第44話第ⅩⅢ章ファイナルクエスト編《災厄星》

第ⅩⅢ章ファイナルクエスト災厄星

天照暦20年 3月

 ヴェスタニエ一族は五賢帝が用意した飛空艇に乗り、

宇宙の彼方の遊星であるニビルに向かった。

これから始まる英雄と星の戦いの記録。

KnghitsOfDarknessが名を遺す歴史的叙事詩。

「爺さんらって?真祖の集結か?」

「ブラッド、それは違うよ。神祖全員も訳わからないよ。俺はⅦ代目の宿命に応えている。おかげで不死身の神性でこの時代を数百年生きている。」

 ダインは星の航路の座標にモニターを見ながら他の神祖とアナスタシア・ヴィン・ニコラスリーッチャ・フィン・ヴェスタニエが腰を掛けた。

「星の世界までの航海だ。だろ?」

「私にはわからない。呼ばれた以上のことはする。魔眼を侮るなよ」

「噂程度に。魔眼の神よ」

「・・・・・・・・ダイン・ヴェスタニエ卿」

 魔眼の眼を持つユリスティア冥界のその力と冥界の皇女であるアナスタシア・ヴィン・ニコラスリーッチャ・フィン・ヴェスタニエは魔眼の眼と魔王の腕を持つ。

「12の剣を持つ私に用って?俺を呼んだか?いや・・・気のせいだね」

「イシュガルド・アーサー・フォン・ミカエル・ヴェスタニエ!王よまだ話がぁ」

「神祖って耳打ちされてきたんだが。俺はそうでもないんだが」

「星に入るけど、ここからは・・・・・地球に別れを」

 イシュガルド・ヴェスタニエという中世時代の王は風貌変わらずに黒コートに色素が抜けたその白髪染みた黒髪と金髪に灼眼この男が飛空艇に乗り世界終末からダインも王として円卓の席について暗い海を越える。

「星を砕くっても・・・・・」

 ヴェスタニエの名を持つ冠位全員の出番だ。勿論ルーラシアも居る。ヴェスタニエの家の者。ダイン・ヴェスタニエ卿は正面に座り目をこする。

「失敬。眼が痛いんでね。最近」

「魔眼か?お前も神性の影響だな。ク」

「皇女殿には痛い話だ。俺は人間らしく生きたかったがやむを得ない。もう・・・異邦の者よ」

「願え、歓迎はするぞ。その眼の十字架?ほ・・・ほう・・クレアかい?」

「クレアなんか」

「俺はイイから他の者は?」

「ふん。私は身に以て宿す魔王の化身。魔王は冥府の鎮守府に眠るぞ」

「ヴェスタニエ12始祖よ。我らの戴冠と生誕の時だ。これから思うに星は異聞。やっ。ロストの星にニビル崩壊と星の終焉。KnghitsOfDarknessの名に懸けてよ」

 ブラッドとクラウドは席に座って円卓の円環の理。ユーウェイン卿の頼みでギャラハッド・ボールヴィダ・シュヴァリエ・ヴェスタニエの育成にルーラシアを頼った。

 ギャラハッドの両親がランスロットでその母がヴェスタニエの血。

「若い者に育成を頼むが時だろ?ルーラシア」

「ユーウェイン卿に言われたのであれば。喜んでお受けいたします」

「世界に変革の刃が必要だ。私は老い先短い。もう寿命かもな」

「星が見えた。あっ・・・あれか?黒い星よ」

 五賢帝の賢王に任されるユーウェインは杖をつきその円卓に12の家系の祖。ヴェスタニエの異聞帯の英雄と世界の変革の黒き星の七つの天体の星と厄災。

「あぁ、こういうこったぁ」

「五賢帝ともに作戦を実行次第ね。やれやれだぜ」

「ダイン?聞いてるか?」

「なーにもねぇーさ」

 飛空艇が浮上し星の軌道と七つの至高天の中枢がこのニビルの黒き天球の神の空間。ダインは再度アフィリア・サーガの門を開いた。

「問え、我が祖の七天の守護者の言霊よ。図れ命と天の主の天秤よ」

 ダインの詠唱でサーガに行くとルヴィア・ヴェスタニエとジュリアとクレアが待っていた。

「おせぇ」

「今、来た産業。俺も爺さんだ。ちょっとは辛抱しろし」

「茶番は止せ。第一天を落す。堕ちる。神を落す日だ。」

「ヴェスタニエの祖であるアンタらはその・・・・なんつぅーかっ、俺は自分の意志で神を落す」

「ほーう、面白れぇⅦ代目の面構えか?ククククククク」

「初代ぃ」

 ルヴィアはその魔剣と魔眼の才能は神代と人間の世界で人類史上初の英雄に登り詰めた女性。ルヴィア・ジーザス・ダーインスレイヴ・ヴェスタニエは神を落すその日にダインに授けた剣を納刀させた。神魔断罪剣の銘をダインが継承した。

「さすが異聞帯からの漂流者ぁ」

「ん?知っていたか?人類は三度滅び。そして異聞帯での機会を待ったんだ」

 ルヴィアよ。それを言うのか。ダインは黙っていた。その剣と黒いコートをその天球に門を繋げられるニビルは遊星。クラウドも来た。

「冥府で一回貰った命だ。オヤジ」

「んで、来たのか?門を開きオッテヨ」

 クラウドも後からきて星の軌道をモニターで確認した。いよいよ本題だ。

「おい、初代?初代?第一の星の場所って?」

「モーマンテェイ」

 飛空艇が星に到着すると、ダインが降り立つ。

「行こうぜ。世界を取り戻しに」

 黒い大気を覆う星の表面にヴェスタニエ家が降り立った。

第一天 厄災の王座

第二天 厄災の宝物庫

第三天 厄災の心臓

第四天 厄災の鶴翼

第五天 厄災の魔眼

第六天 厄災の円卓

第七天 厄災の神殿

 ニビル

これが黒き天球の全て宇宙の円環の理。

ダイン・クラウド・ブラッドの三人が王座に着くと、ルヴィアとイシュガルド・アレインが続けざまに王座に来るとニビルが浮かんでいる。

「おう、こいつが・・・・災厄の元凶か?Ⅱ代メェ」

「うむ。そうだな。やれやれだぜ。我の財を至高天すら打ち砕け!神と天地乖離の星を穿つ」

 アレインか。コート姿でフードを外し大樹の杖をならしながらも冷たい床を歩きその眼を開眼する。森の賢者でその眼を代々エルフの権能を使い星全体に目を配らせた。

「星王の眼」

 ニビルの意識を星を監視できる。アレインは大地に座り聖霊に意識リンクさせて杖を並べた。

「行け!行け!私は気にするな。お前らがその先に掴め。私にもその力を振るわい」

「行くぜ。Ⅴ代目にⅢ代目。各地配置に備えろ。最悪、俺の剣で動きを止める。さっ」

 イシュガルド・アーサー・フォン・ミカエル・ヴェスタニエ。Ⅳ代目。剣聖の天使。サーティスパル・サリスティア・ユリスティアの実子にしてヴェスタニエの時代に天地乖離させた英雄。

 イシュガルドの英雄が蒼天の竜騎士の異名を持つ男は魔法も扱える。

「レギオンドライヴ!」

「おっさんは・・・・退いてなさい」

 アナスタシアか。アナスタシア・ヴィン・ニコラスリーッチャ・フィン・ヴェスタニエが魔眼の権能を星の軌道のモニターを映し出し全ての星が煌く闇でも輝き出す。

 星の世界が今、居る世界。

「これから初代とⅡ代目で円卓を壊す。いいよな?円卓の13の席か」

 厄災の星の13の心臓部分を壊すのが初代とアレインでいいんだよな?いくらアレインでもどうなのか?アレインはフードを被り各星に向かう。

「玉座に、宝物庫に、展開。アナスタシア?星の眼よ俺らに祝福を」

 ニビルが超巨大の隕石の遊星。ダインはダーインスレイヴを手に、星の地にルヴィア・ジーザス・ダーインスレイヴ・ヴェスタニエも何世紀分の姿だ。今まで冥界や天界やアフィリア・サーガに居たが遂にその姿を見せる。

ヴェスタニエ初代当主にして、最古の英雄王。

「いつの時代の隔離な世だ。王勇すりゃぁ、ねぇ・・・・まっ。輝剣よ焔よ宿せ」

 ルヴィア専用の白銀のギザギザの二重構造の刀身の黄金の柄と鞘。

 かつて人と神の分かりあっていた世界で神と人が共存し天地一体であったエルセリウスとネルセリウスにおいて最強の英雄。

「ブラッド?お前はKnghitsOfDarkness引き連れてニビル叩け。生きろ、生き続けろ」

「分かったよ。諦めないよ。KnghitsOfDarknessも率いて叩け!これより、俺の指揮で星を落とす。ラストミッションだ。頼む」

「了解、俺らの故郷の為に。」

「行きますか、隊長」

「出陣の準備を。俺もモードを切り替えられる」

 ブラッドは深呼吸して黒衣からその覇気を纏いアガートラーム化した。

「おい、七天も迫って来てるぞ!隊長さん」

 ロルテシア・ディスティニーの声だ。フェンサー・アーヴィングが男を見せて、殿に第一の星である災厄の玉座だ。第一天はニビルの入り口。

(KnghitsOfDarkness各位に通達。これから総指揮総隊長の俺だけど、こんな俺でも護ってやれるだけの分はある。ヴェスタニエの未来のために頑張るか。)

 KnghitsOfDarknessは飛空艇から降りた第一の星の水晶に触れた。

「俺達だ!行くぞ」

「星の世界に確認した。それでは我々も作戦は決行。」

 ガブリエルは大樹の杖を振り払い大剣に変えた。

「天使の光?神のか?」

「主の仰のままにぃ」

 ガブリエル・バイブルは星の門と違いニビル直進に航路を勧めた。

「いいのか?ガブリエルさんよ」

「勿論だ。ニビルの中を壊す。星全土宇宙空間何光年分の危機だ。やれやれだ」

 ブラッドに従い星の路に沿って歩き水晶に触れて移動して奥に進んでいく。真っ暗な空間の中を移動して進んでいき戦闘もあり玉座に着いた。

「ん?」

「ん?なんだ?こここここ・・・・・・・・・ここあ・・・え?」

「ニブルの眼だ。ニビルだ。巨大惑星宇宙遊星災厄の飛来の眼。巨大な核の眼。」

「紀元前から変わらんな。こりゃぅつ」

「おい、おい、おいおいおおおおおお、どどどどどど・・・・誰か?隊長?」

「分かるとも。さて。眼を叩く。戦闘準備に取り掛かる。戦闘が出来次第返事頼むよ」

「おうさ」

「はい、了解」

 戦闘準備を待つ間にクラウドが来てグレンと再会を果たす。

「久しぶりの再会だな、友よ」

「なんつう面だ。俺も待っていた。俺がお前の遺志を継いでこの何十年騎士団存続に賭けてきた。お前は英雄だ。俺とは違う」

「お前がそういうだけでうれしいに決まってる。」

 クラウドは冥府から戻りいろんなことを聞かされていた。

腕を鈍ってはいない。冥界と天界で大きく変わり剣術の幅は変化した。

「星の兵が目覚めた。準備出来たらしい」

「戦闘総員抜刀一斉出陣!総員殲滅だ!」

 ブラッドが指示し、フェンサー・アーヴィングの焔の剣と氷の剣が星の兵を砕け散り、ロルテシアの鉄拳が輝きを放ちその燃える拳に第一天が揺れる。

「エクス・ブロード・フェイクリッドサークル」

 ツヴァイの聖剣を星の生命に打ち込むと闇を撃ち払い、ヒルデガルダの詠唱が続く。

「汝、光の路よその主の十字架にその血に指し示せ主の御霊燃える聖霊よ」

 ヒルデガルダの杖から光の柱が連なり隕石の連続魔法だ。頑丈な星の核。

聖騎士ディゾンのパラディーゾでも限界だ。

「一度、撤退かを考える。お前ら先にも行け!星の兵達ぁとこちで食い止める」

「ありがとう。ディゾン!無事に祈るわ。アーメン」

「主よ、教皇ヨハネス・パウロ・リアレストの御身霊に加護をディゾンに救済を。アーメン」

 ディゾン・リアレストは聖騎士の剣と盾を装備し、星の衛星の核の戦いに教皇とユーウェインは老兵だがエイボンから薬を受け取った。

「俺をだと思うのか?我が名はユーウェイン・アーヴィングだ!五賢帝の賢帝。名を以ていう。アーヴィング家の誇りにこの剣に誓って汝を討つ」

 ユーウェイン・アーヴィングが大剣を呼び出し、帝國時代に生きた剣士が牙をむく。

「エヴリュード・ド・アブソル・アウト」

 大潮の渦に大量の水しぶきで相手の心臓の剣戟を抑えるユーウェインの剣術奥義。薬の御蔭で若く戦えるが時間がない。

「ハァ・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・・・ハアアアアゴホッゴホッゴホッゴホッ・・・・グウウッガアッ・・・・ゴホッゴホッゴホッ・・・ヴヴヴヴヴヴヴヴ・・・ウウウッウウグ・・・ガアアアアアアアアアッウガアッ・・・・ゴホッゴホッ」

 ユーウェインも無茶はするが星の兵は動きを止めない。

「爺さんは退いてな。案の定この有様だ。見ようにもい視えねぇ」

 ルナヴァーミリオン・フォン・ジャック・リアレスト・ウォーカー・ド・シャルル・マリー・ヴェスタニエだ。

ディゾン・リアレストの息子にして五賢帝に入った新参者。ヴェスタニエの名を名乗り、ウォーカーの遺志を継ぐ神の騎士の子。

「星よ舞え。我が息吹に生命の刻よ」

 ルナヴァーミリオンはディゾン・リアレストの息子で聖騎士の剣を装備し、星に挑む。

「さぁ、参ろうか」

 眩い閃光の剣戟に・・・・星の動きを止める。

星の終わりに生命の時。刻。

第二天のルナヴァーミリオンとディゾンの親子にユーウェインは薬の御蔭で若くなって戦い、星の兵が荒々しく各天球で激しい戦いが起こった。

アナスタシア・ヴィン・ニコラスリーッチャ・フィン・ヴェスタニエの魔眼で捉えた天球の座標を構築。全てにおいて各天球の壮絶な戦いに遂にあのお方も準備を整えた。

「準備出来たか?のーう」

「えぇ・・・ご出陣ですか?わざわざ主自ら行かなくても」

 重い漂う空気の雰囲気だ。主とは?ヴェスタニエの主である神々の主だ。

云わばジュリアとクレアの父親。エマの兄にして宇宙の父。根源に到達する魔術の覇王。

「行くか。ついて来い。星の危機に我も一役買おう」

「はっ、主・ジーザス・クライストス・ヴェスタニエ様」

「イイんだよ。そんなにかたくな楽てよ」

 ジーザス・クライストス・ヴェスタニエが真名ではない。本当の名は主神。

「もたもたするな。行くぞ、ヴェイグ」

「ジュリア?君はおっかないな。僕の名を呼ばないでくれ。君の名は」

「あ?いやいや・・・・ヴェイグ・アルスヴァーン・イグナシア・クトィア」

「神曲さね。自分がハズイ。でもね、ヴェスタニエ全ての根源の父って僕だよね?ジュリア」

「おうさね、間違っちゃないがね。神々の名を束ねてニビルを砕く」

「クレアも姐さんも出発だ。あの子らが戦ってるんだ!放っておくわけにはいかないぜよ」

「なぜ土佐弁なん?」

「いいちゅうがか!わかっちゅうに!どげんと、はよういくねんや!」

「あぁーもうめちゃくちゃだよ」

 ヴェイグ・アルスヴァーン・イグナシア・クトィアは宇宙の果ての根源の渦の星の王。宇宙創世逆光運河光年の煌く涙の王の名。この人物がヴェスタニエの全て。

「指揮を執る。バレない様に星を潰す。第一から七までの天球の破壊を命じる。」

「やっとこっさ、本気出すか。アンタは」

「ダインに伝える。ヴェイグ・アルスヴァーン・イグナシア・クトィアは頼む。主よ我らの神の父よ偉大な神の太陽に従いその任を全うする」

 ヴェイグ・アルスヴァーン・イグナシア・クトィアはイグナシア・スウェイルの由来。ルーラシアの祖でもある。賢帝らしく博識の彼は天球全てを捉えてその時間軸を止めた。

「自分はナンセンス外なる者領域核の外なる者。来訪せし異邦の降臨者。でもね。人間は好きだ。同胞に傷つかせはしない。かかってきなさい。星よ、災厄を」

「七天が動く!ニビル此方に反応だ!」

「やれやれ、やれやれ、星も察しが良い。穿て!」

 ヴェイグは指揮をして、ジュリアも従う。

「クレアもついてくるか?行くのかい?」

 クレアは背伸びして盾を担ぎ、聖杯の盃を片手に持ち詠唱開始。

「Ich widme die Feier des Gottes des Heiligen Grals von dir, widme das unendliche Schwert und Herz dem Gott unserer Dame von Gott, geboren von der Geburt des Glases, Geburt. Gott, ich werde hierher zurückkehren, aber meine heilige Brust」

 クレアの詠唱だ。

クレアの全身武装化のアーマードコアのシステムはモデル名【ギャラハッド】。神聖な円卓の盾に正十字の血の効果とクレアは自分がかつて神話上に王に返上し、神との契約にそれを基づいた英霊礼装に身を包み挑んだ。

「Held, Gott sei Dank und Kind nach meinem Namen in Übereinstimmung mit der Krönung. Dem Blut des Heiligen Geistes vor der Verkörperung des Geistes und dem Verwender des Schwertes, vor dem Herzschlag des Teufels」

 クレアの一撃の剣裁きに星が陥落。流石はヴェスタニエ始祖の三帝。剣と血の人の神。ヴェイグ・アルスヴァーン・イグナシア・クトィアは行動停止の星に駒を置いて杖を振る。

「まだだ!気を抜かずにクレア君!ダインの下に走れ」

「りょーかい」

「すまないねぇ」

 だんだんと激しくなっていく過程で他の神も慌てているのか。それとも。

(マズいな。英雄よ時間がない。これでは我に問えない。)

 ヴェイグ・アルスヴァーン・イグナシア・クトィアの意識は星に繋がる。

「最も星が生まれる刻に神を撃ち落とす日とは。実に縁起が悪い」

「ジュリア!ティアはどうだい?」

「星の海を航海中。直に来るじゃろ」

「あっ、そうかい、嫌になる星の兵どもよ。どうか眠れ」

 杖が大剣に黒コートにストールで口は隠れ黒バンダナが目立つ。

「モード全解除。システムオール起動。承認開始」

 主の力。あらゆる神の頂点にして起源の覇気。

「ダイン!ったぁっ・・・くっ・・・・・クウウウウウウウウ」

 ロキか。ロキ・ラタトスクもKnghitsOfDarknessの一員。天球の反対側のコロニーに銃を狙い定めているが敵の反応速度が上昇。

「どうした?ロキ」

「おい、おい、マジやべー状況じゃん」

「フェンリルオートモードシステム起動再確認!ダブルドライヴの承認に設定。ツインアクセルオートエラー解除。ドライヴに不備はない。お前を信じろ、馬鹿」

「ヘヘヘッ、わりぃ、ダイン」

「んじゃっ!」

 ロキがフェンリルを担いで天球第四天に見送ったダイン。KnghitsOfDarknessの進撃だ!

「星よ、神を撃ち落とす日だ」

 ダイン・ヴェスタニエ卿が静かに歩み出す。

 ダインはバルムンクとアロンディーンを構えて第一天球と第二天球の動きが活発にニビルも躍起になってきた。ニビルが災厄の星とはわかる。

《ヴェスタニエ!我の動きを阻むなら応えるまでよ》

「あぁ、俺も歳だ!普通の人間ならあの世送りだったさ。けどな、俺は死なねぇよ」

 ダーインスレイヴを振り、第一天球の目に飛び込む。

宇宙空間は経験ない場所であったのか?星の遺跡で経験したのとアポフィスと同じだ。

 激突音

「・・・・・・・くっ!」

 かみしめてダインが静かにダーインスレイヴを振り、その目に映るは星の崩壊。だーんすレイヴの使い手に目覚めているダインは深呼吸して天球の星王が居ることは気付いている。

「天球は各位に聞け。俺は。俺たちが今後直面にするその眼は神を撃ち落とす剣の腕」

 ロキが近づいて合図を待つ。

ダインは英雄拘束の構えをする。本来詠唱の方式を以て完成だが、ダインは詠唱無しで剣を手に取る。無限の剣と虚数空間の固有儀式。

「いざ、征かんが我らの世界。英雄の意思よ汝らの剣に、集え!放て!」

 ダイン・ヴェスタニエは歳を積み重ねている。実年齢はルーラシアより若いが200歳は越えている。星との戦いが目立ち、KnghitsOfDarknessの総指揮のブラッドも第七天球で阻まれていた。

 ブラッド!名前を叫ばれている。

「拘束剣・ガヌマ・エリシュラ」

 ブラッドは天体を鎖に拘束。次々と問題とこの世界の理。アルヴィック・スレイプニルは銃口を慎重に核に合わせる。

「タイミングよくな!わーってるよ!星の動きにピンと合わせて調整。射精。いや・・・言葉の文でミステイク。フェンリル弾丸とラグナロクは?」

《あと3発。12発も無理だ。》

「ご丁寧にあざっす。チャンスは掴むもの?そうだろー」

 アルヴィック・スレイプニルはロキ・ラタトスクの子グレンの子。ロキの孫だ。

《先代から居るとしても主よこれが最後だぞ。》

「KnghitsOfDarkness№Ⅳの肩書。銃騎士団団長の俺を!」

 アルヴィック・スレイプニルはグレン・スレイプニルの長男。銃口に目を一瞬の判断と狂わされずに弾丸を撃つ。

「全弾装填完了。目標を狙い撃つ」

 アルヴィック・スレイプニルはその銃弾に解き放った。精霊の真紅の弾丸。

「希望だろうが、絶望だろうが、んなこったぁデーでもいい」

 グレン・スレイプニルの登場。アルヴィックの父親。KnghitsOfDarknessの副長。天球が軌道の調整にブラッドが合図を出す。

ブラッドの合図でフェンサーがレヴァンテインを構えていた。

「準備出来次第。動く。なぁ?隊長?」

「ニビルが星王っていつ気付いたんだ?隊長」

「まさかね。ここは宇宙空間の最前線だ。んっ」

 黒コートに髪が伸びて大人のブラッド。剣で作られたその体。

「天球崩し開始だ。総攻撃に備えよ。ヴェスタニエだけで終わらすぞ、着いて来い」

 KnghitsOfDarknessの総攻撃に各天球が静止。五賢帝の姿が!?

今までわからなかったことがある。ガブリエルという人物だ。

「時間切れだ。我々の勝利だ。一見ご苦労」

「アンタ何者だ?気になっていた。ヴェスタニエにやけに肩入れしすぎだろ」

「ニビル前に応えておこう。もう何も隠さなくていいね」

 背中を見せた。ガブリエルが七枚羽の天使の痣。熾天使の証拠の刻印。

「僕がまぁ、いいか。本当に天使だよ。隠すつもりでいたか?ガブリエルだ。熾天使のクラスは僕とミカエルでしかいない。生憎、僕は魔法でしか能がない魔術師でね。」

「ガブリエルさんは俺に剣を教えてくれた師匠だけどね。」

 ミカエル・ラウセススヴァッツ・ヴェスタニエ。剣聖の天使に授けられた師匠ガブリエル。

「どうせ、いい機会だ。話す頃合いだろう。僕の過去の全てを話す。英雄譚に遠いね」

「ヴェスタニエとウォーカーの宿業は僕が説明する」

 杖で火を灯し自分の過去を話した。

世界創世の神話の時代。神と人の世にして古代ダンダルディキア(ガンダルディキア国)王国の城郭と離れた郊外の砂漠の一軒家に家がある。貧しく生きてく上にも苦労は重ねた家だ。馬屋。

夜空を見上げると空が流れ星に輝く。

勿論神の山には神と人もいる。

僕が生まれた修道女だ。修道女が主の天啓により受胎し僕が生まれた。

逆光運河創世光年と乖離の天地乖離の開闢の星の下に僕が生命を貰った。

時代が進み成長した僕は遍歴を重ねた。

王勇と遍歴の積み重ねで今のような地位を画一。

「ガブリエル様!待ってください」

「ん?どうしたんだ?剣の稽古なんざ、やめておけ」

「それでもおれがつよ・・・・それでも俺が強くならないと世界は闇に覆われる!魔王を討つ」

 若いころのミカエルだ。まだ天界から正式に熾天使の位と剣聖の異名が無いミカエルに、ガブリエルがやれやれと表庭に出て杖を振り回し剣に切り換えた。

「ドンと構えろ、相手になろう!」

 アアアアアアアアアアアアッ!剣の打ち込み試合にミカエルは鍛錬した。

ミカエル・ラウセススヴァッツ・ヴェスタニエの剣術を受けて、ガブリエルは煙管を吸いながら若いころのミカエルは剣と魔法に打ち込んでいた。

「同僚のラファエルさんも、やれやれだと思うのだろうか。僕はそうとは思えない」

 ガブリエルの同僚であるラファエル。ラファエルは天界監視中の役人。いろいろと命を受けたガブリエルは天使の熾天使の冠位を持ち杖を瞬時に大剣に切り換えた。

ラファエルはガブリエルの名を持つ同じく熾天使の名を持つ。

「ミカエルを鍛えたのは僥倖。では、次の命だ。ルヴィア・ジーザス・ダーインスレイヴ・ヴェスタニエたる人物を探し出せ。良いな?」

「了解。ルヴィア・ヴェスタニエ」

 ガブリエル・バイブルはルヴィアを探しに遍歴を重ね上げた。

「いやー、英雄譚をマジで僕が探すのか?メンドーじゃ」

 ガブリエルは世界を見上げてきて、五賢帝の設立は必須。五賢帝の言い出してガブリエルはミカエルを五賢帝に迎え入れて世界を放浪。

「そうそう、僕がこれを授けるのを忘れていたよ。ルヴィアの子よ」

 神焔氷斬天剣マルシュタール・マルドゥークだ。マルシュタール・マルドゥークの使い手と、ガブリエルは決戦に備えた。

「君らに感謝だ。この剣はいかようにも言うがマルシュタール・マルドゥークだ」

「星を砕きこの世界…・宇宙に希望あらんことを」

「は?」

「僕が言いたいのはエルセリウスに帰るよ。ウォーカーの小僧がサタンを討つ。ハハハハッ、ウィーカーも随分と長い面倒だ。ヴァーミリオン・ヴァン・ウォーカーの残した種が育ち過ぎた。」

「五賢帝の答え出そろったんだ。後は俺たちがする」

「検討は祈るよ。をだね。検討を。ハハハハッ・・・・ルヴィアに似てるよ。ガブリエルは熾天使の冠位。純潔の大天使だ。母の想い出と僕は神に逆らわない」

「サタンを討つウォーカー家と世界の管理者が不安だった。七つの美徳を呼び覚ましたのだろう。なんて無茶をするんだろうね。やれやれ・・・・僕の姉たちたちだ。」

 ?はい?今?七つの美徳?ヴェスタニエに知られることのない熾天使の抑止力。セブンス・ガーディアンの一種だがそれでも枠組が違う。

「それは時が来たら言うよ。今はニビルに専念を頼む」

「おー、分かったわ。」

 手を振りダインは目をつぶる。

「さて、こっちが本番や。」

「ギリ親孝行できるわ。親不孝たじゃすまされねぇだろうがよ。俺はクラウド。もうだれ一人と失いたくないけどな、俺は剣を振る。この腕は人を活かす為だ」

「これがヴェスタニエ家だよ。俺が生きた時代に繋げられるようにな!いこう」

 ブラッド・ヴェスタニエはこの星が翔られるニビル前だ。

天球星王座神殿の門を開けるダイン・クラウド・ブラッド。

「開けるぜ!」

 声を揃えて足を踏み出すと水晶の道。星の路だ。

ヴェスタニエ家とKnghitsOfDarknessの星を賭けた最後の戦いが始まる。

「スター・オルティシア・オーディン・グレイヴ」

 ダインとクラウドとブラッドの合体奥義。鳴り響く轟音と斬撃が星を砕き、奥に鎮座する星王。

「来たのか?手厚く歓迎させてもらおうか」

 星王。名をニビル。災厄の遊星。キリスト最期の審判と人類の救済の予兆。

長身で痩せていたが焔に身に纏い宇宙誕生から居る王。原初の王。

「俺の自己紹介させろ。こうして人類がここに辿り着いたのを俺は褒める。ご苦労だ。ニビルと人は呼ぶがそれは違う。取って着けたかのように天文学者や星詠みが言い出したことだ。俺の真名は××××だ!遠き悠久に約束と星の息吹に【エクスー・・・・カリバー】とはいえ。俺自身が××××の記憶ホルダーじゃない。気づけば俺をニビルと呼ぶ。」

「キリストかぁ」

「えっ!?」

「ファッ!?」

「マ?」

 ダインの千里眼だ。神を看破。

「アンタがエクスカリバーを地上に置き土産と残した。星が生まれた刻によ。神が堕ちた日に軸のラインを弄ってアンタが生きてる。あっー、面白いね。でもな!神とはい異聞帯やこっちの世界で暴れるんだったら俺が潰す。俺の世界を護るなら、どんな犠牲だって安いモンだろ?」

「安く見られたものだな。神を。俺はキリスト。神の中の神だぞ!」

「そうかい?んじゃっー、ヴェスタニエ全員呼べ!片付けるぞ!」

「ギョウカイですよ、オヤジ」

 クラウドが全員召喚の詠唱に入る。

「ブラッド?お前は攻撃を交わしながら斬れ。こいつはそう簡単に倒れねぇぞ」

「はっ・・・・・はっい!」

 ブラッド・ヴェスタニエの剣が英雄の剣を特殊召喚。歴代当家の剣を腕で呼び出す。

「詠唱入ります。Wir versammeln uns hier, aber der Vater des Helden, Silber und Eisen. Herr Gott. Reagiere auf den Heiligen Gral, Vater des Himmels.

Sie, Eid hier. Die zwölf Götter, die die Götter und das Schiff der Götter und des Heiligen Grals niederschossen, zeigten den Namen der Reinheit nach dem reinen Blut der Mutter Maria Magdalenas und der Krone der von hier zurückgekehrten Krone. Dank ihrer Segnungen und der Helden, die sich hier versammeln.

Held, ruf uns als Antwort auf Beschwörung an. Unter dem Schwert unseres Vaters!」

 ブラッドが詠唱してその空間に浮かぶ歴代当家の剣。英雄剣グランヴェルスタリオンだ。ブラッドに反応して剣が躍る。

「飛んだ、とんだ茶番だぞ。英雄よ!愚かに神対して剣を剝けるとはな。」

「無駄だと思えないか?」

 簡単に跳ね返される。剣も一ミリも効かない。

「哀れだな。哀戦士たちよ」

 キリスト・・・ニビルの突破口が見つからない。

「Wir versammeln uns hier, aber der Vater des Helden, Silber und Eisen. Herr Gott. Reagiere auf den Heiligen Gral, Vater des Himmels.

Sie, Eid hier. Die zwölf Götter, die die Götter und das Schiff der Götter und des Heiligen Grals niederschossen, zeigten den Namen der Reinheit nach dem reinen Blut der Mutter Maria Magdalenas und der Krone der von hier zurückgekehrten Krone. Dank ihrer Segnungen und der Helden, die sich hier versammeln.

Held, ruf uns als Antwort auf Beschwörung an. Unter dem Schwert unseres Vaters!」

 見てられねぇんだよ。ここに来るとは神の時代も終わらせ人が治める時代。

ルヴィア・ジーザス・ダーインスレイヴ・ヴェスタニエ!ルヴィアが詠唱した。

確かに初代が詠唱すると英雄剣が覚醒する。

「全員此処にいるよ。歴代当家の集結さ!」

「まさかぁ・・・・・この時代に・・・・お前は?」

 生きている!ルヴィアは生きていた。

「私が生きていたってそりゃぁ、驚くだろうね?ハハハハッ、どうする?」

「なるほどね。では」

 キリストの覇気が収束開始。

「限界だって!おい冗談じゃねぇぞ!ルヴィア」

「妾に・・・・わたしが英雄の誇りに賭けてその血潮に剣で出来ている。一切の爆死上等!歴史ですらその聖杯に応えろが・・・ハハハハッ初代ヴェスタニエに神は喧嘩を売った。主であろうと、私は英雄剣の使い手だ。何一つもこっちが犠牲無しに生きてられるのならよっ」

 ルヴィア・ヴェスタニエとその娘のアレイン・カエサル・アウグストゥス・ヴェスタニエ卿も来た。ルーラシアの実母でエルフの族長であるルーラシアの母。アレイン・ヴェスタニエが杖を振り、槍に変えた。槍と剣の使い手。イシュガルド・レギオンドライヴ・全当主の集結。

「参上に仰せ誓い此処に汝らの罪は、汝らの聖杯と我が主の剣に選ばれし英雄の召喚。感謝」

 7人の当家がその言葉によって参上した。

「どうだ?これから本気でアンタをぶっ潰す救世主の名はヴェスタニエ!英雄譚だ!」

「ruto/ryu-da」

「!?」

 最悪だ。空間が歪み始めている。全員星に呑み込まれる。キリストの放った言葉が魔法となる。

「エインシェント・オルスフィア・アークグレイヴ」

 シューヴェルト・マーガス・ヒメールハイト・ヴェスタニエ卿だ。シューヴェルトの剣が星を刎ね消し態勢を立て直す。

「スヴィンジア・ナーヴェルト・ビヴュヴァッ」

 アレインが槍のその一閃に集中した魔力変換で風穴をあける。

「エルフか!ぐぅ」

「力及ばないな。主よ」

「は?そんなことかい?舐めプも大概だよ!姫プとかいい加減だ!」

 キリストの怒りにニビルの本性だ。

 ガウェインはレヴァンテインを構えて星の前で構えていた。

KnghitsOfDarknessの最古参の老兵。

「まだだよな?然し、待て」

「ダインが言うにはね。待つしかないようね」

 ツヴァイ・エルスレイヤー・ダイン・ヴェスタニエ卿の正妻。聖剣の乙女。

「寒いですね。星の中と外では違いますが、あの奥は今までとは比べ物にない殺気と覇気と魔力を感じます。」

 ヒルデガルダ・フォン・ディスティニー。インデックス・フォン・ダーヴァンヴェルグ・ディスティニーの妹。双子であったが姉は200年以上前のダイン・ヴェスタニエが隊長であった時代に戦死。ヒルデガルダは司祭となりその意志は消えてはない。

「私たちは万一です。ニビルがここを突破することなく迎えましょう。」

「俺を忘れてはないだろうな?コパン・マジュルカ・ザーロックを!ドンと」

 ザーロック!?拍子ではなかったのか?生きている声がする。本人だ。

「長い冥界での生活腕は鈍ってはない。突然現界に驚いただろ?俺もだ。よっ。ガウェイン?会いたかったぞ・・・・俺が死んでからもよくぞKnghitsOfDarknessの育成に努め護ってきた。大儀である。さぁ、ニビルが突破する前に構えておけよ」

「あったりめぇだ。泣いてすまない。友が居ると泣いてしまうのは歳の重みだわ。」

 ガウェイン卿は涙をふぃて奮い立つ。

「ダインが居ない代わり、私が隊長代理に努めます。隊長が命令します。ニビル本体を叩け!ダインを援護しに行く。相手が誰であろうとKnghitsOfDarknessは畏れ知らずの特攻野郎だよ」

 ツヴァイが聖剣を握り閉ざされた星の扉を衝撃波で粉砕。

「ロンゴミニアド・エルスタ・オルスヴィ・エクスカリバーーーーーーーーーーーーッ!」

 ツヴァイの聖剣が星の路を切り拓き、ザイも来た。

「初期勢でダインを援護しに行くぞ。刀を抜くときが来たか」

 ザイ・ジークフリート。ジパング伝説のサムライ。これは星との戦い。

英雄譚の意味であるヴェスタニエはこの宇宙で負けられない戦いの最中だ。

 ダインは今頃星の中ではキリストの猛攻に追いつけない。

「クロス・トライデント・グレイヴ」

「ゴホッゴホッゴホッゴホッ・・・・グウウッガアッ・・・・ゴホッゴホッゴホッ・・・ヴヴヴヴヴヴヴヴ・・・ウウウッウウグ・・・ガアアアアアアアアアッウガアッ・・・・ゴホッゴホッ」

 弾き返され、押し潰され、意識が飛ぶダインは岩場に掴まり宙返りしてアガートラームに切り換える。ダイン・ヴェスタニエの突破口だ。

「神には神を!喰らい噛ませ!」

 クラウドの英雄剣がキリストを包囲。

「急かしてよ、ハァー英雄剣に効果ないよ。神には無意味だ。」

 クラウドは背後からバルムンクを握り、アロンディーンで結界を斬った。

「舐めるなよ!」

 黒いコートのクラウドの大剣と長剣のコンボにキリストも体勢を崩した。

「ニビル、終わりだ!」

「何!?」

「おおおおおおおおおおおおおっと!バルムンクモード切り換えろ、あいつの心を斬れ!」

 クラウドの眼が魔眼に転写。バルムンクに斬り裂く魔を払う威力にクラウドが特殊召喚した剣が神の懐を刺す。

「俺らは!俺たちが!俺はここでアンタを討つ!」

「エルドラーシュ・スィヴァルツァ・オーヴェルトクラネルッサ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 クラウド渾身の剣がニビルを撃ち砕きキリストが天に還る。

昇天。クラウドも血を吐き膝をつく。

「ゴホッゴホッゴホッゴホッ・・・・グウウッガアッ・・・・ゴホッゴホッゴホッ・・・ヴヴヴヴヴヴヴヴ・・・ウウウッウウグ・・・ガアアアアアアアアアッウガアッ・・・・ゴホッゴホッハァ・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・・・ハアアアア」

 クラウド・ヴェスタニエが剣を鞘に納めて立ち直りコートを着て髪の毛も長く伸びて床まで届く長い髪をゴムで束ね手を振った。

「ブラッドも、オヤジも元気でな。俺は本来の場所に還るだけだ。それが今回特殊条件での現界。お前らの顔見たらそれだけでいいよ。冥界も天国も楽よ。んじゃ」

 クラウドが還っていき、ニビル崩落。キリスト召天。

今回の大掛かりな遊星は終わった。

月での長い戦い。

宇宙での戦闘。

星との戦い。

神を撃ち落とした日。

黒き神の死。

星が生まれた刻。

 天照暦30年11月 約10年の星との戦いに終止符を打った。

10年間もこの天空に居たのだ。

果てしなく長いのだろう。

ブラッドも髪が伸びて髭も濃くなり、背丈が大きくなった。

地上に帰る際に歴代当主がブラッドを眺めた。

「最期の騎士よ・・・・この世界最期の闇を祓え。」

 それがたった一言・・・・ルヴィアだ。

ルヴィア・ジーザス・ダーインスレイヴ・ヴェスタニエもフラフラっと帰っていた。

アナスタシアにおいてはアレイン・カエサル・アウグストゥス・ヴェスタニエ卿が一旦預けることとなった。

 KnghitsOfDarknessはこの後最後の敵が迎えられていた。

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