実験室編25
俺たちはハイデルにドクターベルケルの
恐るべき発明を聞いた
だが話はそれで終わりではなかった
ハイデルは再び話を続ける
「誤算はまだありました」
「人界に装置をかける前にいた魔族たちです」
「あの騒動に不審に思ったのかその魔族たちのほとんどは
魔界へは帰ってきませんでした」
「人間たちや我々に追われ
忽然とその魔族たちはどこかに姿を消しました」
「私以外のドクターベルケル様の
部下たちが人界に潜りこんでいるんですけどねえ」
「なかなか尻尾を出さない…」
「まぁその魔族たちが騒いだ所で誰も信用しないでしょうし
特に害はないですが…はっはっはっ」
そしてハイデルは思い出したように言った
「そうそう…先ほど話した発明の話は昔の話です」
「今ここでやっていた実験は…」
再び得意気にハイデルは言った
「何と知能を3分の1まで減らすことができるんですよぉ!!」
「!?」
「知能が元々高い魔族たちは本来の知能が高いわけですから
装置をかけても辛うじて
思考できるくらいの知能はあったんです」
「それを3分の1まで減らすことができれば…ひひひ」
「あ-はっはっはっ!!」
「あと魔族は欲望に勝るものがないんですよぉ-」
「何千…何万という魔族たちの欲望が
さらに解き放たれる時…」
そう言うとハイデルは震えていた
「ああ考えただけでもゾクゾクしますねえ-!!」
「外道が…」
そう言うとハイデルは嬉しそうに答えた
「何ですって」
「その言葉は私にとって誉め言葉ですね…ほほほほ」
そしてマ-ニャを見つめハイデルは言った
「それにマ-ニャには良い-実験になって頂きました」
「特に白魔女黒魔女はいい-」
「もともと魔力が高い上に知能も高い…」
「モルモットになって頂くには格好の材料でした」
俺は思わず声を荒げた
「モルモット…!?…材料…!?」
「ふざけるな!!」
「ハイデル…貴様にそんな権利がどこにある!?」
「捕らわれた人たちのことを考えたことがあるのか!?」
「そして家族の事を考えたことがあるのか!!」
「みんな必死に今を生きてるんだ!!」
するとハイデルは笑いだした
「はははははは」
「おかしいな事を言いますねえ君は…」
「権利だって?」
「そんなものあなたたちにあるわけがないでしょう」
「地面にいる暗黒蟻を踏み潰すときにあなたは何か感じますか?」
「虫を殺すときに何か感じますか?」
「それと一緒ですよ」
「あなたたちの運命は生まれた瞬間に決まっているのですよ」
「恨むなら自分たちの親を恨みなさい」
「くっ…!」
するとハイデルは締めくくるように言った
「それではお話も終了です」
「これで…」
「待て!!」
「はい?」
「最後に聞きたいことが一つだけある…」
「何ですかぁ?」
「装置とは1人1人にかけるのか!?」
するとハイデルは呆れたように言った
「あなたはバカですか?」
「そんなことしてる暇はないでしょう-」
「ならどうやって!?」
ハイデルはニヤリと笑う
「最後の質問には一回答えましたよ」
「くっ…!」
そしてハイデルは思い出したように言った
「そういえば観測士の話だと炎星と月星の重なりが
予定より3ヶ月ほど遅れるという話でししたねえ」
「ここで死ぬあなたたちには関係のない話でしたか…ほほほ」
「おっともうこんな時間ですね」
「お話タイムは終了-です!」
「死ぬ前にいい話を聞けたでしょう」
「死ぬ準備は整いましたか?」
「では行きますよぉ-」
ハイデルの目が大きく見開かれる!
「ひぃああああ--!!!」
「来るぞ!!」
「うん!」
「はい!」
「おう!」
俺たちはハイデルを向かえうつ
そしてハイデルからドクターベルケルの
恐ろしい実験の話を聞いてしまった
何としてでもハイデルを倒しその実験を食い止めなくてはならない
そう何としても…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます