実験室3

俺たちはやっとの思いで

城の中に入ることができた

しかし当然このまますんなりと通してくれそうにはなかった

すると声が聞こえてきた

初めて聞く声だった

「私はこの城を守りし第2の者カ-ズ!」

「いやはやゼットンが出撃して

早い到着でしたね…」

「万一に備えて準備しておいてよかったです」

「あいつは剛の者で力は文句ない

がバカな所があるから…」

溜め息まじりカ-ズはそう言った

「ただゼットンの時みたいに

うまくいくと思ったら大間違いですよ」

「今です!」

そう言った途端城門がパタン!と閉められた

「魔術師前へ!」

「放てえ--!!」

「ダ-クファイア!」

「ダ-クサンダ-!」

「ダ-クブリザド!」

待ち構えていたようで

さまざまな魔法が俺たちを襲う

俺たちが怯んだところをゴブリンア-チャ-がさらに追い打ちをかける

ミネアやマ-ニャほかの黒魔女白魔女たちが

さまざまな魔法で応戦するが

後方にいる魔術師によって回復され

なかなか戦局が打開できない…

他にも普通の魔術師だけならまだよかったが

数体いる中級魔術師が俺たちを苦しめた

「奴らは袋のネズミだ!」

「前衛部隊は盾となりこれ以上前に進ませるな!」

「決して攻撃しようとしなくていい…盾になればいいのだ」

「後方部隊のみ集中攻撃せよ!」

嵐のような攻撃の前に俺たちは防戦一方だった

しかし突然城門が開いた!

するとそこには見覚えのある顔がいた

「おんどりゃぁあああ!

「痛えじゃねえかぁ!」

ゼットンだった

「さっき我に一撃かました奴はどいつだ!」

すると遠目ごしに俺を見つけたようで

ゼットン率いる部隊と共に俺に突進してきた

ゼットンの部隊が城の中に入ってきたことによって

戦局は大きく動こうとしていた

後方部隊はゼットンたちに

被害が及ぶのを恐れてなかなか攻撃できない

俺たちはそこに活路を見いだした

しかしその事にカ-ズも気づいていたようで

必死にゼットンに向かって叫んだ

「ゼットン!」

「お前が乱入することによって

私たちは攻撃できない!」

「入ってくるな!」

そう叫んだが頭に血がのぼっている

ゼットンには声が聞こえていないようだった

そのまま突進してきた

「はぁ-バカが…」

そう言い諦めたように声を荒げた

「しょうがない…」

「前衛部隊も突撃!」

そこからはもう戦いは乱れに乱れ混戦となった

そこでフロ-ラル様やバ-バラによって

応援に駆けつけてくれた者の中では

リ-ダ-らしき魔女がこう告げた

「混戦となっている今が絶好のチャンスです」

「ここは我々に任せてください」

俺は一瞬考えたがこう言った

「ありがとう」

みんな聞いているようだった

普段なら絶対賛成できないが

さっきバ-バラに言われた言葉が俺を変えた

お互いにコクりうなずき

そして周りのみんなに声をかけた

「行くぞ!」

そう言い何とか城内に入ろうとしたとき…!

後ろから声が聞こえた

「そこのゴブリンの男!」

ゼットンだった

「名を何と言う!」

別に名乗ることに抵抗はなかったので

そのまま自分の名前を語った

「俺はホワイトゴブリンのワタルだ!」

「名は覚えたぞ…」

ゼットンは俺を追うことを諦めたようだとた

そしてそのまま城内に

入ろうとしたその時に

あることに気づいた…

ツバサとバ-ジェット!がいない!

外を見るとツバサがカ-ズの元へ

そしてバ-ジェットがゼットンの元へ駆け出して行った

「ツバサ!バ-ジェット!」

俺は叫んだ

そうするとツバサとバ-ジェットがこちらを振り向いた

「ワタル!必ず後で行くから大丈夫だよ!」

「俺たちの事を信じろ!」

2人を今すぐにでも連れ戻したかったが諦めることにした

何か二人も感じてゼットンとカ-ズの元へ向かったのだろう

そしてまた叫んだ

「ツバサ!バ-ジェット!…死ぬなよ!」

二人はにっと笑った

「うん!」

「ったり前だ!」

俺たちはうんとアイコンタクトをし

門は閉まっていった

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