黒魔女、白魔女編11
俺が願いを言おうとした時にゆっくりとシェリルは語った
「皆さんマ-ニャは死んだと思っているでしょうが…」
「実際のところは違います」
「えっ!?」
「何だって!?」
「死の淵にいることには違いはありませんが…」
「とある所でさ迷っているはずです」
「彼女がいるところは特別な場所…」
「しかし私が媒体として彼女に呼び掛けることができるやもしれません」
「呼びかけるって…」
「皆さんの思いで…」
「!?」
「思いは力…そう言いましたよね?」
「あの魔王ですらあの場所へは
容易に手出し出来ない場所にあるのです」
「そんな所へ…まさか…その思いだけで?」
「はい」
「強く思い…そして願い…祈ってください」
「皆さんならできると…」
「私は信じています」
するとバ-バラとフロ-ラル様が
「分かった」
「分かりました」
と言った
「お前たち!」
「みんな!」
みんな周りを見渡し一度だけコクりと頷いた
俺も思い…そして願った
すると黒魔女や白魔女のみんなからこんな声が聞こえてきた
「マ-ニャ…頑張って!」
「生きて帰ってこないと許さないぞ!」
「お願い…謝らせて…」
「私たちは…あなたに教えられた…」
「信じるということを…!」
「マ-ニャ…一瞬でも疑って悪かった…」
「黒魔女たちの責任は私の責任だ…」
「もし帰ってきたら好きなだけ私を罵しっていい…」
「今まで辛くあたってすまなかった…」
「お前になら…殺されたって構わない…!」
「償いをさせておくれ…」
「わた゛しの…可愛い…むす゛めよ!!!」
「マ-ニャ…またせっかく姉妹揃えたのにまた別れるなんて…いや!」
「あなたのお話をもっと聞かせて…」
「私と別れて…今までのこととか…」
「ふふ…好きな人のこととか…」
「だから…お願い…」
「帰ってきて!!!」
俺は…マ-ニャに帰ってきて欲しい…!
「もう一度あの笑顔を見せてくれ…」
一新にそう願った…
「幸せものですね…」
「マ-ニャという子は…」
そうシェリルは言った
マ-ニャ…この声…
そして…みんなの思い…
聞こえているか?
届いているか?
俺は空に向かって名一杯叫んだ
「この思い…」
「届けぇぇええええええええ!!!」
ドン!!
マ-ニャの回想
気づくと私はまっ暗闇の中にいた
「何も見えない…」
「そうか…」
「わたし…死んじゃったんだ…」
「情けないな…」
「あんな大見栄きって…」
「…」
「みんな…ごむ゛ぇんね…」
「みんな…ごむ゛ぇんね…」
「えぐっ…えぐっ…」
「もう…みんなに会えない…」
「実験室のみんなも助けに行けない…」
「これで白魔女と黒魔女のみんなが力を合わせて
実験室に行く希望がなくなった…」
「…」
「罰が当たったのかな…」
「こんな私がみんなを助けるだなんて…」
「勝手に強がって」
「調子のいいこと言って…」
「もう…わかんないょ…」
暗黒の中…暗く…寒い…
「意識がなくなりそうになってきた…」
「これで本当にいなくなっちゃうのか…」
「わたし」
もう諦めようと目を閉じようとしたとき…!
微かに光を感じたような気がした
暖かい光だった
「マ…」
私はびっくりした
それでも私を呼んでるような気がして
「な…んですか?」
と力ない声で聞くと女の人の声がした
「良かった…」
「無事に繋がったみたい」
それから光はブァーと広がって大人の女性が現れた
とても暖かい感じの女性だった
「聞いてください」
「あまり時間はありません」
「私のあとを着いて来てください!」
「猶予は一刻を争います!」
「だれ…なんですか…?」
「私はフローラルの母親です」
「!?」
「フローラルさまの…」
「もうこれ以上話してる暇はありません!」
「でも…」
「いきなり信じられないかもしれません」
「むしろいきなり現れた私に着いて来てくださいっていうのは無理もあるでしょう」
「ただこの声を聞いて信じて欲しいのです」
「声?」
「みんなの…声を!!」
デデン!
また何か呼ぶ声がした…
温かく懐かしい感じの声…
ハッ…!?
私はこの声を知っている…!
「お姉ちゃん…!」
「バーバラ様…!」
「ワタル…!」
「みんな…!」
「マ-ニャ帰ってこい!」
「お願い…生きて戻ってきて!!」
「あっ…あっ…あっ…」
涙が出てきた
フローラル様の母親の方をチラリと見た
シェリルはニコリと笑いこう答えた
「みんな…待ってますよ?」
「…!!」
「はい…!」
「この温かい声に偽りなんてない」
「フロ-ラル様のお母様からも暖かいものを感じます」
「私…信じます!」
「良かった…」
それからシェリルは真剣な顔をしてマ-ニャにこう言った
「これから何が起ころうとも私のことを信じてください」
「はい!」
「私が先頭をいきます」
「私の手を握り目をつむりついてきて下さい」
「はい!」
「私が手を離しいいというまで絶対目をあけてはなりません」
「はい!」
「これから私は一切あなたに話しかけません」
「何を言われようとも私を信じ手を離さないでください」
「私の真後ろにいて下さい」
「約束できますか?」
「はい!」
「分かりました…」
「では参りましょう!」
どれだけの時間がたったであろうか…
強く握りしめていた手が離れ
「いいですよ」
そう聞こえた
恐る恐る目を開けるとみんながいた…!
「ただいま…^^」
「お帰り…」
「うぉぉおおおおおおお!!!!!」
その場は割れんばかりの喝采で鳴り響いた
みんな泣きながら抱き合ってた
「みんなの声…私に届いたよ」
「お姉ちゃん…」
「お帰り…」
「バ-バラ様…」
「もう心配かけさせおって!」
「ワタル…」
「ああ」
「フロ-ラル様のお母様…」
シェリルはニコリと微笑んだ
「みんな…」
「ぅおおおおおお!!!!」
そう言い何十人というみんなが一斉に
マ-ニャの元へ抱きついてきた
「ちょっと痛いよ…」
「今度は本当に死んじゃう…」
「ハハハ」
俺はそう笑いマーニャの方を見た
よく…頑張った!
周りを見るとみんな笑顔でお祭りモ-ドだったが
何か突然胸騒ぎがした
何だ…この悪い予感は…?
周りを見ても気づいているのは自分だけらしい
ツバサやバ-ジェットも喜び
この悪い予感に気づいていないようだった…
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