実験室編2

前からも後ろからも敵が攻めてきていた

絶体絶命のピンチだった

さらに追い討ちをかけるように指揮官の声が聞こえてくる

「魔女たちの魔法はやっかいだ!」

「魔法を唱えさせるスキを与えるな!

「グオオオ--!!」

魔物たちが魔女の魔法を少しでも

唱えさせるヒマを与えないと突進してくる

総司令官らしき魔物が指揮をしていた

次々に号令を放ち俺たちを苦しませてくる

「アイスサイクロプス前へ!」

そう言うと一つ目のアイスサイクロプスがノシノシと

巨大な身体を揺らしながら俺たちの前へと出てきた

すると突然近くにいたゴブリンの頭を掴んだ…

その時…!

突然アイスサイクロプスがその掴んだゴブリンを

突然ものすごい勢いで俺たちめがけて投げてきた!

「ぎゃっ!」

そう突然悲鳴を挙げると黒魔女の1人が

地上へと落ちていった…

巨人ゴブリンや上級ゴブリンも出てきた

巨人ゴブリンはアイスサイクロプスほどではないが

ゴブリンを凄い勢いで投げ魔女たちを

確実に1人1人落としていく…

特に上級ゴブリンが厄介だった

上級ゴブリンは手に武器を持っている

アイスサイクロプスや巨人ゴブリンに

投げられた上級ゴブリンは

命中するときにその手に持っている武器で

確実に致命傷を与えてくる

他の方角の上空から地獄虫やリトルドラゴンも大軍で

こちらめがけて迫ってきているのが見えた

「上空だけなら上からも下からも狙い打ちされる!」

「上空と地上の2つに別れて!」

そうミネアが必死に叫んだ

あちこちで敵に囲まれ明らかに多勢に無勢で

俺たちは四面楚歌だった

しかし別の場所では

全く別次元の戦闘が行われていることに

俺は気づかないでいた

「邪骨砲」

そう一瞬聞こえた空を見ると

遥か上空から邪悪な骨の一閃が

俺たち全員を覆いつくさんと襲ってきている所だった

その瞬間身体が硬直し一歩も動けなかった

「あっ…!?」

かろうじてその一言だけが出た

しかし死を覚悟した

その一閃がそのくらいの威力を

秘めていることが本能で分かったのだ

もうほとんど思考が麻痺して考える時間がなかった

死を覚悟した

その時ある声がしてきた

「虹色の壁!」

フロ-ラル様だった

虹色の壁がその邪悪な骨の一閃を退けてくれた…

遥か上空にフローラル様はいた

バ-バラも近くにいたようだった

そしてフロ-ラル様やバ-バラと向き合うよう

に一人の魔族がいることに目が入った

しかし先程の一閃が何事もなかったかのように

三人は再び戦いを開始した

するとバ-バラが何か魔法を発したようだった

「漆黒の乱撃!」

漆黒の一撃が幾度も重なってその魔族を襲う

「ぐぉっ!?」

その一撃を何度もくらいその魔族は一瞬よろめいたようだった

その魔族は明らかに他のモンスターとは

別次元の気配を醸し出していた

多分上級魔族だろう

ドクターベルケルの直属の部下だろうか?

そう考えているとバ-バラはその魔族に対して言った

「おいおい…あんたの相手は私らだよ」

「そうです」

ドン!!

その魔族一人に対しバ-バラとフロ-ラル様の

二人で戦っているようだった

その魔族はにやっと笑い再びバ-バラとフロ-ラル様の元へ駆け出して行った



遥か上空に気をとられていると声がした

「ワタル!」

「あの魔族のことはバ-バラ様とフロ-ラル様にまかせて

私たちは私たちの出来ることを!」

そうミネアが言った

俺はコクリとうなずいた

それからミネアが言った通り上空に集まっていても

狙い打ちにされるだけなので二手に別れることにした

俺たちは当然地上へと降りた

上空では俺たち三人は敵の攻撃を防ぐことくらいしか出来ない

次々とモンスターたちが襲ってくる

「ツバサ!バ-ジェット!ミネア!マ-ニャ!」

「行くぞ!」

「おう!!」

それからモンスターたちを何十体と倒したがラチがあかない

すると意を決したように遥か上空から叫び声がしてきた

バ-バラだった

「ここのことは私らにまかせな!」

「ワタル!ミネア!マ-ニャ!ツバサ!バ-ジェット!」

「あんたたちは周りの者を引き連れ一点突破で城に突入しな!」

「あんたたちなら出来る!」

「しかし…」

俺は戸惑った

バ-バラやフロ-ラル様…

そしてみんなを置き去りにすることに…

このまま押しきられみんなが死んでしまうということを俺は恐れた

しかしそんな考えを見透かすようにバ-バラは言った

「あんたは何のためにここまで来たんだい!」

「捕らわれているみんなを助けにきたんだろう!?」

「周りの者を見てみな!」

「みんな必死に戦ってる!」

「みんなの気持ちを無駄にする気かい!!??」

俺は渋々了承することにした

「分かった…そしてありがとう」

俺の言葉を聞き取るとバ-バラはニっと笑った

「バ-バラ!フロ-ラル様!」

「死なないでくださいね…」

俺は本気で心配してそう言った

バ-バラとフロ-ラル様も心配させまいと言葉を返してくれる

「当たり前だ」

「分かっています」

二人の顔が輝いているように見えた




それから俺たちは周りの者を引き連れ

正面の一点突破をすることにした

そう言うと俺たちは城門を目指し突撃した

ワタルたちが突撃したのを確認するとバ-バラは言った

「黒の護衛衆!黒の詮索隊!」

フロ-ラル様も言った

「白の百虎隊!」

「はっ!」

呼ばれた者たちは瞬時に二人の周りへと集まった

そして二人は集まった者たちに言った

「ワタルやミネアと周りの者だけじゃ無理があるだろう」

「守ってやってくれ」

フロ-ラル様も言った

「同じく地下にいるみんなの元へと

ワタルたちを導いてあげてください」

「頼みましたよ」

そう言い終わると呼ばれた者たちは

瞬時にリ-ダ-の意図を把握し一礼をして

ワタルたちの元へと走って行った

「今呼んだ者たちは私たちの中でもいわゆる精鋭部隊だ…」

「ワタル…失敗したらただじゃおかないよ(笑)」

「そうですね」

そう言い終わらぬうちにフロ-ラル様が叫んだ

「バ-バラ!…あの魔族が復活します!」

「もう!?」

バ-バラが驚いていた

「化け物かい…ありゃあ…」

「バーバラ…つべこべ言ってないでいきますよ!」

「おっおう!」

そんなやり取りをしながら

フロ-ラル様とバ-バラの二人は復活しようとしている

魔族の元へと向かった




場面は変わり…

ワタルたちが城へ突撃する中…

ワタルは後ろからものすごい勢いで音をたてながら

迫りくる気配を感じていた

敵か!?

しかし、そう思って後ろを振り向いたところ

仲間たちの姿がそこにはあった

するとその中のリ-ダ-格らしい魔女が言った

「我々はリ-ダ-からの指示であなた方を

守るよう仰せつかわりました…」

俺はありがとうと言いみんなに言い素直に感謝した

「彼女たちは強いですよ…百人力です」

とミネアやマ-ニャが言った

「彼女たちは白魔女、黒魔女たちの中でも

いわゆる精鋭…」

「私が黒魔女だったときも白魔女だったときも

みんなにどれだけ苦しまされたか…」

ミネアは感慨深そうにしていた

その様子をみんな苦笑いを浮かべ見ていた

かつての仲間だったミネアと

再び戦えるのは嬉しいのだろう

「バ-バラ様やフロ-ラル様の力は元よりだが

彼女たちのお陰で私たちの力が

維持されてると言っても過言ではない」

そうミネアが言った

「心強いな」

「ああ」

「はい」

それから再び戦いが開始された

彼女たちの力を得てさらに勢いは増した

彼女たちやミネアやマ-ニャ、

ツバサ、バ-ジェットそして着いて来てくれたみんなの力を得て

水を得た魚のように敵を蹴散らし前へと進んだ

やっと城門が見えてきた

その頃には気づくと暗かったのが

いつの間にか明るくなっていた

そして城門の目の前に来た…

その時…!



上から聞き覚えのある声がしてきた

「グハハハ…よくここまで来たな」

ゼットンだった

そう言うと城壁の上から城門の前へとドスン!と

鈍い音を立てゼットンが目の前へと飛んできた

「我が前にひれ伏すのはどいつだああああ!」

そう荒々しくどこかへ向かってゼットンが叫んだ瞬間

俺はひたひたとゼットンの近くにいった

俺がいきなり近くに来てびっくりしてるようだった

「えっ?」

そう言った瞬間

俺の全力の剣技をかましてあげた

俺の目がキランと光る

「必殺…375連撃!」

「チェストおおおお!!!!」

「へぶしっ!」

「Σ(゚Д゚il!)オオ!Σ(。Д。il!)オオ!Σ((;; ゚Д゚)))オオ!

Σ( ; ロ)゚ ゚オオー!!Σ ( Д ) スポポポポポポーン!!! 。 。 。 。 」

「エエエェェェ(lll゚ Д。 ;))))ェェェエエエ 」

そう叫びながらゼットンはどこかへ吹っ飛んでいった

「またつまらぬものを斬ってしまった…」

「行くぞ」

「……」

「う、うん」

俺たちはゼットンを倒し

そのまま城内へ突入することに成功した

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