黒魔女、白魔女編6
みんなの方を振りかえってフロ-ラル様はこう語った
「今から皆さん出発の準備をしてください」
「しかしこれから黒魔女との全面戦争になるかもしれません…」
「当然戦争をするなら死ぬこともあるでしょう」
「全滅もありえます」
「抜けたい人は抜けてください」
「強制はしません」
「この状況ですから抜けたって誰も文句は言いません」
「5時間後に覚悟のある人だけまたここに集まってください」
「今までこんな私についてきてくれてありがとう…」
「最後に抜けた人は…どうか…いつまでも…しあ…わ…せに…」
「…これにて一旦解散します」
5時間後…
重い空気の中各々それぞれの部屋へ戻って
ツバサとも一言も話さずにいた
白魔女のみんなはついてきてくれるだろうか?
死にに行くようなものだ
誰だって生きたい
フロ-ラル様が言ったように抜けても誰も責めない…
誰も文句は言わない…
でも…
そう不安がよぎりながら集合場所の前に来たらミネア、マ-ニャ、バ-ジェットがいた
辺りが一面一切何の音も聞こえずシ-ンと静まり返っている…
まさか集まったのは俺たち5人だけか!?
そう不安がよぎりながらもギーっと扉を開けた
開けた先を見た瞬間…!!
「ミネア!」
「ふっ…」
「マ-ニャ」
「…はい!」
「ツバサ!」
「うん!」
「バ-ジェット!」
「ったり前だ!」
場面は変わって…
フロ-ラルの心の中
「お母様…私はうまく白魔女を今までまとめてこれたでしょうか?」
「よきリ-ダ-としてみんなの手本としていれたでしょうか?」
「突然お母様が亡くなって私は混乱しました…」
「でも白魔女を率いていかなければならなくなり
無我夢中で今まで頑張ってきました…」
「私は死ぬかもしれません…」
「しかし私の子供たち…白魔女のみんなには生きていて欲しい…」
「でも…勝手かもしれません」
「身勝手かもしれません」
「しかし心の片隅のどこかで今まで戦ってきた仲間みんなと最後まで戦っていたい!」
「そう思うのです…!」
不安を押し殺しながらも扉の前にきた
辺り一面静寂に包まれている
誰の気配も感じない
もしかして誰もこなかったのでしょうか…
そう頭の片隅によぎりながらも扉をソーっと開ける
その扉を開けた瞬間…!
フロ-ラルはその場で泣き崩れた
嗚咽に似た泣き声がその場に広がる
「うっうっ…」
「うぇ…うぇっ…」
「うぇっ…うぇっ…」
しばらくして…その場に何とか立ち上がりこう問いかけた
「みんな…本当にいいの?」
「死ぬかもしれないのよ?」
そこには誰1人欠けずいっしんにフロ-ラルを見つめるみんながいた!!
するとワタルがこう答えた
「フロ-ラル様!」
「心配しなくてもいい…これがみんなの答えです!!!!」
「フローラル様…」
「フロ-ラル様!!」
「フロ-ラル様!」
「私たちは死ぬときもフロ-ラルとお供します!!!!!」
「にひひ…フロ-ラル様…」
「みんなこう言ってるぜ?」
満面の笑みでワタルがそう答えた
ミネア、マ-ニャ、ツバサ、バ-ジェットも笑顔だった
「ありがとう…ありがとう…」
しばらくして…
フロ-ラル様はこう答えた
「みんな!ついてきてくれてありがとう!」
「そしてマ-ニャ、ワタル、ツバサ、バ-ジェット…」
「私たちの誓いの儀に参加してくれますか?」
「私でよければ!!」
「もちろんです!」
「はい!!」
「ったり前です!!」
「我ら一同死する時も一緒!」
みんなで復唱
「我ら一同死する時も一緒!!」
「生きる時も一緒!」
「生きる時も一緒!!」
「この身が滅びようとも…」
「この身が滅びようとも…」
「全てをわかちあう事を誓わん!」
「全てわかちあう事を誓わん!!」
「行きましょう…約束の丘へ!!!」
「おおおおおお!!!!」
この世界全体が揺れた気がした
フロ-ラル様がこちらへ振り向きこう答えた
「みんな…ここの出口はこっちです!」
いよいよここから出るのか…
黒魔女相手にどこまで戦えるか分からない…
しかし、そもそも目的としては黒魔女と協力して
一刻も早くドクターベルケルと暗黒魔道師ハイデルのいる実験室に
捕まっているみんなを救いに行くことだ
しかし向こうで実験室の話をしても信じてはもらえないだろう
それと黒魔女と白魔女…
そしてフロ-ラル様とバ-バラ…、ミネア、マ-ニャの切っては切れない因縁の話もある
その事の方が大事だ
それを軽んじて先にいくことはできない!
今は目の前の事に集中しよう…!
そして戦闘になるなら命をかけて戦う…
そう思いこの場をあとにした
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