第35話 勇者の仲間
「パラララッパ、ラッパー! サキエルが仲間になった」
「パラララッパ、ラッパー! シャムネコが仲間になった」
「おいおい。てめえ、ふざけんなよな。シャムネコじゃねーよ。仲間の名前が固定されちゃうだろ。俺はシャムシエル。シャムネコはダメ。それになんだラッパー、ってアホじゃん。やり直し!」
「良いだすよ。そんなことは、どうでも!」
「良くねーよ」
「細かいだすなー、ジャムネコは。そんなんだからモテないだすよ」
「関係ねーだろ、そんなことは。さっさと名前と音、直せよ」
「えーー、もうラッパしまっちゃっただす。直せないだす」
「ふざけんなよな。お前だけだよ。それで良いとか言うのは」
「そうだすかー。神様ぁ~、良いだすよね?」
「あのさー、お前ら、さっきからラッパ吹いて何してんの? 物語の頭から出てきて何してんの? いつまでも何してんの? の四天王寺だよ、3つだけど。なんちってだよ。さっさと天界に帰れよ。いつ、誰が仲間にしたの?」
「こいつだす」
「こいつだね」
「うん! 僕! ビカム!」
「ふたりで示し合わせたようにバカを指すな。何でビカムが許可してんだよ。神様聞いてねーよ。それにバカ3人も連れて冒険できねーよ。大変なことにしかならないよ。なんで着いてくるのかなー」
「またまた~、嬉しいくせに。ツンデレ神様なんてキモイだすよ」
「そうだよな~。内心はキャホーのくせにさー」
「うん! 僕! キャホー!」
「誰を突っ込めばいいの? それさーどいつに突っ込み入れればいいか分かんねーよ。3バカトリオ結成すんなよ。あっ、そういえば、そんなことより狸耳娘たちはどうしたんだよ。お前らお仕事さぼって逃がしたのか!」
「そんなこと、しないだすよ。サンちゃんに預けてきただす」
「うんうん。あとはよろしくーって言ったよなー」
「じゃ、ま、そういうことで。魔王退治はよろしくー」
「もうさ、とりあえず、ビカムは無視ね。話しがややこしくなるからね。で、サンちゃんって誰? 誰に預けてきたの? またバカやって敵の手に渡したんじゃないだろうな。もし、それしてたら、お仕置きだからね」
「疑り深いなー。うちら天使だすよ。神に仕える聖なる存在だすよ」
「そうだよな。サンちゃんは三途の川のばあさんですよ! いやだなー。疑うなんて」
「うんうん、神様ってそういうやつだからさー!」
「えーーっと、ビカムは腹立つけど無視ね! って、お前ら、三途の川って全員やっちゃったの? 鬼畜天使全開?? どこが聖なる存在だよ。とんでもねぇ鬼畜やろうじゃん。やっぱこいつら堕天させないとダメかねー?」
「違うだすよ。誤解だすよ。奴らをサンちゃんに渡しただけだすよ」
「そそそ。じゃ、ま、そういうことで。ピューーー! ってだけだよな」
「上手い。でも、ざぶとんは1枚だなー」
「どこが上手いんだよ。バカビカム! なにがピューーーだよ。それ逃げてんじゃん。丸投げしただけじゃん。あとで閻魔様から苦情くるよ。神様が叱られるよ。何してくれちゃってんだよ。バカ天使!」
「へっへっへっ。そこは抜かりないだすよ。バカじゃないんだから」
「ふたりとも『吸血姫用バニーのづら』被ってましたから、バレませんよ。サンちゃん、きっとカチカチ山のうさぎかなーって思っていますね。うんうん。何も言ってませんでしたからね」
「え! ウサ耳姫なの?」
「やっぱバカだ。こいつらアホすぎる。羽が生えてて、全裸でバニーのづら被ってバレないのって、相手がビカムのときだけだよ。サンちゃんもそんな変なの来たら唖然、呆然で絶句するよ。本当に使えねー天使だな! お前らは」
「あーーー、パワハラだす。録音するだす。裁判沙汰だす」
「録音OK。あとは労働基準局に持ち込んで、弁護士さん探そう」
「おおお。さすが魔王を倒す天使。お仕事早いなー」
「ムカつくねー。3バカで来られると、ほんとーーーにムカつくねー。どうしてくれよう。このバカども。って、物語が一歩も進んでねーよ。情報収集もできてねーよ。……でも、さすがに神様、疲れて来たよ」
「あんまり無理するとポックリ逝くだすよ!」
「そうだよなー。ポックリにポックリするよなー」
「でも、ポックリも幸せポックリかもねー」
「何がポックリにポックリするよだよ。幸せポックリってなんだよ。どんな意味だよ。新しい日本語作ってんじゃねーよ。お前らのは、早く逝けっていう、悪意しか感じられねーよ! サイテーなやつらだね」
「アハハハハ。神様、うちらに心配されたんで照れてるだすよ」
「うんうん、一日一善。今日も頑張ったなー」
「幸せポックリが照れポックリだね」
「照れてねーよ。悪意を向けられて照れるやつなんていねーよ。今日はまったく物語が進まなかったじゃん。バカトリオ結成っていうマイナス成果だけだよ。……でも、もう仕方ないね。バカども連れて進めるしかないね」
「「「じゃ、ま、そういうことで、お休みなさーい」」」
「なんか、もの凄く冒険のハードル上がってるんですけど……。ひどいよね、神様に優しくないよね、この展開! 3人揃ってお休みとか言っるし……。おい、お前ら、お休みはないからね。ほら、行くよ!」
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