クラゲで試行錯誤編

ローラの母乳でレベルアップ?!

「あー……ちょっと頭いてぇなぁ」


 ツノフグのヒレ酒を飲んだ次の日の朝。

 オレは頭が痛かった。

 いわゆる二日酔いである。


「ケーマさん、お水です!」

「もももっ、もしも布団や枕が硬いようなら、わっわっわっわっ、わたしのヒザ枕でも……」


 フェミルやロロナが気遣ってくれた。

 ローラが、言いにくそうに言ってくる。


「ず、ずいぶんとぉ……。お酒、弱くなっちゃったみたい……ね?」

「鍛えた耐性は、全部オマエにやっちゃったからな」

「やっぱり……そうなんだぁ。あははは、はは……」


 ローラは決まり悪げに言うと、しばしオレから目を逸らす。

 だがやがて、意を決したかのように叫んだ。


「アタシのことを食べてもいいわよっ!!!」


「は……?」

「だ、だから、食べても……いいわよ?」


 マジかよヤッター。

 オレはローラをベッドに引き込み、うっすい服を剥がしにかかった。


「きゃあああああああああ!!!

 ちょっ、いやっ、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 ローラはじたばたと暴れ、オレはビンタを食らってしまった。

 オレの下から抜けでたローラが、身をかばいながら叫ぶ。


「なに考えてるのよっ!

 ケーマのバカッ! スケベ! ケーマのケの字は、ケダモノのケねっ!」


「食っていいって言ったのオマエじゃん」

「それでどうして、服を脱がしにかかるのよっ! 意味わかんないわっ!!」

「それが意味わかんないなら、『食べていい』はどういう意味だったんだ?」


「それはもちろん、髪とかツメのアカとかのお話よっ!」

「よくわからんが……ツメのアカ食わせるって相当にひどい嫌がらせだな」

「ちがうわよっ!」

「それならどういうことなんだ?」


「ケーマって、アタシのせいで毒耐性スキルがなくなっちゃったでしょ?

 それならアタシをちょっぴり食べれば、すこしは取り返せるんじゃないかなーって」

「そういうことか」

「そういうことよっ!」


 ローラにしては、スジの通った意見であった。

 どこまで回収できるかは不明だが、試してみる価値がありそうではある。

 ただひとつ、大きな問題がある。


「仮にスキルを取り戻せるとしても、髪やツメのアカはちょっとなぁ……」

「そっか……」

「確かにわたしも、髪を食えというのはな……」

「抵抗がありますです……ぴょん」

(こく………。)


 ロロナやフェミルに、マリンも完全に同意していた。

 当然とも言える反応だ。

 それなので、オレは言った。


「だから母乳にしよう」


「ふええっ?!」

「でないのか?」

「でっでっでっでっ、でないわよ!!!」


「どうしてわかる?

 吸ったり揉んだり絞ったりしたら、意外とでるかもしれないぞ?

 フツーならまず無理だろうけど、オマエは特別な女神だからな。特別にでたっておかしくはないんじゃないか?」


「確かにアタシは特別だから、フツーの子にはできないことができてもおかしくはないけど……」

「じゃあ吸ってみるか」


 オレはローラににじり寄る。


「ダメよダメダメ、ダメえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


 ローラは胸を右腕で隠し、必死に首をブンブン振った。

 手近にあった、枕や皿も投げつけてくる。

 オレはことごとくを、キャッチしては地面におろした。


「吸うのがダメなら、絞るのはどうだ? 意外とでるかもしれないぞ?」

「ふええっ……?!」


 想像してしまったのだろう。

 ローラは真っ赤になっていた。

 かわいい。


「フツーはありえないと思うけど、アタシはすごくてフツーじゃないものね……?

 もしでたら、本当の意味でトクベツで国士無双っていうことよね……?

 もうトクベツを超えて、奇跡の女神を名乗ることもできちゃう勢いよね……?」


 オレのローラは、頬を染めつつそっぽを向いて、そんな風につぶやいた。

 でもちょっと待て。

 いいのか?

 それでいいのか?


『母乳がでるからすごい』って理由で尊敬される女神で、本当にいいのか?


 いやでもいくらなんでも、そこまでアホじゃないだろう。

 気の迷いでそう思いつつも、最後は『いやでもありえなくないっ?!』とセルフ突っ込みをするに違いない。

 なんて風に思っていたのに――。


「ちょっとだけなら、構わないわよ……?」


 と言って、首元をいじった。

 白い布がふさあっ……とはだけ、生のおっぱいがポロンとでてくる。

 デカい。

 ローラのバストは豊満である。


「マリンよ、隣の部屋で遊ぼう今すぐに!!!」

「わたしもわたしも、お供いたしますですぴょん!!!」


 ロロナとフェミルは、逃げるように立ち去った。

 意味がよくわかっていなかったらしいマリンも、ロロナに連れられ移動した。

 子供には見せられない光景が始まる、と判断したらしい。


 そうしてオレは、動じないケーマさんである。

 栄光とおっぱいは、自らの手で掴み取りに行く男だ。

 たぷたぷのおっぱいをもにゅもにゅと握りしめ、乳首をキュッキュと絞らせてもらった。


「ふひぇえぇんっ! やっ、はっ、んっ……。

 ふえぇぇぇぇぇんっ!!」


 母乳は全然でなかったけど、あえぎ声はたくさんでてきた。

 満足である。



――――――――

今回のネタは、「ローラの髪を食べたらスキルを回収できたりしませんか?」というコメント欄から着想を得て書きました。

ありがとうございます。


ほかにも「こんなネタが見たい」、「こうしたら○○できない?」みたいなのがあったらお気軽にどうぞ。

イケると思った場合は、使わせていただきます。





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