超サバイバル研究部:拝み屋と見える人

守谷ユイ

黒沢暁の章

プロローグ

——君は今の日常に疑問を持ったことがあるだろうか。

 ただの疑問ではなく、いざ、という時にどうなってしまうのか。もしも、こうしていたら、どうなっていたんだろう、といった疑問だ。そして、そういったシチュエーションになったら、どうしようと考えたことはあるかもしれない。

 地震の時に、エレベーターに閉じ込められること。いきなり事件の犯人として疑われて捕まってしまうこと。テロリストが学校を襲ってきたら、こうやって撃退するのに。街にゾンビが現れたら、まずは食料店に引きこもるよ。それぞれ誰もが自分なりに、こうしたい、こう在りたい、こうなりたいというものがあると思う。


 とっておきの話をしよう。

 そういったシチュエーションを考えて、未然に防ぐために。あるいはいざという時に論理的に、訓練を重ねて、どんな時でも生き延びる。そういったことを真剣に考えて、そんないざという時の為に創りだされた阿呆みたいな部活があった。

 超サバイバル研究部、名前だけ聞くと頭の悪いと思われそうな部活であるが、それが認められているということは、それなりの理由があって欲しいと思うだろう。

 これは、そんな部に縁があったのか、関わってしまった黒沢暁が巻き込まれていった出来事の話だ。



 それは、とある暑く、寒い夏の日のことであった——

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