引き付けておいてミネアとマ-ニャの二人の

最高の魔法で私を倒そうという魂胆でしょうが

そんなもので私を倒すことなどできませんよ」

「何よりもたかだか二人の魔力で私を倒そうなどと…」

「それくらいの事は分かると思っていたのですがねえ」

「少し買いかぶりすぎましたか」

「それに私を本気で倒すつもりなら

白魔女のフロ-ラと黒魔女のバ-バラを

引っ張ってくるでないとねえ」

「あの二人相手なら流石の私も分が悪いです」

「くくく…しかしあの二人が私の所へ来ることはない」

「何故ならばドクターベルケル様が

もしものことを考えてあの方をここにお呼び頂いたからです」

「フロ-ラとバ-バラがいかに強くとも

あの方が負けることはない」

「二人ともあの方に血祭りにして頂いているでしょう…ほほほ」

しかしこの時ハイデルは自分が大きな勘違いを

していることに気づかないでいた

「まぁせっかくここまでいらっしゃったのですから

少しだけ夢を見させてあげるのもいいでしょう」

「それに…ふふふ」

「まぁ用心に越したことはありません」

「窮鼠猫を噛むと言いますし一応注意だけはしておきますか」

「行きますよ-」

そう言うとハイデルは俺たちに向かってきた

俺たちはハイデルの圧力に負けないよう己を奮い立たせ

打ち合わせ通りにハイデルに立ち向かって行く

一撃二撃と攻撃を積み重ねて行くうちに

それは疑惑から確信へと変わっていく

しかしそれはあくまで仮説にすぎない

俺たちがハイデルを倒すためには

それを確かめなければならない

すると必死の反撃でツバサとバ-ジェットがハイデルの体勢を崩してくれた

しかしこっちも必死だった

ツバサとバ-ジェットが作ってくれた

せっかくのチャンスを逃すわけにはいかない

「はああああ」

気を貯めて一気に解き放つ

「剛流鉄砕剣!!」

そして…!

それは確かに確認できた

大きな突破口になるだろう

そしてここからハイデルとの戦いは大きく加速していく…

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