第4章

第27話 隆史とトキワ

 いや~疲れましたよ…あんなに走ったの久しぶりですよ。オレは、先生の手伝いで差し押さえの登記が入るか、所有権移転登記が入るかで大変な経験をした。この経験値は高いぞ!よし、レベルアップと考えよう。オレはレベル2上がった。(頭の中でレベルアップのBGMを流す。)まあ、なんでレベル2上げたんだろう?何でだう…何でだろう…考えても仕方が無い。そんな気分だからだな。

 自宅までは電車で千葉駅まで行き、千葉駅から歩いて自宅へと戻る。そして、自宅に着く。なんとそこには………………


 トキワがいた…え~~~~~何で!?しかも、母さん玄関で土下座している。妹さやかは、じっとトキワを見ている。オレは

「ただいま……。母さん何で土下座しているの?」

「あ~ら隆史。お帰り。まったく、隆史はすみにおけないわね。」

「どうして?」

「こんな美人なボーイッシュ女の子どうやって知り合ったの?」

母さん、なんか間違っておりません?トキワが

「隆史。あの人、お母さんなの?」

「はい。そうです。」

母さんが驚く。

「もう、呼び捨ての関係なの。ちょっと、待ってて。お赤飯の準備するわ。」

オレは少しげんなりした表情で

「母さん。多分、トキワから紹介があったと思うけど、この方はトキワさんです。そういう関係ではありませんよ。」

「え~~~~。そうなの。あまりにもうれしすぎて、土下座しちゃったわよ。とりあえず、夕飯準備するね。」

「お母さん。だって、お兄ちゃんだよ。そんなこと起きるわけないじゃん。」

あれ~。妹よ。結構傷つくこと言うのではありませんか。

「トキワさんだっけ。初めまして。私、愚兄の妹のさやかです。よろしくね。」

妹が笑顔でトキワに言う。トキワも笑顔で

「はじめまして。さやかちゃん。隆史の妹さんなの?ありえない…かわいいよ。」

「ありがとう。トキワちゃんって呼んでいい?」

「いいわよ。話が合いそうだね。今度、一緒に遊びましょ。服がかわいいから今度コーデ教えて。」

「ありがとう。いつでも教えるよ。トキワちゃん。スタイル良いから何でも似合うわよ。」

おいおいおいおい…オレが置いてけぼりですぞ。トキワとさやかが同盟でも結ばれたらオレ死ぬぞ。トキワには殴られ、威圧され、さやかには精神的攻撃がくる…間違いなくヤバイ…。オレは話をとぎらせるかのように

「まあまあまあ。とりあえず家に入ってよ。」

そういうとトキワは

「そうも行かないんだよ。ミサキ姉さんが…」

「ミサキがどうしたの?」

オレは少し驚いたかのようにトキワに聞く。そこに母さんが走ってきて

「ミサキさんって!!??」

母さん…走ってまで来ないでよ。

トキワが

「私の姉さんです。」

「ミサキさんってどういう御方?」

「はい。とてもきれいな方ですよ。妹の私が言うのも何ですが…」

「そ~~~~~なの。今度、連れてきて。」

「はい。今、ミサキ姉さんが大変で、隆史さんの力が貸してほしいのです。」

母さんが即答で

「隆史。行きなさい!ほら、今すぐ!」

「母さん。まだ、夕飯が…。」

「そんなことはどうでもいいわ!い~い?隆史。女の子が困ってるんだから、助けに行かないといけないの!しかも、隆史の力が必要なんでしょう。だったら尚更よ。」

母さんが力を込めてオレに言った。さやかも

「お兄ちゃん。行ってらっしゃい~。」

お~い。帰った途端、行ってらっしゃいですか…。しょうがないな。ミサキが困ってるんだ。行くか!!

「母さん。行ってくるよ。」

「はい。行ってらっしゃい。」

「お兄ちゃん。行ってらっしゃい。」

オレとトキワが自宅を出る。その途端二人が


『今度、ミサキさん連れてきて~』


トキワが

「今度、みんなでそちらに行きます。」

手を振って答える。


みんな!?大変なことになりそうだぞ…


歩きながらトキワに

「魔界のことは言ってないよね。」

「ええ。言ってないわよ。」

「ミサキがどうしたの?」

「今、大変なことが魔界で起きているの。反乱って言って良いのかしら?」

「魔界全体の反乱?」

「違うわよ。魔界の会社の反乱と言った方が正しいかも。」

「魔界の会社?」

オレはハテナになる。まあ、いいとりあえず行かないとな。


オレとトキワは魔界キタナラシノへ向かう。今度はどんなことが起きるのか……

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