いろんな子たちと、えっちぃことする。

 駄女神かわいいよ駄女神。

 体のあちこちさわっちゃうよ駄女神。


「ひゃあぁんっ! あンッ、さわりすぎだってばああッ! ケーマまぁンッ!」


 もがく駄女神がとてもかわいく、不必要にさわりまくった。

 性欲や肉欲というよりは、セクハラされて嫌がる姿がかわいい。

 そんな動機で、いじっていると――。


「ケーマさまぁ!」


 宿屋の店主の金髪ドリルお嬢さま――アーシャがドアを勢いよくあけた。


「このわたくしと、夜のお酒の旅にでかけませんことおぉ?!」


 威勢よく飛びこんできたアーシャは、オレとローラを見つめて固まる。


「おっ……おがんばりなさるところで、ございましたか……?」

「ちがうわよっ!」


 ローラがすばやく否定した。


「ケーマはスケベでえっちくって、アタシにひどいことするけど定期的にやさしくって頭もいいだけなんだから!!!」

「ほめているように聞こえるのですが……」

「とととっ、とにかくそういう関係じゃないの!

 ちがうのっ! ちがうのおぉ!!」


「ケーマさまを夜のお酒にお誘いしても、およろしいということですか……?」

「もちろんよっ! むしろジャンジャン飲みまくっちゃって!!」

「オレも構わないが……」

「了解ですわぁ!」


 アーシャは、満面の笑みでうなずいた。

 一度廊下のほうにでて――。



 小さなタルを持ってくる。



 高さは四〇センチ程度で、幅はアーシャでも抱えることができるぐらい。

 しかし小さいと言っても、タルはタル。

 50リットルは入ってそうな気がする。

 しかもアーシャは、それをみっつ持ってきた。


「わたくしを負かすことはできなかったケーマさまですが、わたくしと互角に飲むことはできました。

 そのようなお方もわたくし巡りあったことがございませんので、うれしいのですわぁ」


 アーシャは、猫であったらノドをごろごろと鳴らしていそうな笑顔で座った。

 とぽとぽとぽ。

 タルにチューブのようなものを繋いで、お酒を注ぐ。一息に飲み干す。


「最高ですわぁ!」


 オレもグイッと飲み干した。

 柑橘系と炭酸の、シュワッと爽やかな風味と触感が爽やかである。


 てれれ、てってってー。

 レベルのほうもアップする。



 レベル     1338→1339

 HP      11423/11423(↑8)

 MP     10527/10527(↑7)

 筋力      10232(↑8)

 耐久      10259(↑6)

 敏捷      10180(↑8)

 魔力       9687(↑7)


 習得スキル

 なし

 上昇スキル

 毒体質LV2 117/150(↑1)



 相も変わらず、アルコールは毒という判定だ。

 毒物耐性とかが鍛えられていないのは、スキルが上昇していないからだと思われる。


「相変わらずの、お飲みっぷりですわねぇ♡」


 アーシャが両手を重ね合わせて、おねだりをする女の子みたいなポーズを決めた。


「ねぇケーマ」


 ローラがオレの服の裾を、くい、くい、と引っ張った。


「お酒って、そんなにおいしーの?」


「もちろんですわあぁ!!!」


 アーシャが答えた。


「お酒isゴッド! お酒isジャスティス!

 この世のすべてはお酒より生まれて、お酒の中へと消える存在なのですものわっ!!」

「そこまでなのっ?!」

「そこまでですわぁ!」

「お酒すごい! お酒すごい! ケーマ! ケーマ! ケーマあぁ!」


 ローラはオレの服の裾をくいくい引っ張り、口をあんあん、あけてきた。

 オレはコップを、ローラの口元にやった。

 ローラはオレの手を握りしめ、こくっ、こくっと飲んでいく。


「ふああ……。すごい。ほんとに、おいしっ…………」


 パタン。

 ローラは倒れた。

 毒物耐性は持っているはずなのに、一瞬であった。


「ローラさまは、飲めない体質でございますのね……」


 アーシャは、さめざめと泣いた。

 その泣きっぷりは、わずか六歳にして死んでしまった薄幸の少女を見るかのように悲しげだった。

 アーシャにとって、お酒が飲めないというのはそういうことであった。


 そしてわずか三〇分後。

 アーシャが、タルを覗き込んで言った。


「なくなってしまいましたわね……」

「そうみたいだね……」

「名残り惜しくはございますが、お酒はほどほどが肝心。今日のところは、これぐらいにしておきますわ♥」


 アーシャの中の世界では、タルをみっつがほどほどらしい。

 何気に異次元である。

 そんなアーシャが、オレの体にしなだりかかった。


「共に飲めるかたがいらっしゃるというのは、とても心地がよいものですね……♥」


 ちゅっ……♥

 ほっぺたにもキスをして、甘いほおずりを入れてくる。


「占い師のかたが、『わたくしよりも強いおかたが運命のお相手』と言った理由も、おわかりですわぁ……♥♥」


 これはやってもいいんだろうか……?

 思ったオレは、アーシャの巨乳に右手を伸ばした。


「きゃんっ♥」


 甘い声をだしたアーシャは、しかしながら巨乳を隠した。


「いけませんわ、ケーマさま♥

 わたくしとケーマさまの関係は、今のところはご友人。

 はしたないことをなさりたいのであれば、わたくしを酔い倒してからにしてくださいませ♥」


「でもそれはそれとして、もうちょっとさわらせてくれない?」

「仕方のないケーマさまですわね……♥」


 アーシャは胸元をゆるめ、上半分を露出させた。


「とくべつ、ですわよ……?」


 そしてオレをそっと抱き寄せ、胸の谷間に顔をうずめさせてくれた。

 なんだかんだ言いながら、アーシャもけっこう酔っている。


「今度こそ、おいとまさせていただきますわね♥」


 アーシャはぺこりと頭をさげて、オレの部屋からでていった。

 本当に、天国であった。

 オレはローラをチラと見る。


(くかー、くかー)


 アホの子なローラは、無防備に寝ている。

 そして胸元には、ふたつの山だ。

 オレは試しに、指で突ついた。


 ずにゅっ……。

 軽く突いたつもりだが、けっこう深くまで入る。

 ついでに揉んだ。

 ぐにゅぐにゅ揉んだ。

 本当に、おっぱいだけは最高だ。


「んうっ……」


 ローラがうめき、足をもぞりと動かした。

 スカートがまくれて、太ももが見えた。

 そうしてオレは、ちょっと気になる。


(コイツって、どんなパンツはいてるんだろ……)


 オレはスカートの端を握った。

 平時であれば、いくらなんでも自制する。

 でも今のオレは酔っていた。

 パラリとめくって見てしまう。


「ブッ!」


 鼻血でた。

 このクソ駄女神。



 パンツはいてねぇ。



 なんではいてないんだよっ!

 襲うぞ?!

 マジで襲うぞ?!


 そんな風にも思ったが、いくらなんでもそれはまずい。

 オレをひどいと言っているローラだが、それでもオレを信じているのだ。

 オレがいくらいじめていようと離れないのは、オレが『超えてはいけないライン』だけは超えないようにしているからだ。

 そこを超えてしまうのは、ローラを裏切ることである。


 それはできない。

 絶対にできない。



 オレはまだ、この駄女神をいじめていたいっ!!



 いじめてもいじめても懐き続けてくる駄女神を、適度にいたぶっていたい。

 オレはダッシュで部屋をでた。

 隣の部屋に入り込む。

 鍵はかかっていた気がするが、一撃で壊れた。


「けけけけっ、ケーマさんっ?!」


 ウサミミ眼鏡っ子のフェミルが、自身の胸を隠してきょどる。

 かわいいパンツは、白とピンクのしましまだ。


「着替え中だったか……」

「わかってるなら出て行ってくださあぁいっ!」

「すまん」


 オレは素直に出て行った。

 五分ほど経ってから戻る。

 フェミルは黒いローブを着込み、木の杖を持っていた。


「なんだったのですか……?」

「ローラを見てたら、ちょっとムラムラしてしまってな。この部屋に泊めてもらおうと思った」


 オレは了解を得るより先にベッドに座り、フェミルに言った。


「悪いがフェミルは、オレがいた部屋に行ってくれ」

「そういう話でございましたか……」

「そういう話でございました」

「でしたら……」


 フェミルは、スカートの中に手を入れた。


 するすると、自身のパンツを脱ぎおろす。

 白とピンクのしまぱんを、オレにそっと差しだしてきた。


「わたしのでよければ、お使いください……」

「いいのっ?!」

「ケーマさんには、お世話になっておりますので……」


 フェミルは、太ももをもじもじとこすらせながらもつぶやいた。

 ぺこりと頭を小さく下げて、部屋からでていく。

 残されたオレの手元には、ぬくもりが残るパンツ。

 ローラはアホで心配になるが、フェミルは生真面目すぎて心配になるな。

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