信者になると、おっぱいを揉める。

 フェミルを仲間に組み入れたオレは、宿に戻った。

 アーシャにあいさつを入れて、階段を登る。


「じゃあ、細かいことはあしたってことで」

「えっ、ええっと……」

「どうした?」

「おふたりは、おんなじお部屋で寝るんですね……」

「まっ、まぁ、ずっといっしょだったしね……」

「っていうか、そっちのほうが安いしな」

「あうぅ……」

「フェミルもいっしょがいいって言うなら、いっしょでいいけど?」

「よよよよっ、よくないですっ!!」


 フェミルはボンッと真っ赤になって、自分の部屋に入っていった。

 仕方ない。

 オレはローラと部屋に入った。

 シングルサイズのベッドがひとつに、大人ふたりがあぐらをかいて座れるスペースがかろうじてある程度の部屋だ。


「にしても今日は、いろいろとあったなー」

「そっ、そうね。いろいろと、あったわね……」


 ローラはオレを意識しているのだろうか? ほっぺをほんのり赤くしていた。

 ひとつしかないベッドとオレを、恥ずかしそうなジト目で交互に見ている。

 そういう反応をされてしまうと、変な気分になりそうになる。

 オレはシリアスに言った。


「なぁ、ローラ」

「なっ、なによっ」

「真面目な話がふたつある」

「ふたつ……?」

「ああ、ふたつだ」


 ローラは逃げ場を探すかのように、視線を後ろに泳がせた。

 オレは壁にドンと手をつき、逃げられないようにして言った。



「おっぱいを――さわらせてくれ」



「は……?」

「オマエが定期的に言ってる通り、オレはけっこう、えっちだからな。

 オマエの巨乳は、わりと真面目にさわりたい」

「それって真面目な話なの?!」

「これを超える真面目な話が、世界に存在してるのか?」

「してるでしょ?! 世界のアレとか、平和のアレとか!!」

「平和とは、おっぱいを忘れてまで考えないといけないことか……?」

「いけないことでしょ?!」

「とにかく、さわらせてくれよ」

「ダメって言ったら、どうするの……?」

「それは普通に諦めるけど」


 ローラは目を伏せ押し黙る。

 しかしながら見た感じ、嫌悪感は見当たらない。

 それなので、オレも目線を外さない。

 ローラのことをじっと見つめる。


「ちょっとだけ、だからね……!」

「よっしゃ!」


 オレは素直に喜んだ。

 まずはオレがベッドに座り、次にローラを座らせる。

 オレの前に座るローラを、背後から抱きしめる格好だ。


 黒い髪はふわふわだ。

 ほんのり甘い匂いもしてくる。

 オレは下から、すくいあげるかのように手を伸ばす。

 女神の体が、びくっとすくんだ。


「あんっ……!」


 その触感は、極上だった。

 手のひらで押すとたぷたぷとしていて、ずっしりと重い。

 それでいてオレが力を入れると、指をむにゅっと受け入れる。


 やっててよかったローラの信者!


 まさに女神。女神の触感。

 ローラは軽く喘ぎつつ、真っ赤になって言ってきた。


「いいいっ、言っておくけど、さわらせてあげるのは、ケーマが信者だからなんだからねっ!

 信者やめたら、さわらせてあげないんだからねっ!!」

「だから信者やめないで、一生アタシのそばにいてって?」

「そこまでのことは……」

「ことは?」


 ローラはまたも目を伏せた。

 もじもじ体を左右にゆらし、消え入りそうな声でつぶやく。


「すこし……あるわよ…………」

「そうか」


 オレはおっぱいを揉む手を止めて、ローラを普通に抱きしめた。

 肩の上に頭を乗せる。

 いじっていびってイタズラしたくなるようなロリ巨乳女神だが、同時に守ってやりたくもなる。


「今後もいじっていびってイタズラするけど、信者はやめないでいてやるからな?」

「どうしてアンタが、選ぶ側になってるのよ……」


 ローラは唇を尖らせるものの、嫌がりはしなかった。

 オレは再び胸を揉む。

 ローラはブラをつけてない。よってほとんど生である。

 というかフェミルをさわった時も、ブラジャーの触感はしなかった。


 この世界には、ブラジャー自体がないものと思ってよさげだ。

 もにゅもにゅもにゅもにゅ。

 揉みまくる。


「そろそろ。離して……くれない…………?」

「もうちょっとさわりたい」

「ケーマの、えっちぃ…………!」


 オレは揉みまくりながら言った。


「ところで真面目なお話なんだが」

「なっ……なによっ……。あんっ……!」

「カタログウインドウをだしてくれるか?」

「わかったわよ…………んっ!」


 オレはおっぱいを鷲掴み、冷静に眺める。

 指を差してスクロールさせて、取れるスキルたちを見ていく。

 しかし、オレが求めているスキルはなかった。


「これ取れるスキルって、表示されているやつで全部?」

「裏スキルっていうのも、あるわよ…………はァンッ」

「裏スキル?」

「条件を満たした状態で強く念じると、現れて……くれるの…………」

「なるほど」


 オレは胸を揉みつつ念じた。

 ウインドウにノイズがかかり、新しい画面がでてくる。



 スキル譲渡LV1 0/50


 ◆自身のスキルを譲渡する。

  譲渡したスキルはなくなる。

  消費信者ポイント2000


 ◆習得条件

  所持スキル10以上



「メチャクチャ使うなっ!」

「裏スキル……だからね…………んッ」

「そもそも信者ポイントって、オマエにいろいろ捧げることで獲得できるんだよな」


 (おっぱいおっぱい、もみもみもみ)」


「そっ……そうよ……」

「食べもの以外の硬貨とか宝石でも、通用したりするか?(おへそぐりぐり)」

「なるわね…………ひああんっ!」

「そうか……」


 オレは一旦、ローラを離した。


「もう……。ほんと、もみすぎ……ばかっ…………」


 金貨の詰まった袋を置いて、一枚取りだす。


「これとか、どういう感じで入れればよかったりする?」

「こういう感じね」


 ローラは金貨を受け取ると、手首のリングに押し当てた。

 金貨は吸われる。

 オレは信者ポイントを見やった。



 信者ナンバー、001 コサカイ=ケーマ

 信者ポイント 140(↑100)

 累計ポイント 2250


 信者レベル3(一般信者)



「金貨一枚で100ポイントか……」


 金貨一枚は一〇〇〇バルシー。

 信者ポイント3000のスキルを取ろうとすれば、二万バルシーかかる計算になる。


「だけどこれなら、フェミルに払わせればなんとかなるか」

「あの子から取るのっ?!」

「オレがうまくスキル集めて、ひとり立ちできるようになったら、出世払いでちょこちょこっていう感じでな」

「それならいっか……」

「あとはオレなら簡単に取れるスキルでも、自力で習得するのは難しいってスキルもあるだろうしな。

 それをちょこっと売るだけでも、元は取れそうだ」

「…………」

「どうした?」

「ケーマって、ホントーに頭いいわね……」

「そうか……」


 これで『頭がいい』になる、アホの子なローラ。

 ただオレも、満更ではないんだよなぁ。

 なんだかんだ言いながら、アホの子ロリ巨乳のクソ駄女神のことを気に入っている。

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