黒魔女、白魔女編10

俺は何も考えられなかった…

目の前のいたいけな少女の死体…マ-ニャ

マ-ニャの横ではミネアが泣き崩れていた

この喪失感は何だろう

心の中ではどこかでは生きると思っていたのだ

なのに…

そう考えているうちに信じられないある言葉が耳に入ってきた

「ば…か…たれ…が」

俺は耳を疑った

この状況において…

しかも死んでしまったマ-ニャに何を言おうというのか…!

次に耳をすましはっきりと聞こえた


「勝手につきばしってそれがこのザマかい」

俺はこの声の主が分かった

「死んでとうぜ…」

「バ-!!!」

バ-バラああああああああああ!!!!

俺は振り向いてそう叫ぼうとした瞬間にツバサに口を押さえられた

「ワタル…本気でそう思ってるの?」

「ちゃんとバ-バラの姿を見て!」

そう言われハッとしてバ-バラの姿を見ると

下を向いていたので表情は分からなかったが

小さく震えながら拳を握りしめそこから血が出ていた

そうだバ-バラも辛いわけないのだ

最愛の娘といっていい存在を亡くしたのだから…

またしても俺は何てことを…

そう思い落ち込んでいるとツバサが声をかけてきた

「ワタル…バ-バラの気持ちを分かってあげて…」

「ああ…すまなかった…」

するとバ-バラが重い口を開いた

「お前たち!!」

「マ-ニャは約束とは違い…浄魔の儀式によって命を落とした…」

「これは運だ…」

「もちろん死ぬリスクがあったのだからフロ-ラルを責めない」

「そしてこの娘の決断したことだ…」

「それについては私は何も言うまい」

「でもこれでも信じられないかい!?」

「この娘がどんな思いをもってこの儀式を受けたのか分かるかい!?

「私だって本当は止めたかったさ!!」

「でも…!でもっ…!」

「止められるわけないだろう!!」

「うっ…」

それ以上は言葉が詰まってしまって話せないようだった

しばらくして声が聞こえてきた

「バ-バラ様…」

「私たちはマ-ニャの言葉を信じます」

「お前たち…」

「マ-ニャは命の覚悟を持って愚かな我々に教えてくれました」

「幹部のドクターベルケルやハイデルが相手でも

我々は命をとして仲間を助けにいきます」

「それがマ-ニャとの約束ですから…」

「うん…うん」

そうバ-バラが言った

「ありがとう…ありがとう…」

ミネアも泣きじゃくりながら感謝の言葉を述べていた

マ-ニャ聞こえるか…?

お前の想い…届いたんだ!

「マ-ニャ…」

みんながそう言いフロ-ラル様も涙したとき

その涙から光がフワ-っと空へと広がっていった

そしてその光は大きくなり人影が見えたような気がした

「はっ…!?」

フロ-ラル様とバ-バラが驚愕してるようだった

「お前は…シェリル!?」

シェリルとは誰だ!?

そうその場に固まっているとフロ-ラル様が言った

「あっあっ…お母様!?」

お母様!?

お母様ってフロ-ラル様の…?

でもバ-バラたちに殺されたのではなかったのか!?

「フロ-ラル…」

「お母様…どうして!?…どうして!?」

「ごめんね…フロ-ラル」

「私はみんなの思いによってここに来ることができたのです」

「思い?」

「そう…みんながマ-ニャのことを真剣に思い願ったからこそ

私はここにくることができた」

「それと私がいなくなって辛い思いをさせたね…フロ-ラル」

首を横にフロ-ラル様はふった

「初めは辛かったわ…でも私には大切な仲間たち…そして家族ができた」

「このみんなが私を勇気づけてくれる!」

「支えてくれる!」

「フロ-ラル…成長しましたね…」

そう言い抱きしめあっていた

するとバ-バラのほうへ向きなおった

「バ-バラ…」

「すまなかったね…」

「私にはどうしてもあの時白魔女を統べなきゃいけない理由があったんだ…」

「絶対的の強さのあるお前がどうしても邪魔だった…」

「ええ…知っていましたよ…」

「!?」

バ-バラは驚愕の表情を表していた

「なぜだ!?」

「あの事は誰にも言っていない…」

「お前が知るよしが…」

「死ぬときに…あなたの心を一瞬ですが感じたのです…」

「!?」

バ-バラの顔が歪む

「あなたの心は葛藤していました」

「焦り…」

「悲しみ…」

「強くならなければという思い…」

「おっ…おっ…」

バ-バラは自分の気持ちにただ1人気づいてくれている

シェリルに思いを馳せているようだった

それから

「すまなかった!!!」

バ-バラはシェリルに対し土下座していた

「いいんですよ…」

「お前を騙し…そして惨い殺し方をした…」

「私を…私を…許してくれるのか!?」

「私は白魔女と黒魔女が一つになることを願っていました」

「あなたも同じだった…」

「そして…マ-ニャへの思いがあったにせよ

それでもあなたのおかげで今一つになったではありませんか…」

「黒魔女と白魔女が」

「!?」

「周りを見てみなさい…バ-バラ」

みんながバ-バラのことを見ていた…!

「バ-バラ様…」

「バ-バラ様…」

「バ-バラ様…」

「ありがとう…ありがとう…」

バ-バラは泣いていた

「もうあの事を言ってもいいのではないですか」

「…そうだね…」

「それと私には時間がありません」

「分かった…」

「私がここにきたのは他でもありません…」

「みんなの思い願いです…」

「思いは強さ…」

「時にこの思いはなにものにもかなわない力を発揮します」

「あなたたちの思いは何ですか?」

そうシェリルは言い空が光った気がした

俺の思い…

そしてみんなの思い…

多分みんなの考えも1つであろう

俺はこう願った

「*****」

これからどうなるんであろうか

シェリルは何のためにここへ…

そしてバ…バラの秘密とは…?

まっすぐにシェリルの方を見た

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