二章・17
「始めまして。本日担当を勤めさせて頂きます、田中と申します。どうぞおかけになってください。この度はどのような御用、件、…………で、」
「やあどうもタナカ! 私だよ覚えているかな、グヤンヴィレド・ベル・オウルだ! 先日無事に新たな皇帝へ冠を譲り終えめでたく身軽になったのでね、新しい世界にて見識を広げるべく縁ある恩人の住む地球へ転生したというわけさ! 今日会いに来たのはその挨拶と相談の為でね、あと二回の転生をどのように使うのが最も有益――――いや、“面白いか”の意見を、尊敬する君より伺いたく思う! はっははははは、どうかこれからよろしく頼むよ、兄弟!」
「はい! 成程! わかりました! 申し訳ありませんが転生先異世界のご相談はあちらにあります異世界コンサルタント科でお願い致しますね!」
今日も今日とて頭痛がする。
目の前に現れた、元皇帝のあんちゃんの扱いを、田中は全力で同僚にブン投げた。
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