*調整
穴の開いた円柱形をしたレンコンのような塊が真ん中についている。そこに弾薬を詰め込み使用する拳銃だ。
オートマチック拳銃とは違い、カートリッジの装弾数は少ないが弾詰まりをほぼ起こさない。仮に起こっても
リボルバーは手動で
瞬時に弾丸を放てるという速射性も加えてリボルバーは信頼できる銃だと言える。
もしもの時の銃、ベリルはそれをダグラスに渡した。戸惑えばそれだけ動作が遅れて危険が増す。それを回避するうえでも、持てる場合は持っていた方がいいものだ。
少年は嬉しそうにショルダーホルスターを眺めて装着し、自分に合うサイズに調整した。
ナイロン製はある程度の体格差に対応出来る点が革製よりも柔軟だといえる。価格においても革製品よりお手軽だ。
リボルバーは常備使用のものではないため予備の弾薬は戦闘時には持たない。とはいえ、数発はポケットに忍ばせる事は基本としている。
「……ふふ」
ダグラスは脇に当たる硬い感触に口元を緩めた。武器を余分に与えられたという事は、今までよりも戦闘の多い状況を許可してくれるという事なのだろうか。
これまでは遠いキャンプでの待機か後方支援がほとんどだったけれど。自分は十五歳から戦場にいたくせに、なんて不公平なんだと思っていた。
もちろん、今回の件についての事でもあるのだろう。警官を動かさなければならない状況において、最もお互いを知る間柄の二人は連携を密にしなければならない。
ベリルの動きを全て把握しきれる訳ではないが、多少なりとも解っていると自負している。彼の動きを完全に予測出来るほど甘くはないと思っているし、そうでなければベリルが「素晴らしき傭兵」なんて呼ばれるはずがない。
子供の頃に憧れたそのままの姿で目の前にいる。なんとも不思議な感覚ではある。
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