第13話 ダイヤモンドと中世でその7

「この娘を宮廷に連れて行く」


王様の家来は嫌がる娘を無理矢理に宮廷に連れて行った。


「娘よ、私のために歌を歌え」


王様はいったが、娘は口をギュッて閉ざして決して歌おうとはしなかった。

怒った王様は娘を切り捨ててしまった。そして、娘の亡骸は家族のもとに帰された。家族は泣き叫んで悲しんだ。その夜、家族の夢に娘が世話をしていたユニコーンが出てきてこう言った。


「男の手を私の体に触れさせなさい。そうすれば、私は化物になって王様に復讐するだろう。そして、娘の亡骸は火葬しないで埋葬したまえ」


家族は迷ったが王様がにくかったのでユニコーンの言うとおりにした。

すると、ユニコーンはたちまち天をつく巨大な化物になり、空を飛んでいった。

そして王様のいる部屋を粉々にしてしまった。


そして、また空を飛んで、娘の亡骸が埋められた土にふっと消えてしまった。

それから、娘の墓には一本のユリが生えた。

「はい、終わりです。ありがとうございました」


サイラスは泣いている騎士たちに礼をした。

ダイヤモンドは前足をついて頭を下げた。


パチパチ…………


拍手が鳴り響いた。

しばらく鳴り響いて、騎士たちは自宅に帰っていった。

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