黒魔女、白魔女編9

俺はマ-ニャが言ってることが理解できずにいた

あれとは何だ…?

覚悟とは…?

そう考えているとミネアが口を開いた

「あんた…まさか!?」

「うん…そうだよ」

そう笑顔で答えた

「絶対だめ!」

「死ぬかもしれないのよ!?」

バ-バラはじっと黙ってるようだった

しかし死ぬ…そして覚悟…

そう聞いてピンときた

「マ-ニャ…まさかお前!?」

そう訪ねると俺のほうを振り返り答えた

「うん、そうだよ…私は…浄魔の儀式を受ける!!」

「!?」

ザワザワ

回りはザワついていた

当然の結果だ

誰もマ-ニャが浄魔の儀式を受けるなんて考えもしなかったからだ

「マ-ニャ…」

「ごめんね…お姉ちゃん…」

「私…決めたの!」

ミネアのほうを見ると諦めたような表情をしていた

「お願いします!…フロ-ラル様!」

「あと皆さん…この覚悟で信じて欲しいのです」

「私の話を…!!」

「本当にいいのですね?」

そうフロ-ラル様が聞いた

「はい…お願いします!」

一瞬フロ-ラル様は目をつむり答えた

「分かりました」

そして黙っていたバ-バラが黒魔女に言った

「お前たち!」

「マ-ニャの覚悟をしっかりと目に焼き付けておきな!」

「浄魔の儀式がどれくらいのものか分かってるだろ」

「それでこの話が本当かどうか判断しろ…」

「これでいいね…マ-ニャ?」

「はい…ありがとうございますバ-バラ様!」

「皆さん今から浄魔の儀式を始めます」

「中央を空けてください」

みんな固唾を飲みながら中央をあけた

「ありがとうございます」

「マ-ニャ…私の前へ」

「はい」

マ-ニャの頭に手をかざしこう唱えた

「暗神(くらがみ)よ…この子の力を解き放ちそして与えたまえ」

「フワル…ザソ-ナ…コンコルディ!」

「うっうっあああああ!!!!」

マ-ニャの苦悶の表情に驚きミネアを見た

ミネアは俺の意図を察したようで語りだした

「そう言えば言ってなかったね…」

「浄魔の儀式は…この世のものとも思えない

激しい痛みや苦痛もともわなければない…」

「文字どおりの意思と覚悟を試されるのさ…」

「この痛みや苦痛に耐えきれず死んでいった者も

今までたくさん見てきた…」

「そんな…」

「ゥッ…あ゛あああああああ!!」

マ-ニャの余りに苦しそうな苦悶な表情に目を反らしそうになる

その時…

「目を反らすんじゃないよ!」

そうバ-バラが言った

黒魔女たちも自分と同じようだっ

「しっかりと目に焼き付けておきな!」

「マ-ニャの意思とその覚悟を…!」

バ-バラは黒魔女たちに言ってるようだったが

自分に言ってるように聞こえた

そうだ俺は見届けなければならない…

俺は真っ直ぐにマ-ニャを見ることにしま

もう何分たったであろうか…

この時間は無限にも感じられた

「うっうっ…」

マ-ニャが生きき絶えだえになってるのが分かる

マ-ニャ…頑張れ!

俺は心の中で本気で願った

その時ある変化が起こった…

「マ-ニャ…が・ん・ば・れ」

そう確かに黒魔女の1人が言った

あれだけ疑心になっていたマ-ニャにそう言ったのだ

それから奇跡がおこった

黒魔女のみんながそう言った

「マ-ニャ頑張れ!」

「マ-ニャ頑張って!」

「死んだら許さないからな!」

「苦痛なんかに負けるな!」

「頑張れ!」

そうみんな励ました

「み…ん…な」

「ありっ…うっ…!」

「がとう…」

みんなに少しでも心配かけまいと気丈に降るまってるようだった

それからしばらく経って事態が急変した…!

「マ-ニャ!」

いても経ってもいられず俺はそう必死に呼びかけた

「ワ…タ…ル…」

「なんだ!?」

「ご…め…ん…ね」

「わ…た…し」

「もう…だめ…みたい…」

「何を言ってるんだ!」

「こんなものに負けるな!」

大粒の涙を流しながらそう俺は励ましていた

「うん…」

そう力ない笑顔で笑った

「お…姉…ちゃん…」

「バ…バ…ラ…さま」

「何!?」

「何だ!?」

「ごめ…ん…な…さい」

そう力ない言葉で言いマ-ニャは静かに目を閉じた

「マ-ニャ!?」

俺は目の前の出来事が信じられなかった

何も言えずその場に固まってしまった

「どきなっ!」

その時一目散にバ-バラがマ-ニャの元へ駆け出した

「死んでる…」

首に手を当て静かに力ない言葉でそう答えた

「そんなっ…」

「うそよ…ウソよっ!」

「実験室に私達みんなで助けに行くんでしょう!?」

「そう…約束したじゃない!」

「いやあああああ!!!!!」

そう言いその場へ崩れ落ちた

俺は目の前が真っ暗になった

心の中ではどこかで信じていたのかもしれない

死ぬわけないんだって

しかし…しかし…!

その場全体が重苦しい雰囲気に包まれた

この先どうすればいいんだろう

涙を流しながらそれを誤魔化すように静かに空を見上げた

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