食べるだけで、水と風の魔法を習得!
オレたちは、リリナから接待を受けた。
高い果物や山菜料理などのついでに、風水芸を見せてもらう。
色のついた水を、風の魔法で花火のように散らす妙技だ。
料理はおいしく芸は楽しく、最高の時間であった。
けっこうレアな食材もあったらしくて、レベルもあがった。
レベル 1391→1481
HP 12473/12473(↑640)
MP 11574/11574(↑620)
筋力 11281(↑631)
耐久 11242(↑600)
敏捷 11199(↑622)
魔力 10732(↑630)
習得スキル
風魔法LV1 1/50
水魔法LV1 1/50
まさかの習得にテンションがあがる。
フェミルにも覚えさせようと思ったが、オーバーユースになりかねないのでやめておいた。
夜には個室でひとり寝る。
葉っぱのベッドは、ハンモックのような浮遊感があった。
とてもいい気分で眠った。
朝がきた。
爽やかな気分で伸びをする。
ローラやフェミルと合流し、事前に紹介されていた食堂へと向かう。
「注文の品を持ってきたよ」
リリナの左右にいたエルフの少女が、それぞれ服をだしてきた。
普通の服に、ワンピースである。
「ケーマ少年は普通に着込み、フェミル嬢はローブの下に着込めばよいと思うね」
「えっ……?」
「ん?」
オレが戸惑うと、リリナも眉をしかめた。
「ローラ嬢から指示を受け、夜を徹して作ったのだが……」
「体を守る大事なものなら、ケチケチしないほうがいいと思って……」
「だからって、なんで勝手に決めてるんだよ」
「しっ……信者の安全を管理する、内助の功的な?」
「内助の功って、そういう意味じゃねーし!」
「えっ……そっ、そうだっけ?」
「そうだよ。正しい意味は検索しなくて構わないから、ほっぺたをつねらせろ」
「みゃああっ!」
ローラは叫ぶと、つねれられる前にさがった。
ほっぺたを押さえて言う。
「ケケケ、ケーマだって言ってたじゃない! 善処するって!!」
「善処するっていうのは、『判断が難しいから、しばらくは保留』って意味だぞ!」
「なにその言語! わけわかんないっ! どこの国の世界の言葉よおぉ~~~~~!!」
「どっちにしても、オレに無断で決めてんじゃねぇよ!!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさ…………ふえぇ~~~~~~~~~~~~~~~んっ!!!」
ほっぺはガードしていたローラは、黒髪のツインテールを引っ張られた。
オレはチラりと、用意された服を見る。
予算の都合で二着しか買えない服は、オレとフェミルのふたり分。
ため息をつきつつも、ローラから手を放す。
「まぁ、今回は許してやるよ」
「髪の毛を引っ張って言うセリフッ?!」
「許してないなら、スカートめくってお尻ぺんぺんしてるとこだが?」
「ケーマのドエスっっ!!
アタシは本気で心配して、服作ってもらうようお願いしたのにっ!!!」
「それはサンキュな」
オレはローラの頭を撫でて感謝を示した。
「ばか……」
ローラはぽつりとつぶやくが、頬を染めて大人しくなった。
オレはフェミルは、ミスリル糸の服を着た。
素材はしっとりと軽く、水の羽衣を着ているかのようであった。
村の出口のほうに行く。
ドワーフっぽい男たちが、馬車に積み荷を運んでた。
そしてロロナが立っている。
「フン……。帰りもいっしょか」
「よろしくねっ!!」
アホ女神ローラは、露骨に眉をひそめるロロナの両手をギュッと握ってブンブン振った。
「離せっ!!」
ロロナは、ローラの手を振り払い、前蹴りを入れて吹き飛ばす。
「きゃっ!」
「わたしはわたしはオマエのように、なにもしないクセに愛されてるような人間が一番嫌いだっ!」
その目には、強い憎しみと悲しみに、罪悪感が籠っていた。
ローラという存在を許せないと思うと同時に、蹴り飛ばしたことを悪いと感じてもいる様子だ。
だからって、蹴り飛ばすのはひどいだろう。
そんな風に思ったが――。
「ほわあぁぁんっ……♥」
当のローラは、うれしそうだった。
起きようともせず、寝そべったままオレの足元にくっついてくる。
「ねぇケーマ。聞いたぁ? ロロナちゃんはアタシのこと、なにもしなくてもいろんな人に愛されちゃうぐらい、国士無双な魅力に溢れた女神さまだって認知してくれてるみたいよぉ♥」
(そう取っちゃうのか!!)
「はあぁー……。わかってる。ロロナちゃん、わかってるわあぁ……♥」
なにもわかっていない駄女神は、ひとりわかって恍惚していた。
「あの子って、絶対アタシが大好きよねえぇ……」
オレは戦慄を禁じ得ない。
ここまで異次元なコミュニケートが、かつて存在していたであろうか。
「ロロナちゃんの気持ちを無駄にしないためにも、全力で怠けましょう!
ケーマ!!」
ホントにすごいなこの女神。
オレはある種の敬意を抱いて、後ろの馬車に乗り込んだ。
◆
馬車の旅は、順調に進んだ。
とにかくロロナが強いので、オレたちはなにもしなかった。
お寿司のような形をしているイチゴを食べたり、星のような形をしているメロンを食べたり、剣の手入れをしたりして過ごす。
「最高ね……♪」
「そそそっ、そうですね……」
ローラは心の底からくつろいでいたが、フェミルは杖を抱いて緊張していた。
「どうしてそんな緊張してるの?」
「リリナさんが、言っていたじゃないですか……。謎のモンスターがいるって……」
「だけど事件が起きたあと、調査隊の人たちが調査してもなにもなかったんでしょ?」
「そういうお話では、ありますが……」
ローラに恐縮しているフェミルに、オレは言った。
「能天気すぎるのは困りものだが、緊張のしすぎもよくないぞ?」
「はっ……はいっ…………」
フェミルは静かにうなずくが、まだガチガチだった。
オレは剣に小枝を触れさせ、切れ味を確かめた。
スパッと切れることを確かめて、鞘に納める。
剣はいい感じだし、次は魔法の確認をしよう。
「ローラと並んで立ってもらえるか?」
「はい……」
フェミルはローラと並んで立った。
オレは魔力を集中させた。
イメージを固めて、呪文を唱える。
「ウインド!」
風が吹く。
パンツをはいていないローラと、はいているフェミルのスカートがめくられた。
ふたりはしばし、なにがあったのか理解できていない様子であったが――。
「「きゃあああああああああああああああああああああああああっ!!!」」
気づくと同時にスカートを押さえた。
美少女がスカートを押さえている姿は、よいものである。
「なに考えてるのよっ! ばかっ! えっち! スケベ!」
「みみみみっ、見たいんだったら言ってください!!」
ローラは真っ当に怒ったが、フェミルは真っ赤になりつつも従順なことを言った。
それでも風でめくられないよう、両手でがっちり押さえてる。
かわいい。
「アアアッ、アタシも、ケケケッ、ケーマがどうしてもって言うんなら、考えてあげなくも……」
「オマエはいいや」
「どうしてっ?!」
「オマエのスカートって考えると、嫌がるところを無理やり脱がすシチュエーションじゃないと楽しくない」
「どれだけ変質者なのっ?!」
「無理やりがイヤなら、普通におっぱい触らせてくれ。おっぱいだったら、無理やりじゃなくても楽しい」
「もう…………えっち」
ローラは渋い顔をしたが、それでも隣に座ってくれた。
「カカッ、カンチガイしないでよ?
さわらせてあげるのは、アンタが信者でいてくれるから……なんだからね?」
「わかってるって」
オレはローラを膝に乗せ、抱っこしながらおっぱいを揉んだ。
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